断罪なんて嘘でしょ!?

あい

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文化祭(6)

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 教室へ急いで戻る。時間ギリギリに教室に戻ったと言うのに、客引きパンダ隼人君の姿はなかった。遅れるのだろうか?文化祭が終わった後にフラワーアレンジメントの講座で作った花束を渡すことにした。


 今日は昨日と大人な方が多く緊張した。しかし、1番の稼ぎ所は今日なため一生懸命働いた。食べられる量には限りがあるので、持って帰れるようにお土産用の物も沢山準備していた。これを売り切るのが今日の目標である。


 そんな中1人の叔父様がやってきた。お客さんは皆順番に待ってくれている中で横柄にも割り込んで入ってきたそうだ。並ぶように促したそうなのだが、「俺は偉いから並ぶ必要がない。」と言い張って入ってきたようだ。周りのお客様は関わりたくないようで、皆譲ると申し出てくれた。

 この割り込んで入ってきた人は確かに1代で会社を大きくした社長のようで、そこは凄いと思うのだが・・・。そしてその息子は1年2組に現在在籍中だ。息子が入ることができない1組に、その生徒に嫉妬をして嫌がらせに来たのかもしれない。
 
 とりあえずは席に案内し注文をとる。ブラックコーヒーを注文されたので、すぐに準備し運んだ。


 最初はそのコーヒーカップを褒めていたのだが、そのカップを仕入れたのは、このクラスの生徒の親の会社からであった。そのクラスメイトとこの叔父様の会社はライバル関係にあったが、やはりコストを抑えるためにはコネを使うのが一番な為、1組の食器全般はその会社のものであった。他から用意した物がないためそのままお出ししたのだ。

 それに気付いたのか、機嫌を損ねられ大声でその会社の悪口を言い始める。


 ・・・。


 一代で会社を大きくする方というのは、努力が出来、才能溢れる人が多い印象であったのだが、お金を手にして変わってしまったのだろうか?



 横柄に悪口を大声で言いまわる。しかし、出ていく気配も見られない。周りの雰囲気がドンドン悪くなっているのがわかる。

 2組の息子に回収してもらおうかなと考えていると、叔父さんのライバル会社の親を持つ、1組の生徒である令嬢が耐え切れずに言い返してしまった。

 「お父様の会社は貴方様の言われるような会社ではございません。私の所の物とわかるまでは褒めていたではないですか?」


 正論。正論なのだが、今は火に油を注ぐ行為だ。その叔父様はそれが頭にきたようで、冷静な状態ではなかったのだろう。


 人前というのにも関わらず、その女の子に殴りかかろうとした。


 「女のくせに偉そうに。」


 危ない!と思った私は思わずその子の前に飛び出る。


 バシッ!と叔父様の平手は私の頬にクリーンヒットした。少し血の味がする。


 クラス内から悲鳴が聞こえる。私はその生徒に大丈夫であったか確認し、叔父様に向き直る。叔父様もそこまでする気はなかったのだろう。顔が青ざめている。


 「はじめまして。私はこのクラスの田中 有紗と申します。私は叔父様の会社の事を知っております。一代で会社を大きくするなんて凄いなと思っていました。ライバル会社に対抗意識を持つのはとても良い事であると思うんです。お互い切磋琢磨できるからです。相手を落として、自分だけ上がろうとするのは、結果的に自分を落とすことにつながるのではないかと私は思います。今回の叔父様はどうだったでしょうか?嫌な物を全て拒否するのは楽ですが、損をしている気がするんです。それさえも自分の成長の糧になるのではないかと最近考えることがありました。次はもう少し周りを見る事をお勧めいたします。今日は周りの皆さん驚いてしまっているようなので、お引き取り願ってもよろしいでしょうか?」



 私は出来るだけ丁寧に、逆上させないように笑顔で説得をしてみた。


 叔父さんは周りの様子に気付いたようで、小さな声で「すまなかった。迷惑かけたね。」と言い立ち去っていった。
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