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61 【最終話】国王「兄上にはまだまだ働いてもらいます!」
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その後、本館での夕餉は賑やかで和やかでとても楽しい時間となった。
ラフィネの質問にしどろもどろなムーガは子どもたちに笑われて照れていた。
ヴィエナが子どもたちを寝かせるために部屋へ連れていき、応接室でラオルドとラフィネとムーガで酒を飲むことになった。
「孫たちとの時間はあっという間ねぇ」
ラフィネはワインを傾けながら先程までの喧騒を思い口元が緩む。
「キリア国王陛下やモカレ王弟殿下のお子様はお元気ですか?」
メルキトはすでに南方の辺境伯を後継し王城にはいない。
「ユニアが愛情込めて育てているもの。元気に決まっているわ」
「母上にも懐いていらっしゃるのでは?」
「ええ。今のところキリアの子が二人。モカレの子が一人。とても可愛いわよ。キリアの上の子はおばあちゃまって呼んでくれるわ。他の子はまだ小さいから上手く言えないの。うふふ。
二組とも夫婦仲はとてもいいからまだまだ孫は増えそうね」
「そうですか」
ムーガはかつて自分が仕えていたエーティルが幸せそうで嬉しくなった。
「でもね、三人が可愛いからこそ、リカルドたちに会いたくなっちゃうのよねぇ」
「なるほど。でも、それは父上も同じなのでは?」
「本来ラオルドが担う王城業務を陛下がやらなくてはならないでしょう。メルキトは辺境伯領で頑張っているしモカレはまだ新人だもの。私も陛下も城から離れるのは流石にまだ無理ね」
「え? では、フィーネ様の分は?」
「エーティルとモカレの妻王弟妃がやってくれるから大丈夫よ。ユニアのサポートは完璧だもの」
『人数的には先王陛下もフィーネ様も五分五分な気がしますが……』
笑顔で言い切るラフィネに少しばかり呆れた二人だが特にツッコむ事はしなかった。
〰️ 〰️ 〰️
王家の者たちは交代交代にラフィネの屋敷を訪れるようになった。
先王陛下は訪れる度に沢山の土産を持ってくるのでラオルドに叱られている。
「ワシはラフィネのようにずっといるわけではないのだぞ。おじいさまとしての威厳を示さなくてはならんだろう」
先王陛下は泣き顔でラオルドに訴えた。
「金で威厳をしめさないでください。威厳より愛情ですよ」
「だから、愛情を示すのもプレゼントが……」
「おじいちゃま」
「ティモ?」
「おじいちゃまがくれたご本。ティモに読んでくれる?」
「もちろんだよぉ!!」
先王陛下に頬をスリスリされたティモはラオルドにピースした。ラオルドは呆れ微笑を零す。
別の日にはキリアとエーティルは従兄弟同士である子供たちが仲良く遊ぶ姿を見て微笑ましく笑っていた。
また別の日にはモカレは妻と子供たち、そしてユニアを連れてくるのだがユニアは何度来てもいつも泣いて喜んでいる。
辺境に婿入りしたメルキトは半年に一度兵士を十名ほど連れてきてムーガに弟子入りさせるので常に二十名ほどの辺境伯軍の兵士が男爵邸別館ラフィネの家に滞在している。
「お父さんが辺境伯領へ行った方が早くない?」
ヴィエナはため息交じりに苦言を呈す。
「やだね。孫たちと離れたくない」
ムーガが腕の中で眠るタールをギュッと抱くとヴィエナは両手を上げて呆れを表す。それを見たリカルドがヴィエナのマネをするのでラオルドは大笑いしている。
「義姉さん。ここまでの道行も遠征演習となりますからお気になさらずに」
うんざりとした顔をするムーガにメルキトは百点満点の笑顔を見せた。
実際のところ、領地拡大の戦闘力にも開拓の戦力にもなっているし、領民への言い訳のたつラフィネの警備が増えたと思えば悪いことばかりではない。
メルキトは兵士を置いてさっさと帰る。
「ムーガから受けた武術と兄上の政策をうちでもやります。領地を増やさねば子供らに譲渡できませんから。だから兵士たちの指導お願いいたしますねっ!
