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コルセット業者の買収
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嫌がらせの主犯と目されるコルセット業者に、買収の交渉をすることになった。
わざわざ反目している相手を、というのはそれはそれで当てつけがましい感じもするのだけれど、嫌がらせまでするということはそれだけ経営的に追い詰められている可能性も高い。
ある意味、コルセット製造業者を追い詰めたのはファゴット商会が原因であるのだから、取れる責任は取っておいた方がいいだろう。
とはいえ、敵地に乗り込むも同然の真似だ。護衛にエルガディットくんとダンヒル子爵にもついてきてもらう。
「ほーんと、わざわざ嫌がらせをしてきた相手を助けようだなんて、ヴィオラさんもお人好しだよね」
エルガディットくんは呆れたように笑いながら、後ろを警戒しつつ着いてきてくれる。
「助けると言っても、追い詰めたのはファゴット商会だからね。これでお人好しなんて言ったらマッチポンプもいいところよ」
実際、それなりに恨まれていると思うので話を聞いてくれるかどうかはわからない。
こちらとしては、もう国の上層部がコルセットを規制すると決めている以上、新しい商品開発に勤しむしか生き残る道はないことを把握しているので、大人しく話を聞いて欲しいのだけれど。
訪れたバレインズ工房で名乗ると、対応してくれた工房職員の人は真っ青になった。
「ファ、ファゴット商会の!? それに、ダンヒル子爵様ですか……」
高位の貴族が乗り込んできたのだ。嫌がらせの犯人だとバレて処罰されるとでも思っているのかもしれない。
「私は商談に来ただけなのです。近頃起こっている諸々の|煩わしいこと《・・・
・・》についてではないので、ご安心ください」
そうは言っても、職員さんの顔色は晴れない。
不安ではあるのだろうが、高位貴族であるダンヒル子爵を無碍に追い返せるわけもなく、工房長へと取り次ぎがなされた。
「どのようなご用件でしょうか」
私たちは応接室に案内され、バレインズ工房の工房長と相対する。
「単刀直入に申し上げます。この工房を買い取らせていただきたいんですの」
「な、それは一体どういう……」
工房長はひどく困惑した顔で絶句している。
すでに需要の希薄化したコルセット製造業である。それも、その状況に追い込んだ当事者であるファゴット商会が買い取るなど、想像もしていなかったのであろう。
「お言葉ですが、あなた方がコルセットを売れなくした張本人ではありませんか。それを当工房を買収したいなどと、冗談で弄ぼうというのでしょうか?」
「いいえ。コルセットに関してはその健康被害から国自体が規制しようという動きが出ています。この先コルセットが復権することはないでしょう。——ですが、コルセットのもう一つの側面、力強い鯨の髭骨子を使って胸を支える機能については、残すべき美点と考えています」
工房長は、突然の話に頭が混乱しているのか、説明もなかなか入ってこない様子なので、根気強く話をする。
「当商会は医師と連携して、胸を支える下着の開発に取り組もうと思っていますが鯨の髭に関する加工技術はありません。新しい下着の開発には、コルセット製造業者の協力が必要なのです」
「つまり……、ウエストを締め付ける機能をなくして、胸を支える機能を強化した下着を作ろう、ということですか?」
たっぷりと時間を取って、工房長が納得するまで待つと、徐々に理解が及んできたらしく、工房長の眼差しがしゃっきりとし始めた。元々は職人気質らしく、新商品の開発には興味を惹かれるらしい。
「ですが、我々は……」
工房長はそう口を開いてから、言いづらそうに言い淀む。
嫌がらせのことを気にしているのであろうか。
「もし当商会へのあれこれを気にしていらっしゃるなら、それに関しては不問とします。推測ですが、どなたか高位貴族からのご命令があったのでしょう?」
「どうしてそれを……」
工房長の目が見開かれる。鎌をかけただけだけれど、これは確定かな。
「当商会にはダンヒル子爵という高位貴族の投資家が背後についていることは有名なはずです。私も一代貴族とはいえ、男爵位を賜りました。それを平民の方が嫌がらせをするというのは自殺行為に近いはず。にも関わらず起きた事態であれば、どなたか高位貴族が背後関係にいると推測したのです」
「そういうことですか……。いや、本当に申し訳ありませんでした」
「逆らえる立場ではなかったのでしょう?」
「ですが、個人的な恨みがなかったとは言いません。我々も経営が逼迫しており、あなた方を逆恨みしてしまいました」
悄然と項垂れながら、工房長は謝罪を口にする。
「当商会としても、既存の業界を潰して困窮する人々を増やしたいわけではありません。鯨の髭に関わる生産業者や、コルセットの製造業者がこれまでに培った技術を使って生き残れるよう、新たな製品の開発を手伝ってはいただけませんか」
「ありがとうございます。技術を、職人を守れるのなら是非もありません。それから、我々に嫌がらせを命じられた貴族の方ですが……」
罪滅ぼしとばかりに工房長は口を開いた。気にはなっていたけれど、無理に口を割らせるつもりはなかったので、自分から話してもらえるなら助かる。
