8 / 26
待つ者は
しおりを挟む
土産物の宝飾品とドレス、そして売れると思っていなかった不良品の懐中時計を質屋に売る事ができ、それが思った以上の収入に上機嫌でホテル・ヴェガ・クラウンへの道を歩くファーガス。
ちょっと買い物はしてしまったが250.000G以上も手元に残っている。
宿に帰ったら部屋のランクを上げようか?それとも、ルームサービスでいい酒と料理を頼むか?サンドラを連れて外で豪華な夕食でも食べに行くのもいいな。
そんな思考を思い浮かべながら、だらしなくニヤけそうな顔をぐっと我慢する。
浮き足立ちそうな足で宿の扉を開けた。
サンドラに会いたいとはやる気持ちを抑え、受付で予約していた部屋への手続きを済ませた。
ジャクソンの事があるため、念のために旧姓を名乗っておく事にしておく。
ロビーの片隅に積まれた荷物の山を従業員に運ぶように言いつけ、ファーガスはサンドラを探す。
宿泊客と従業員が行き交う宿のロビーで愛しのサンドラを探し辺りを見渡す。
「あ、サンドラ!」
程なくして待合のソファーに見知った後ろ姿を見つける事ができ、年甲斐も無く小走りで駆け寄ろうとしたその時、
「・・・・は?」
サンドラの傍に男の姿があった。
自分よりも若くサンドラと同じくらいの年齢の眼鏡をかけた若い男だった。
そして、ファーガスは見た。振り向きざまに見せたサンドラの笑顔の横顔で、その男と楽しそう談話していた。
その時、さっきまで浮き足立ちそうだったファーガスの気持ちが一気に冷め、代わりに熱ににも似た怒りが一気に湧き上がってきた。
「ッ!!サンドラ!!」
怒鳴り声にも似た大声にサンドラは驚いたように振り向き、周りの宿泊客や宿の従業員も思わず動きを止めた。
だが、ファーガスはそんな事も気にせず、荒い足取りで若い男と談話していたサンドラの元へと歩み寄る。
「フ、ファーガス様」
ファーガスの帰りに今気付いたサンドラは少し慌てた様子で歩み寄って来るファーガスに駆け寄った。
だが、ファーガスの険しい表情に、サンドラは思わず足を止め、愛想良くファーガスに微笑みかける。
「、ファーガス様、帰って来てくれたんですね」
「サンドラ、その男は一体誰だ」
「え、フ、ファーガス様?」
「私がいない間に他の男と会っていたのか?」
「ち、違います。この人は」
「私がいない所でお前はそうやって、他の男を誘惑していたんじゃないだろうな」
「そ、そんな!!」
怒りの表情のファーガスにサンドラは慌てて弁解しようとするが、ファーガスは更にサンドラに問いただそうと迫ろうとしたその時、
「彼女は何も悪くはありませんよ」
「ッ、アーノルドさん」
サンドラの後ろから、若い男がサンドラの横に立った。
「なんだ!誰だ!貴様は!!」
「俺は、アーノルドと申すこの宿に泊まっているただの客ですよ」
飄々と答えるアーノルドと名乗った若い男に見下すように睨むファーガス。
アーノルドはYシャツにズボンとラフな服装だが、男は背が高く、スタイルの良さがよく分かる。
あまり深く物事を考え無さそうな軽い感じ、ではあるが、整った顔立ちをしている。
恐らくサンドラと同じ20代くらいの年齢だろうが、知らない若い男が愛しのサンドラと話していた事だけでも腹立たしいが、目の前の男は明らかに自分よりも若く、自分よりも背が高い。
そんな無意識なアーノルドへの醜い嫉妬にファーガスの顔は段々と険しい表情になっていた。
あからさまに嫉妬が丸分かりなファーガス対してアーノルドは少し困った風に微笑んだ。
「一応言っておきますけど、たまたまロビーに降りてきたら彼女が気分がすぐれない様子だったから声をかけただけですよ?」