愛する家族の元へ帰りますっ! ではっ!」
メルキトは子沢山ですでに五男二女、現在も夫人は妊娠中である。
最近では文官も連れてきてラオルドの補佐をさせている。
最初こそ王家の者たちに慄いていたヴィエナであったが、対応力に優れているのですぐに問題なくなった。
「伯爵様ご家族は仲が良いんだなぁ」
「男爵様も喧嘩なさってこちらに来たんじゃないって言ってたしな」
「それにしてもみぃんな美人だよなぁ」
そこにいた者たちはコクコクと賛同した。
男爵家当主ラオルドの家族を伯爵だと信じている領民たちは訪れる王族を微笑ましく迎え入れている。
〰️ 〰️ 〰️
ラオルドが男爵になって十五年。
遊びに来ていたキリア国王家族が帰宅の途につくことになった。
「兄上。国土拡大に貢献していただきありがとうございます」
野盗討伐と樵村が功を奏している。樵たちに計画的に木の伐採をさせ切り拓き街や畑にした。
それを繰り返していくといつの間にか領地は随分と広くなった。
「来月、兄上を伯爵へ陞爵いたしますゆえ、ご家族一同で王都へいらしてください。
兄上が陞爵していただかないとメルキトに男爵位を授けられないのです」
帰り際、馬車の窓を開けて気軽に言うキリアはラオルドの弟愛への刺激もしっかりと忘れない。メルキトは子供たちのために爵位が欲しいから頑張っているとラオルドに酒を呑みながら言っている。
「おっおいっ! ちょっと待てっ!」
「僕は国王ですから反対は受け付けません」
「俺は王都に入らない約束で」
「それは兄上と前王陛下前王妃陛下との約束です。僕とはしていません。昔の約束など誰も覚えておりませんよ」
説得にも眉を寄せるラオルドを見てキリアはため息を吐く。
「兄上の働きはその約束を破棄して余りあるものです。誰も反対などいたしません。
あちらで待ってますね」
「リアン!!!」
キリアは身分を隠すためここではリアンと呼ばれている。キリアは動く馬車の窓から手だけを出して悠々と振った。
呆然と見送るラオルドの肩をポンとムーガが叩く。ヴィエナには話は聞こえておらず、子供たちとともに離れ行く馬車に手を振っていた。
~ fin ~
〰️ 〰️ 〰️
〰️ 〰️ 〰️
最後までお付き合いいただきありがとうございました*ᴗ ᴗ)⁾⁾♪
みなさんが読んでくださるので完結まで走れました。
ご感想やエールをいただけますと作者が「うっきー!!」となります。
今後ともよろしくお願いします。
ラフィネの質問にしどろもどろなムーガは子どもたちに笑われて照れていた。
ヴィエナが子どもたちを寝かせるために部屋へ連れていき、応接室でラオルドとラフィネとムーガで酒を飲むことになった。
「孫たちとの時間はあっという間ねぇ」
ラフィネはワインを傾けながら先程までの喧騒を思い口元が緩む。
「キリア国王陛下やモカレ王弟殿下のお子様はお元気ですか?」
メルキトはすでに南方の辺境伯を後継し王城にはいない。
「ユニアが愛情込めて育てているもの。元気に決まっているわ」
「母上にも懐いていらっしゃるのでは?」
「ええ。今のところキリアの子が二人。モカレの子が一人。とても可愛いわよ。キリアの上の子はおばあちゃまって呼んでくれるわ。他の子はまだ小さいから上手く言えないの。うふふ。
二組とも夫婦仲はとてもいいからまだまだ孫は増えそうね」
「そうですか」
ムーガはかつて自分が仕えていたエーティルが幸せそうで嬉しくなった。
「でもね、三人が可愛いからこそ、リカルドたちに会いたくなっちゃうのよねぇ」
「なるほど。でも、それは父上も同じなのでは?」
「本来ラオルドが担う王城業務を陛下がやらなくてはならないでしょう。メルキトは辺境伯領で頑張っているしモカレはまだ新人だもの。私も陛下も城から離れるのは流石にまだ無理ね」
「え? では、フィーネ様の分は?」
「エーティルとモカレの妻王弟妃がやってくれるから大丈夫よ。ユニアのサポートは完璧だもの」
『人数的には先王陛下もフィーネ様も五分五分な気がしますが……』
笑顔で言い切るラフィネに少しばかり呆れた二人だが特にツッコむ事はしなかった。
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王家の者たちは交代交代にラフィネの屋敷を訪れるようになった。
先王陛下は訪れる度に沢山の土産を持ってくるのでラオルドに叱られている。
「ワシはラフィネのようにずっといるわけではないのだぞ。おじいさまとしての威厳を示さなくてはならんだろう」
先王陛下は泣き顔でラオルドに訴えた。
「金で威厳をしめさないでください。威厳より愛情ですよ」
「だから、愛情を示すのもプレゼントが……」
「おじいちゃま」
「ティモ?」
「おじいちゃまがくれたご本。ティモに読んでくれる?」
「もちろんだよぉ!!」
先王陛下に頬をスリスリされたティモはラオルドにピースした。ラオルドは呆れ微笑を零す。
別の日にはキリアとエーティルは従兄弟同士である子供たちが仲良く遊ぶ姿を見て微笑ましく笑っていた。
また別の日にはモカレは妻と子供たち、そしてユニアを連れてくるのだがユニアは何度来てもいつも泣いて喜んでいる。
辺境に婿入りしたメルキトは半年に一度兵士を十名ほど連れてきてムーガに弟子入りさせるので常に二十名ほどの辺境伯軍の兵士が男爵邸別館ラフィネの家に滞在している。
「お父さんが辺境伯領へ行った方が早くない?」
ヴィエナはため息交じりに苦言を呈す。
「やだね。孫たちと離れたくない」
ムーガが腕の中で眠るタールをギュッと抱くとヴィエナは両手を上げて呆れを表す。それを見たリカルドがヴィエナのマネをするのでラオルドは大笑いしている。
「義姉さん。ここまでの道行も遠征演習となりますからお気になさらずに」
うんざりとした顔をするムーガにメルキトは百点満点の笑顔を見せた。
実際のところ、領地拡大の戦闘力にも開拓の戦力にもなっているし、領民への言い訳のたつラフィネの警備が増えたと思えば悪いことばかりではない。
メルキトは兵士を置いてさっさと帰る。
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メルキトは子沢山ですでに五男二女、現在も夫人は妊娠中である。
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そこにいた者たちはコクコクと賛同した。
男爵家当主ラオルドの家族を伯爵だと信じている領民たちは訪れる王族を微笑ましく迎え入れている。
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説得にも眉を寄せるラオルドを見てキリアはため息を吐く。
「兄上の働きはその約束を破棄して余りあるものです。誰も反対などいたしません。
あちらで待ってますね」
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キリアは身分を隠すためここではリアンと呼ばれている。キリアは動く馬車の窓から手だけを出して悠々と振った。
呆然と見送るラオルドの肩をポンとムーガが叩く。ヴィエナには話は聞こえておらず、子供たちとともに離れ行く馬車に手を振っていた。
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