最強賢者の最強メイド～主人もメイドもこの世界に敵がいないようです～

第39話 シャルの冒険者登録

　翌日、例のごとく樹は昼頃に起き出した。

「おはよう。飯食ったらギルドに行こうか」

　メイド服姿で仕事をしていたシャルに声をかけた。

「あ、おはようございます！　はい、これだけやっちゃいますね」
「はいよ」

　樹は食事をする為、リビングへと向かった。

「シャルのやつなんだか張り切っているな」
「それは、念願の冒険者になれるのですから、多少なりともはしゃぐのでは？」
「まぁ、そうだよな」

　そんな事を話しながら樹はアリアと食事をしていた。

「いつも悪いな。俺に飯の時間合わせてくれて」
「そう思うなら、もっと早く起きて下さいよ」

　そう文句を言いながらもアリアはなんだかんだ付き合ってくれる。

「さて、食べ終わったし出かけるか。シャルはどこだ？」
「私、呼んで来ますね」

　樹が玄関で待っていると数分でアリアとシャルがやって来た。

「よし、じゃあ、ギルドへ行こうか」
「はい！」
「行って参ります」
「はい、行ってらっしゃいませ」

　セザールに見送られ、樹たちはギルドへと向かった。
美少女メイド二人を引き連れて歩いていると周りからの視線が少し気になる。

　屋敷から歩く事数分、ギルドへと到着した。
中に入ると皆の視線がこちらに集まる。

「あ、メラニさん、この子の冒険者登録をしたいんだけど、ここでいい？」
「樹さん、お疲れ様です。ギルマスから話は聞いてます。こちらで大丈夫ですよ」
「そっか、じゃあ、よろしく頼むよ」
「はい、ではまずこちらに必要事項の記入をお願いします」

　そう言ってメラニさんは一枚の書類を渡してきた。

「シャル、書けるか？　これ使え」

　樹は自分のペンを渡した。

「ありがとうございます」

　そのペンを使ってシャルはサラサラと必要事項の欄に記入していく。

「出来ました。これで大丈夫ですか？」

　シャルは記入した書類をメラニさんに渡し、樹にペンを返した。

「はい、問題ありませんね。ありがとうございます。それではシャルさんのステータスと冒険者ランクの確定をします。この水晶に手をかざして下さい」
「分かりました」

　シャルが手をかざすとステータスが浮かび上がった。

《ステータス》

名前　：シャル
レベル：44
種族　：エルフ族
スキル：弓術・小太刀術
魔法　：火・水・風・光
称号　：エルフの里長老の娘・綾瀬樹の弟子・アリアの弟子

　何やら称号も増えている様子だった。
レベルも樹が以前見た時より少し上がっている。

「これは、凄いですよ。いきなりCランク並のステータスです」
「本当ですか？」
「はい、早速、ギルドカードの発行手続きに入ります」

　冒険者ランクはFランクから存在するので、いきなりCランクというのはなかなかのものだ。

「旦那様、私やりました」
「そうみたいだな。俺も鼻が高いよ」

　しばらくするとメラニさんが発行されたギルドカード手に戻ってきた。

「こちらがシャルさんのギルドカードになります。シャルさんはステータスによる基準を満たしているため、Cランクからのスタートになります」

　そう言ってメラニさんがブロンズのギルドカードシャルに手渡した。
それをシャルは目を輝かせて受け取った。