「彼女は私の連れだ。勝手に声をかけるな」
「うわ、独占欲すごいですね。・・・・・・でも、そんなに彼女が大切ならこんな人が多い場所に置いて行くのはどうかと思いますけど?」
「なんだと?」
アーノルドの言葉に無意識に声が低くなるファーガス。
「聞けば彼女、サンドラさんはこの宿に初めて訪れたと言うし、女性を1人心細い思いをさせるのは男としてどうかと思ったので」
「・・・・だ、黙れ若造が」
「おっと、不快に思われたのなら、すみません。でも、こんなに見目麗しい女性が一人置いてきぼり。男として声をかけられても仕方がない事でしょ?」
一応歳上という事で敬語は使っているが、明らかにファーガスを煽るアーノルドの言葉にファーガスの苛立ちが募っていく。
「そんなに独占欲が強いなら先に彼女だけでも部屋で待たせてあげるのが常識じゃないですか?」
「ッ、そんな事お前には関係の無い事だ」
「ああ、そうでしょうね。勢いよく宿に入ったはいいけど泊まる為のお金が無くて折角旅行先で買った土産物を質屋に売りに走るくらい周りが見えていなかったんですからね」
「なっ!?」
アーノルドの言葉に思いもよらないと言った顔をするファーガス。
「まさか、気づいていなかったんですか?この宿のオーナー直々に出向いてあんなに大声で話していたらロビーにいた人なら誰だって見ていましたよ?貴方が、最上級の部屋をツケで用意しろと豪語した後、この宿で一番安値の部屋に変更してお金がないからと荷物の山から幾つか物をもちだ宿を飛び出す姿を」
「な、なぁ!?」
可笑しそうにクスクス笑うアーノルドに羞恥と怒りでファーガスは顔を真っ赤にする。
周りの人達が遠巻きにこちらを面白半分に伺っていたが、今にも若い男に掴みかからんばかりのファーガスの気迫に思わずそっと後退する。
「サンドラさんから少し話を聞きましたが、一応、貴方もそれなりの身分をお持ちのようですが、少しは自分の身の丈を考えた方がいいですよ?見栄を張った身分不相応な行動は、側にいてくれる人が恥をかくことになりますよ?」
「ッッッ~~~~!!!」
眼鏡の越しの目を細め優しく微笑む笑顔とは裏腹に鋭い棘のある言葉の数々。
そして、見透かし、憐れみを含んだようなアーノルドの視線に怒りでファーガスは口をハクハクと言葉にならない声を上げる。
「こ、この!!!」
ファーガスは怒り任せにアーノルドに掴みかかろうとしたその時、
パン!!
乾いた音が小さくロビーに響いた。
今まで黙っていたサンドラがアーノルドの右頬を叩いた音だった。
「っ・・・・・・」
「は?サ、サンドラ?」
アーノルドは然程ダメージは無さそうだが、ファーガスは驚いて思わず目を見開いた。
「アーノルドさん。それ以上、その方への侮辱発言は私が許しません」
そう言って、サンドラはアーノルドをキッと睨み付けた。
「ファーガス様は私の為に精一杯頑張ってくれているんです。理由はどうあれ、そんなファーガス様を侮辱するのは止めて下さい」
「・・・・・・・これはこれは、勇ましい事で」
「私、これでも気は強い方ですのよ?」
目を細め妖艶で挑発的に笑いながらファーガスの隣に歩み寄るサンドラ。
「行きましょう。ファーガス様」
「あ、ああ・・・・・」
まだ呆けた様子のファーガスはサンドラに連れられ、その場を後にした。
「・・・・・・・・・・・・・・ふっ」
その後ろでサンドラに叩かれた頬をそっと撫でながら、アーノルドは小さく笑いながら二人の後ろ姿を見ていた。
ちょっと買い物はしてしまったが250.000G以上も手元に残っている。
宿に帰ったら部屋のランクを上げようか?それとも、ルームサービスでいい酒と料理を頼むか?サンドラを連れて外で豪華な夕食でも食べに行くのもいいな。
