神様の料理番

柊 ハルト

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ショコラの接吻

02 ー 勃発、嫁姑問題…ではなく

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「よく来たな、マコト」

 こちらが赴くより早く、スカーレットがずんずんと近付いて来る。
 燃えるような真っ赤な髪を際立たせるのは、細身の淡い水色のジュストコールだ。
 誠は服飾関係に明るくないのだが、確か中世ヨーロッパでは男性の脹脛の脚線美が男性の魅力とされ、半ズボンに白いストッキングが幅を利かせていたと記憶している。ファッションががらっと変わり、これまでの華美なものからシンプルになっていったのは、フランス革命後だったはずだ。
 先日会った時もそうだが、スカーレットは今日も細身の長いズボンを履いている。
 食文化は中世ヨーロッパなのに、騎士団の制服といいスカーレットの服といい、あの怠惰な神は、本当にいいかげんに地球文化をトレースしている。
 けれど白いストッキング姿のアレクセイは見たくないので、それだけは感謝しても良いかもしれない。

「スカーレット公爵夫人。この度は、図々しいお願いを叶えていただき…」
「あー、良い良い。気楽にな」
「はい…」

 誠の堅苦しい挨拶は不要らしい。スカーレットは誠の肩に回されているアレクセイの手をポイっとのけると、すかさず誠の背中に手を回して「こっちだ」とエスコートした。

「母上!」

 アレクセイが吠えるも、スカーレットはニヤリと笑うだけだ。

「何だ?お前は手でも繋いでやろうか?」
「いりませんよ、俺をいくつだと思ってるんですか。それよりも、マコトですよ。俺が案内します」
「いや、俺が案内する。今のうちに、新しい息子といろんな話をしたいんでな」

 半分は本音で、半分はパフォーマンスだと誠は思った。妙にスカーレットの声や仕草が大きかったからだ。
 スカーレットとの嫁姑問題は起こらないだろうと本能的に感じるが、問題は周りの目だ。ところどころ、こちらに敵意を向けている。それが分かっているのか、アレクセイもスカーレットも耳をピンと立てたまま、時折ぴくりと動かしていた。

「アレクセイ。俺はスカーレット夫人に案内してもらいたいと思うんだけど。こんな機会だし、夫人と話したいよ」
「……分かった」
「スカーレット夫人、お義母様と呼んでも?」

 渋々、本当に渋々納得したアレクセイとアイコンタクトを取ってから、誠はスカーレットにお願いをしてみた。まだエントランスホールで、というところがミソである。
 スカーレットは片眉をぴくりと上げると、片方の口角を誠だけに見えるように器用に上げた。

「ああ、もちろんだとも。ローゼスには母上って呼ばせてんだけど、お前もそう呼んでも良いんだぜ」
「母上ですか…。すみません、俺は母上という言葉を慣れていないもので、お義母様で許してください」
「仕方無ぇな。特別だぞ」
「はい。ありがとうございます」

 スカーレットに背中をぽんぽんと叩かれたあと、「じゃあ、行こうか」と今度こそ別館へと案内された。廊下は広いので、誠とスカーレットが並んで歩いてもまだ余裕がある。いつの間にか誠を挟むように、アレクセイも隣を歩いていた。
 母親に対抗するように、しっかりと手を握られている。誠は、きゅっと、その手に力を込めてやった。
 その後ろから付いてくるのはスカーレットと歳が変わらないように見える男性獣人で、ロイズと言う名のスカーレットの部下だ。執事がついて来るのではないのかと思っていたが、実家から連れてきたスカーレットの右腕的存在で、執事の仕事も兼ねているらしい。
 そしてスカーレットとは乳兄弟で腐れ縁。リカオンの獣人だからか、オレンジ色の髪には黒いメッシュが入っていた。
 気になっていたスカーレットの種族はジャッカルだった。アビシニアジャッカルの毛並みは赤橙色や赤褐色だったので、詳しく分類したらそっちの血が濃いのかもしれない。
 連れて来られた別館は、本館と廊下で繋がっていた。
 二階建てらしいが、誠が用があるのは一階の厨房だ。まずまずの広さの厨房には、なぜかメイドと料理人が二名ずつ立っていた。

「…母上?」

 アレクセイが、怪訝そうにスカーレットを見た。同じく、誠も首を傾げた。
 こちらの厨房には、誰も入れないと話がついていたはずだ。

「ああ、俺は厨房のことについてはさっぱりだからな。こっちは普段使ってないから、しっかりとした掃除と準備を頼んでたんだよ。材料は持ち込みって話だったけど、スパイスと小麦粉は本館から寄越した。マコト、良かったら使ってくれ」
「そうだったんですね。お気遣いいただき、ありがとうございます」

