一般トレジャーハンターの俺が最強の魔王を仲間に入れたら世界が敵になったんだけど……どうしよ?

大好き丸

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第一章 出会い

第一話 トレジャーハンターラルフ

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何がどうと言う事はない、生きるためには人を利用する。

時には頼り、時には裏切り、ごますったり見下しながら生きていく。
対等の立場なんてのは気持ち次第でころころ変わる嘘っぱちの言葉だ。

それでも愚直に人を信じるやつもいれば、経験上ろくなことにならんと無下にする俺のような奴もいる。俺の名はラルフ。一口で俺を表すならトレジャーハンターだ。

遠く戦場から外れた僻地にある町「アルパザ」

この地は古くから、二つの勢力に加担しない第三勢力の領地であるため戦争とは無縁の土地でもあった。

ここに集まる連中は大抵、戦争に嫌気がさして逃げ延びたような奴らだ。
結界が展開されている大都市ほど安全ではないが魔族がいないことは人々の心に余裕を生み、それなりの暮らしを約束する。

ただ魔獣が闊歩することが難点ではある。それなりに強い魔獣もいるので、壁を作り防衛面も強化しようと努力していた。守衛を常に募集しているので、腕っぷしだけの奴が食いっぱぐれることもない。

「アルパザ」は人々が戦時中であることを忘れさせる安息の地であった。

そんな町中の路地裏に位置する暗くジメジメした場所をラルフは歩いていた。

ラルフの風貌はくたびれた茶色いハット、やたらポケットがついている機能的なジャケットを羽織り、肩掛けのカバンを斜めにかけた黒い髪で無精ひげの男。
中肉中背で長い耳や牙といった特徴のない様子はラルフをヒューマンであると認識させる。

大きな袋を背負い込み迷いなく進んでいく。
何度目かの角を曲がった突き当りにお目当ての場所を見つける。

質屋を生業とする骨董品店「アルパザの底」

名前の由来は”迷い物が最後に行き着く先”と言う事を考えてつけられた。

言いたいことはわかるが、ネーミングセンスがない。
ラルフは店主に幾度か店名について物申したことがあるがことごとく一蹴された。
別に本気で変えてもらおうなんて思ってない。単なる世間話の一環だ。

いつものように木のドアをノックして開ける。
骨董品が並ぶ店内。壁際には壺や古びたタンス、食器類が並び、壁には民族衣装っぽい服や、仮面がかけられている。まるで博物館みたいだ。

どれも綺麗に掃除も行き届いているので、丁寧に取り扱っていることがわかる。
その奥にあるカウンターにはいつものように店主が立っていた。

「おう、ラルフじゃねえか」

店主は骨董品の綺麗さに負けず劣らず小綺麗に仕立てた紳士的な印象を与える、こざっぱりした中年だ。白いシャツにカーキ色のベストを身に着け、ベストとおそろいのスラックスで真面目な印象を与える。
口髭は剃り上げ、真っ白なあごひげを立派に生やしもみあげとつながっている。白髪をオールバックにして茶色い淵の無骨なメガネをかけた一見すれば貴族に見まごう容姿をしている。

これだけ綺麗にする理由は一つ、この店に訪れる客がそれなりの立場の人間だからだ。
歴史的価値あるものを裏社会でさばいたり、時には王様に献上してみたりと幅広い活動をしている。

一見ごみのように見えるものが、破格の値段で取引されることも珍しくないのだ。

「ようおっさん!今日もよろしく頼むぜ」

カウンターに今朝方盗掘してきた品をばらまく。

「……」

店主は一瞥するとカウンター内の金庫から金を出した。

「今日のはガラクタばかりだな。ま、引き取ってやるよ」

手に握らされた硬貨はまさに二束三文。

「まじかよ。どうにかならねえのか?」

「売りもんになんねえんだぞ?贅沢言うな。こっちが引取り代欲しいくらいだってのにそいつを俺が懇意に買ってやってるんだぞ?嫌なら他を当たったらどうだ?」

(言ってくれるぜ…アルパザじゃここ以外に買い手がないことくらい自分がよく分かっているくせによ)

ラルフは店主の態度と物言いに鼻持ちならなさを感じたがぐっとこらえる。
「アルパザの底」は幅広い取引先がある。

自分もアルパザに訪れた際必ず挨拶に来るくらい贔屓している。怒らせていいことはないし、こんなことは日常茶飯事だ。それに今日持ってきたガラクタが金にもならないことは、ラルフの方が知っている。ふったら乗ってくれただけのコミュニケーションに過ぎない。

「分かった、俺の負けだ。まあ金にならんよりはマシってな」

ラルフは機能的なジャケットのポケットの一つに小銭を無造作にしまう。と同時に店主はカウンターから身を乗り出しラルフに耳打ちするように喋りだす。

「なあラルフ、でかい話があんだけどよ…」

「待った!」

店主が本題に入る前に話を切る。

「おいラルフよぉ、聞けって。こんなはした金じゃ明日の命だろ?」

確かにそうである。この時代戦争に行く兵士の方が命を張る分稼げる。
今日渡された小銭など腹ごなしに果物を買って終了が関の山だ。

「実はもう潜るとこ決めてんだよ。そこが終わった後なら話を聞かないでもないぜ?」

店主は呆れ顔を作る。
またガラクタを持ってくんのか…って顔で。
しかしそこは付き合いの長い店主

「ちなみによ…そこはどんなところだ?」

場所を訪ねてくる。これはラルフのやる気をそいで早めに自分の仕事を押し付けたい行動だ。もし店主の知る遺跡や洞窟を言おうものなら「探索しつくされた」とか言ってくるつもりだろう。

そしてラルフの向かう先は店主がよく知るアルパザでは有名な遺跡。

しかし店主の「探索しつくされた」というテンプレからこの遺跡は外れている。ある伝説からだれもがその遺跡探索を拒んできていたからだ。

「あんたもよく知る遺跡さ…俺の次なる探索場はドラキュラ城だよ」
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