そんな思考を思い浮かべながら、だらしなくニヤけそうな顔をぐっと我慢する。
浮き足立ちそうな足で宿の扉を開けた。
サンドラに会いたいとはやる気持ちを抑え、受付で予約していた部屋への手続きを済ませた。
ジャクソンの事があるため、念のために旧姓を名乗っておく事にしておく。
ロビーの片隅に積まれた荷物の山を従業員に運ぶように言いつけ、ファーガスはサンドラを探す。
宿泊客と従業員が行き交う宿のロビーで愛しのサンドラを探し辺りを見渡す。
「あ、サンドラ!」
程なくして待合のソファーに見知った後ろ姿を見つける事ができ、年甲斐も無く小走りで駆け寄ろうとしたその時、
「・・・・は?」
サンドラの傍に男の姿があった。
自分よりも若くサンドラと同じくらいの年齢の眼鏡をかけた若い男だった。
そして、ファーガスは見た。振り向きざまに見せたサンドラの笑顔の横顔で、その男と楽しそう談話していた。
その時、さっきまで浮き足立ちそうだったファーガスの気持ちが一気に冷め、代わりに熱ににも似た怒りが一気に湧き上がってきた。
「ッ!!サンドラ!!」
怒鳴り声にも似た大声にサンドラは驚いたように振り向き、周りの宿泊客や宿の従業員も思わず動きを止めた。
だが、ファーガスはそんな事も気にせず、荒い足取りで若い男と談話していたサンドラの元へと歩み寄る。
「フ、ファーガス様」
ファーガスの帰りに今気付いたサンドラは少し慌てた様子で歩み寄って来るファーガスに駆け寄った。
だが、ファーガスの険しい表情に、サンドラは思わず足を止め、愛想良くファーガスに微笑みかける。
「、ファーガス様、帰って来てくれたんですね」
「サンドラ、その男は一体誰だ」
「え、フ、ファーガス様?」
「私がいない間に他の男と会っていたのか?」
「ち、違います。この人は」
「私がいない所でお前はそうやって、他の男を誘惑していたんじゃないだろうな」
「そ、そんな!!」
怒りの表情のファーガスにサンドラは慌てて弁解しようとするが、ファーガスは更にサンドラに問いただそうと迫ろうとしたその時、
「彼女は何も悪くはありませんよ」
「ッ、アーノルドさん」
サンドラの後ろから、若い男がサンドラの横に立った。
「なんだ!誰だ!貴様は!!」
「俺は、アーノルドと申すこの宿に泊まっているただの客ですよ」
飄々と答えるアーノルドと名乗った若い男に見下すように睨むファーガス。
アーノルドはYシャツにズボンとラフな服装だが、男は背が高く、スタイルの良さがよく分かる。
あまり深く物事を考え無さそうな軽い感じ、ではあるが、整った顔立ちをしている。
恐らくサンドラと同じ20代くらいの年齢だろうが、知らない若い男が愛しのサンドラと話していた事だけでも腹立たしいが、目の前の男は明らかに自分よりも若く、自分よりも背が高い。
そんな無意識なアーノルドへの醜い嫉妬にファーガスの顔は段々と険しい表情になっていた。
あからさまに嫉妬が丸分かりなファーガス対してアーノルドは少し困った風に微笑んだ。
「一応言っておきますけど、たまたまロビーに降りてきたら彼女が気分がすぐれない様子だったから声をかけただけですよ?」
「彼女は私の連れだ。勝手に声をかけるな」
「うわ、独占欲すごいですね。・・・・・・でも、そんなに彼女が大切ならこんな人が多い場所に置いて行くのはどうかと思いますけど?」
「なんだと?」
アーノルドの言葉に無意識に声が低くなるファーガス。
「聞けば彼女、サンドラさんはこの宿に初めて訪れたと言うし、女性を1人心細い思いをさせるのは男としてどうかと思ったので」
「・・・・だ、黙れ若造が」