 この後、商談があるとのことで、スカーレットとロイズは申し訳なさそうにしながら一旦退席した。予定していた夕飯の時間には戻って来れるそうだ。
 アレクセイはダイニングを確認しに行くと言ったので、残された誠は厨房の隅で邪魔にならないように残りの作業を見ていた。ついでに調味料の場所を確認する意味もあったのだが、ジロジロと見られていると思ったのか、メイドや料理人達に睨まれてしまった。

「あー…すみません、お邪魔でしたか」

 一度厨房から出ようと思ったが、メイドの一人が誠の進路を邪魔するように体を割り込ませて来た。

「…何ですか?」

 とりあえず営業スマイルを浮かべてはいるが、正直、良い気分ではない。横にずれて出ようとしたが、それもまた塞がれてしまった。
 そろそろ注意しようと思った矢先、そのメイドはボソリと誠に言った。

「人間のくせに」
「…は?」

 誠は笑顔のまま固まっていた。いきなり何なのだろう。
 一人が口火を切ると、追随しやすいのは分かる。分かるが、いい大人が次々と「厨房を貸し切りたいだなんて、何様のつもりだ」「どんな手を使ってアレクセイ様をたぶらかしたのよ」などと聞こえよがしに言うのはいかがなものか。
 アレクセイの公爵家の中での人気の高さが分かったが、これは酷い。
 文句があるなら雇い主に言えよクソが。と、ついつい口に出しそうになったが、ここは我慢だ。問題を起こせば、せっかく招いてくれたスカーレットの顔を潰すことになるし、アレクセイの立場も悪くなる。
 溜息を吐きそうになるのを堪え、誠は彼らの方を向いた。

「何ですか?俺がアレクセイのツガイで、しかも人間だから気に入らない、と。更に図々しくも公爵家の別館に上がり込み、厨房を貸し切るのも気に入らない?」
「そうだ!我々獣人に劣る人間のくせに、何を考えているんだ!」

 エントランスにずらりと並んだ使用人達は、全員が何らかの獣人だった。そしてここに居る四人もそうだ。
 スカーレットからは嫌な気配を感じなかったので、人間に対する嫌悪感は無いのだと分かるが、使用人達には何人か人間を嫌っている者が居るのだろう。この四人もそうだ。しかし、割合的には二割ほどだったはずだ。
 よくもまあ、この場に人間嫌いがこうも揃ったものだと誠は変に感心していた。

「何をって…ただ料理がしたかっただけですよ。公爵夫人がお声がけくださったので、断るのも悪いでしょうが」

 なぜ自分達の行動が、スカーレットをはじめとするヴォルク公爵家の面汚しになると気付かないのだろう。
 どうお取り引きいただこうかと誠が考えあぐねていると、頼れる気配が近付いて来たのが分かった。ここはおとなしく任せておいた方が良いだろうか。きっと自分が何を言っても、彼らには響かない。
 誠が入り口の方を向くと、丁度やって来たアレクセイと目が合った。いつもは綺麗に煌めいているアイスブルーが冷たく燃えているので、きっと先程の会話は彼の耳に入ってしまったのだろう。

「お前達、なぜまだここに居る?」

 誠の進路を邪魔していたメイドを避け、アレクセイは誠の隣に並んで腰を抱いた。

「アレクセイ様!どうして人間なんかをお屋敷に呼んだんです?本当にその人間をツガイになさるおつもりですか?」

 おつもりも何も、アレクセイはもうすでに誠のツガイだ。
 近くに居たメイドの訴えは、アレクセイの冷たい視線によって一蹴された。

「…お前は新しいメイドだな。何の権限があって、俺にそんなことを言うんだ」

 厨房に、アレクセイの低い声が響く。メイドは顔を青ざめさせ、震えていた。
 これが「氷の貴公子」とアレクセイが言われる所以なのかもしれない。まだ魔力が漏れ出していない状態だが、この場の空気は限りなく冷たい。他の三人も凍りついている。
 群れを成す動物は上下関係をはっきりさせているものが多いが、狼もそうだ。この場を支配しているのはアレクセイだった。

「マコトは母が招いた客人だ。そして俺のツガイだ。お前達はヴォルク家に仕えるメイドと料理人。違うか?…もう一度言う。お前達は何の権限があって、俺と母に意見する?いつから俺達より偉くなったんだ」

 ここまで言えば、彼らでも気付いただろうか。これは使用人達の、主人へ対する反乱だということに。

「けれど…納得できかねます。アレクセイ様ほどの方が、こんなひ弱な人間をツガイになど…」

 メイドは縋るような目をアレクセイに向けた。
 まだ若いメイドや使用人達の、誠への視線の意味は嫉妬だろうことは見当がついていた。この二人のメイドもアレクセイに向ける目が違っていたので、今回のことはおそらくは恋心の暴走、と言ったところだ。
 事前に誠が平民の人間と聞かされていたのだろうか。アレクセイのツガイ相手が貴族なら、彼女達もここまで暴走しなかったのではと考えてしまう。
 高位貴族の家には、下位貴族の次女・次男以下が使用人やメイドとして仕えると、何かの本で読んだ記憶がある。
 要するに、誠は見縊られていたのだ。