そうして出てきた名前は、ファゴット商会にとっては因縁の相手。
かつてシュナイデン工房に嫌がらせをしていた、ランスーン伯爵だった。
わざわざ反目している相手を、というのはそれはそれで当てつけがましい感じもするのだけれど、嫌がらせまでするということはそれだけ経営的に追い詰められている可能性も高い。
ある意味、コルセット製造業者を追い詰めたのはファゴット商会が原因であるのだから、取れる責任は取っておいた方がいいだろう。
とはいえ、敵地に乗り込むも同然の真似だ。護衛にエルガディットくんとダンヒル子爵にもついてきてもらう。
「ほーんと、わざわざ嫌がらせをしてきた相手を助けようだなんて、ヴィオラさんもお人好しだよね」
エルガディットくんは呆れたように笑いながら、後ろを警戒しつつ着いてきてくれる。
「助けると言っても、追い詰めたのはファゴット商会だからね。これでお人好しなんて言ったらマッチポンプもいいところよ」
実際、それなりに恨まれていると思うので話を聞いてくれるかどうかはわからない。
こちらとしては、もう国の上層部がコルセットを規制すると決めている以上、新しい商品開発に勤しむしか生き残る道はないことを把握しているので、大人しく話を聞いて欲しいのだけれど。
訪れたバレインズ工房で名乗ると、対応してくれた工房職員の人は真っ青になった。
「ファ、ファゴット商会の!? それに、ダンヒル子爵様ですか……」
高位の貴族が乗り込んできたのだ。嫌がらせの犯人だとバレて処罰されるとでも思っているのかもしれない。
「私は商談に来ただけなのです。近頃起こっている諸々の|煩わしいこと《・・・
・・》についてではないので、ご安心ください」
そうは言っても、職員さんの顔色は晴れない。
不安ではあるのだろうが、高位貴族であるダンヒル子爵を無碍に追い返せるわけもなく、工房長へと取り次ぎがなされた。
「どのようなご用件でしょうか」
私たちは応接室に案内され、バレインズ工房の工房長と相対する。
「単刀直入に申し上げます。この工房を買い取らせていただきたいんですの」
「な、それは一体どういう……」
工房長はひどく困惑した顔で絶句している。
すでに需要の希薄化したコルセット製造業である。それも、その状況に追い込んだ当事者であるファゴット商会が買い取るなど、想像もしていなかったのであろう。
「お言葉ですが、あなた方がコルセットを売れなくした張本人ではありませんか。それを当工房を買収したいなどと、冗談で弄ぼうというのでしょうか?」
「いいえ。コルセットに関してはその健康被害から国自体が規制しようという動きが出ています。この先コルセットが復権することはないでしょう。——ですが、コルセットのもう一つの側面、力強い鯨の髭骨子を使って胸を支える機能については、残すべき美点と考えています」
工房長は、突然の話に頭が混乱しているのか、説明もなかなか入ってこない様子なので、根気強く話をする。
「当商会は医師と連携して、胸を支える下着の開発に取り組もうと思っていますが鯨の髭に関する加工技術はありません。新しい下着の開発には、コルセット製造業者の協力が必要なのです」
「つまり……、ウエストを締め付ける機能をなくして、胸を支える機能を強化した下着を作ろう、ということですか?」
たっぷりと時間を取って、工房長が納得するまで待つと、徐々に理解が及んできたらしく、工房長の眼差しがしゃっきりとし始めた。元々は職人気質らしく、新商品の開発には興味を惹かれるらしい。
「ですが、我々は……」
工房長はそう口を開いてから、言いづらそうに言い淀む。
嫌がらせのことを気にしているのであろうか。
「もし当商会へのあれこれを気にしていらっしゃるなら、それに関しては不問とします。推測ですが、どなたか高位貴族からのご命令があったのでしょう?」
「どうしてそれを……」
工房長の目が見開かれる。鎌をかけただけだけれど、これは確定かな。
「当商会にはダンヒル子爵という高位貴族の投資家が背後についていることは有名なはずです。私も一代貴族とはいえ、男爵位を賜りました。それを平民の方が嫌がらせをするというのは自殺行為に近いはず。にも関わらず起きた事態であれば、どなたか高位貴族が背後関係にいると推測したのです」
「そういうことですか……。いや、本当に申し訳ありませんでした」
「逆らえる立場ではなかったのでしょう?」
「ですが、個人的な恨みがなかったとは言いません。我々も経営が逼迫しており、あなた方を逆恨みしてしまいました」
悄然と項垂れながら、工房長は謝罪を口にする。
「当商会としても、既存の業界を潰して困窮する人々を増やしたいわけではありません。鯨の髭に関わる生産業者や、コルセットの製造業者がこれまでに培った技術を使って生き残れるよう、新たな製品の開発を手伝ってはいただけませんか」
「ありがとうございます。技術を、職人を守れるのなら是非もありません。それから、我々に嫌がらせを命じられた貴族の方ですが……」
罪滅ぼしとばかりに工房長は口を開いた。気にはなっていたけれど、無理に口を割らせるつもりはなかったので、自分から話してもらえるなら助かる。
そうして出てきた名前は、ファゴット商会にとっては因縁の相手。
かつてシュナイデン工房に嫌がらせをしていた、ランスーン伯爵だった。
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