「おっと、不快に思われたのなら、すみません。でも、こんなに見目麗しい女性が一人置いてきぼり。男として声をかけられても仕方がない事でしょ?」
一応歳上という事で敬語は使っているが、明らかにファーガスを煽るアーノルドの言葉にファーガスの苛立ちが募っていく。
「そんなに独占欲が強いなら先に彼女だけでも部屋で待たせてあげるのが常識じゃないですか?」
「ッ、そんな事お前には関係の無い事だ」
「ああ、そうでしょうね。勢いよく宿に入ったはいいけど泊まる為のお金が無くて折角旅行先で買った土産物を質屋に売りに走るくらい周りが見えていなかったんですからね」
「なっ!?」
アーノルドの言葉に思いもよらないと言った顔をするファーガス。
「まさか、気づいていなかったんですか?この宿のオーナー直々に出向いてあんなに大声で話していたらロビーにいた人なら誰だって見ていましたよ?貴方が、最上級の部屋をツケで用意しろと豪語した後、この宿で一番安値の部屋に変更してお金がないからと荷物の山から幾つか物をもちだ宿を飛び出す姿を」
「な、なぁ!?」
可笑しそうにクスクス笑うアーノルドに羞恥と怒りでファーガスは顔を真っ赤にする。
周りの人達が遠巻きにこちらを面白半分に伺っていたが、今にも若い男に掴みかからんばかりのファーガスの気迫に思わずそっと後退する。
「サンドラさんから少し話を聞きましたが、一応、貴方もそれなりの身分をお持ちのようですが、少しは自分の身の丈を考えた方がいいですよ?見栄を張った身分不相応な行動は、側にいてくれる人が恥をかくことになりますよ?」
「ッッッ~~~~!!!」
眼鏡の越しの目を細め優しく微笑む笑顔とは裏腹に鋭い棘のある言葉の数々。
そして、見透かし、憐れみを含んだようなアーノルドの視線に怒りでファーガスは口をハクハクと言葉にならない声を上げる。
「こ、この!!!」
ファーガスは怒り任せにアーノルドに掴みかかろうとしたその時、
パン!!
乾いた音が小さくロビーに響いた。
今まで黙っていたサンドラがアーノルドの右頬を叩いた音だった。
「っ・・・・・・」
「は?サ、サンドラ?」
アーノルドは然程ダメージは無さそうだが、ファーガスは驚いて思わず目を見開いた。
「アーノルドさん。それ以上、その方への侮辱発言は私が許しません」
そう言って、サンドラはアーノルドをキッと睨み付けた。
「ファーガス様は私の為に精一杯頑張ってくれているんです。理由はどうあれ、そんなファーガス様を侮辱するのは止めて下さい」
「・・・・・・・これはこれは、勇ましい事で」
「私、これでも気は強い方ですのよ?」
目を細め妖艶で挑発的に笑いながらファーガスの隣に歩み寄るサンドラ。
「行きましょう。ファーガス様」
「あ、ああ・・・・・」
まだ呆けた様子のファーガスはサンドラに連れられ、その場を後にした。
「・・・・・・・・・・・・・・ふっ」
その後ろでサンドラに叩かれた頬をそっと撫でながら、アーノルドは小さく笑いながら二人の後ろ姿を見ていた。
26
あなたにおすすめの小説
〖完結〗私を捨てた旦那様は、もう終わりですね。
藍川みいな
恋愛
伯爵令嬢だったジョアンナは、アンソニー・ライデッカーと結婚していた。
5年が経ったある日、アンソニーはいきなり離縁すると言い出した。理由は、愛人と結婚する為。
アンソニーは辺境伯で、『戦場の悪魔』と恐れられるほど無類の強さを誇っていた。
だがそれは、ジョアンナの力のお陰だった。
ジョアンナは精霊の加護を受けており、ジョアンナが祈り続けていた為、アンソニーは負け知らずだったのだ。
精霊の加護など迷信だ! 負け知らずなのは自分の力だ!