「…めんどくせ」

 思わずポツリと零れてしまった。
 自分の身分が平民で、しかも嫌っている人間だから、何を言っても良いと思われているのか、もしくはそういう理由だからアレクセイに直訴すれば考え直すとでも思ったのか。
 どちらの理由でもどうでも良いし、マウント合戦は他所でやってほしいものだ。

「はぁ…」

 アレクセイも誠と同意見なのか、溜息を吐いた。そして「このことは母上に報告する」と言うと、この空気とアレクセイの視線に耐えられなくなったメイド達は、バタバタと足音を立てながら去ってしまった。
 残ったのは、料理人二人だ。。
 アレクセイは彼らにも厳しい視線を向けた。

「それで…お前達は?」

 料理人達はアレクセイの威圧のせいで丸まった尾を足に挟みながらも、必死に堪えていた。

「我々は…そんなぽっと出の者に、神聖な厨房を荒らされたくないだけです」
「ほぉ…。だがこの別館は、誰も使っていないだろう?」
「けれど、厨房は厨房です!アレクセイ様は知らないと思いますが、料理人はいきなり自由に厨房で料理ができないんです。まずは下働きの皿洗いや野菜の皮むきなどから始め、次に…」

 その話は長くなるのだろうか。誠がうんざりしていると、隣から唸り声が聞こえた。これは相当おかんむりのようだ。

「俺は子供の頃から、厨房に出入りしていた。そして料理長ともよく話ていたから、料理人について少しは知っている。お前達の言っていることは、雇われた料理人としての話だろう。マコトは料理人と言っても、この家にとっては客人だ。お前達はマコトが高位貴族の子息だったとしても、同じことを言うのか?」

 小さくパチパチと何かが弾ける音が聞こえてくる。音の発生源を探ると、それはアレクセイが握りしめている手からだった。
 よく見ると、その手にはうっすらと雷が帯びていた。
 アレクセイの魔法の属性は氷。それより親和度が低いが、水も扱える。雷は使えなかったはずだが、これは龍玉がアレクセイの体にかなり馴染んできた証拠かもしれないと、誠は目を見張った。

「しかし、我々は認められません。こちらの家の料理人になるために、我々は血の滲むような努力をしてきましたし、王宮の料理人と比べても遜色はないと自負しています。なので、遊びで厨房を使われるなんて、見逃せるはすが…」
「だったら、そこの二人はマコトがどんな料理を作るのか、観察でもすれば良い」

 ずっと廊下に居るなと思っていたが、このタイミングで出てくるとは。
 厨房に入って来たのは、泣く子も黙って回れ右をするであろう黒豹だった。これでこの場の支配者が二人に増えてしまった。
 アレクセイはフレデリクを咎めた。

「兄上。マコトは自分の料理を他所に漏らすことを、今は良しとしていません。そしてまた、他人を厨房に入れないことについて、母上も了承しています」
「だが、その料理人達は何を言っても納得しないようだぞ。どうするマコト。現実を見せてやるか?」

 腕を組んで壁に寄りかかっているフレデリクは、無防備にも見えるが威圧感だけは人一倍出ている。
 誠とアレクセイは何も思わないのだが、料理人達はたまったものではないだろう。そのせいで更に顔は悪くなり、口をパクパクさせている。
 誠はその隙に、そうですねと了承した。
 それを見たアレクセイは、誠の両肩を掴んで顔を覗き込んだ。

「マコト、良いのか?君は…」

 その先は言わなくても分かる。誠はアレクセイを落ち着かせるために、アレクセイの両手をゆっくり下ろした。

「別に。もうめんどくせーし。いいものを作るから」

 苦笑しながら言ってやったが、はたして通じたのかどうか。
 そう思ったが、さすがはアレクセイだ。正しく通じたようで、「分かった」と言いながら、誠の指先をキュッと握ってきた。
 誠はフレデリクの方を向き、廊下を指差した。

「それでは、人数も多いと邪魔になるので、フレデリク様は退室願います」
「…仕方が無い。しかし、アレクセイは良いのか?」
「アレクセイは俺が言っても梃子でも動かないでしょ?」

 そう言われたフレデリクは、アレクセイを見た。
 まだ耳も尾もピンと立ち、警戒を表していた。誠の指を握って少しは安定しているようだが、時折グルル…と小さく唸っている。

「…マコト。任せたぞ」

 フレデリクは苦笑しながら、誠にまだピリピリしているアレクセイの手綱を託した。
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