と、アンソニーはジョアンナを捨てた。
その結果は、すぐに思い知る事になる。
設定ゆるゆるの架空の世界のお話です。
全10話で完結になります。
(番外編1話追加)
感想の返信が出来ず、申し訳ありません。全て読ませて頂いております。ありがとうございます。
婚約破棄されたので、もう誰の役にも立たないことにしました 〜静かな公爵家で、何もしない私の本当の人生が始まります〜
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
完璧であることを求められ続けてきた令嬢エリシア。
だがある日、彼女は一方的に婚約を破棄される。
理由は簡単だった。
「君は役に立ちすぎた」から。
すべてを失ったはずの彼女が身を寄せたのは、
“静かな公爵”と呼ばれるアルトゥール・クロイツの屋敷。
そこで待っていたのは――
期待も、役割も、努力の強要もない日々だった。
前に出なくていい。
誰かのために壊れなくていい。
何もしなくても、ここにいていい。
「第二の人生……いえ、これからが本当の人生です」
婚約破棄ざまぁのその先で描かれる、
何者にもならなくていいヒロインの再生と、
放っておく優しさに満ちた静かな溺愛。
これは、
“役に立たなくなった”令嬢が、
ようやく自分として生き始める物語。
【完結】陛下、花園のために私と離縁なさるのですね?
紺
ファンタジー
ルスダン王国の王、ギルバートは今日も執務を妻である王妃に押し付け後宮へと足繁く通う。ご自慢の後宮には3人の側室がいてギルバートは美しくて愛らしい彼女たちにのめり込んでいった。
世継ぎとなる子供たちも生まれ、あとは彼女たちと後宮でのんびり過ごそう。だがある日うるさい妻は後宮を取り壊すと言い出した。ならばいっそ、お前がいなくなれば……。
ざまぁ必須、微ファンタジーです。
【完結】領地に行くと言って出掛けた夫が帰って来ません。〜愛人と失踪した様です〜
山葵
恋愛
政略結婚で結婚した夫は、式を挙げた3日後に「領地に視察に行ってくる」と言って出掛けて行った。
いつ帰るのかも告げずに出掛ける夫を私は見送った。
まさかそれが夫の姿を見る最後になるとは夢にも思わずに…。
双子の妹は私に面倒事だけを押し付けて婚約者と会っていた
今川幸乃
恋愛
レーナとシェリーは瓜二つの双子。
二人は入れ替わっても周囲に気づかれないぐらいにそっくりだった。
それを利用してシェリーは学問の手習いなど面倒事があると「外せない用事がある」とレーナに入れ替わっては面倒事を押し付けていた。
しぶしぶそれを受け入れていたレーナだが、ある時婚約者のテッドと話していると会話がかみ合わないことに気づく。
調べてみるとどうもシェリーがレーナに成りすましてテッドと会っているようで、テッドもそれに気づいていないようだった。
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
短編 政略結婚して十年、夫と妹に裏切られたので離縁します
朝陽千早
恋愛
政略結婚して十年。夫との愛はなく、妹の訪問が増えるたびに胸がざわついていた。ある日、夫と妹の不倫を示す手紙を見つけたセレナは、静かに離縁を決意する。すべてを手放してでも、自分の人生を取り戻すために――これは、裏切りから始まる“再生”の物語。
顔も知らない婚約者 海を越えて夫婦になる
永江寧々
恋愛
ある朝、ハロルド・ヘインズは祖父に呼び出されて告げられた。
「明日、お前の婚約者がここへ嫁いでくる」
生を受けて16年、婚約者がいることは一度も聞かされていなかった。
貴族の子供に婚約者がいるのはおかしな話ではない。衝撃ではあったが、一体どういう相手なのだろうと問いかけたハロルドの耳に届いたのは想像もしたくないほど最悪な言葉。
「美しい和の国の女だ」
和の国を愛してやまない祖父が決めた婚約者。
誰も逆らうことができない祖父の絶対命令に従うしかなく、ハロルドは婚約者ユズリハを迎える。
和女を婚約者にしたことがバレては笑い者になる。
和人に嫌悪するハロルドにとって人生終了のお知らせも同然。
ユズリハに感情も事情も全て正直に告白したハロルドは驚くことなくそれを受け入れ「愛し合えとまでは言われておらぬ」と笑う姿に唖然とする。
地獄の始まりだと婚約者を受け入れようとしない伯爵家次男は想い人と一緒になることを夢見ているが、自由に暮らす和の国随一の豪商の娘はそれさえも応援すると言い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる