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第六章 事件発生
162、チーム・オリビア新メンバー加入のお知らせ3
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「あの~お二方。俺ら、席を外しましょうか?」
なんとも言えない幸福感に包まれていたオリビアは、護衛の一言で一気に現実に引き戻された。そうだ、ここにはジョージとリタもいたんだ。おそらく同じように我にかえった様子のリアムが腕の力を抜いたので、オリビアも急いで彼から身を離した。
「す、すまないジョージ……気遣いは無用だ。オリビア嬢、隣に座っても?」
「も、もちろんですわ!」
オリビアは顔を赤らめながらリアムのために端に移動し場所を作る。そして同じく顔を赤らめているリアムが隣に座り、こちらを見て気恥ずかしそうにはにかむのを見て、胸が締め付けられるような感覚に陥った。筋肉隆々で大柄な彼が、なんだか無性にかわいらしく思えたのだ。
「オリビア嬢、きっと君は今後も気になったことは自分たちで調べないと気が済まないだろう。だから、その仲間に私も加えてくれないか?」
「リアム様を仲間に、ですか?」
「そう。調べ物でも護衛でも、こうして集まれる場所の提供でもいい。できるかぎり協力するよ」
リアムがオリビアの側頭部に手を添え、軽く頭を撫でた。彼の手の温もりで先ほどの幸福感が再び込み上げてくる。
「リアム様、それではお言葉に甘えて今後は私たちの仲間になっていただきます。調査状況はお会いしたときに報告しますし、もう黙って勝手な行動はしません。約束しますわ」
「それを聞いて安心した。もう事後報告で青ざめたくはないからね」
「リアム様……」
オリビアは今も頭を撫でているリアムの手にそっと自分の手を添えた。その仕草に一瞬驚き細めていた目を開いた彼と、視線を合わせて微笑む。
「そ、そうだ。君たちに渡したいものがあったんだ。取ってくるよ。ゆっくりしていてくれ!」
リアムが勢いよく立ち上がり駆け足で部屋を出ていった。オリビアはその後ろ姿と閉じた部屋のドアを眺めてパチパチと瞬きを繰り返した。
「いい雰囲気だったんすけどねえ~。ありゃきっと童……」
「やめなさいジョージ!」
ジョージの言葉を遮るようにオリビアは彼を睨み嗜めた。ニヤニヤと緩む口元が腹立たしい。少し視線を移すとリタもジョージに冷ややかな視線を送っていた。それでも気にせず彼は言葉を続ける。
「ま、いいですけど~。俺だったらあの流れでキスくらいしますけどね~。お嬢様、ついにリタに先越されちゃいましたね~」
「え?」
オリビアは確かに聞き取ったはずのジョージの言葉が理解できず、声が裏返った。リタも目を見開きジョージを見ている。
「どういうことだ、ジョージ? 私がオリビア様の先を越すというのは……」
「え~そのままの意味だけど~。教えてほしい?」
「ジョージ、もったいぶらないで教えなさいよ!」
「え~どうしよっかな~」
「「ジョージ!!」」
目尻と口角を近づけ薄ら笑いを浮かべるジョージに、オリビアはリタと一緒に話の続きを催促した。彼は「しかたないなあ」と言って不快な笑みを絶やさない。
「この前エルの店でリタを見つけたじゃないですか。あのときエルがリタに毒消しと気つけ薬を飲ませてたんですよ」
「それで?」
オリビアはジョージの話の意図がわからず首を傾げた。リタも同じように不思議そうな顔で彼を見ている。
「うわ、わかってないなあ~ふたりとも。寝ているリタにどうやって飲ませたと思います?」
「わからないわ。どうやったの?」
さらに首を横に傾けてオリビアが問いかけた。すると、リタが何かに気づいたようで急に顔を真っ赤にしてジョージを静止した。
「それはね……」
「ジョージ、もういい。やめろ!」
「それは?」
「く・ち・う・つ・し♡」
オリビアはその言葉を並べて呟く。
「く・ち・う・つ・し。くちうつし……口移し。ああ!」
「そ、口移し。キスですね~」
ジョージが顔を真っ赤にしたリタにボコボコと殴られている様子を視界の片隅に入れながら、リアムの屋敷にいることも忘れ大声で驚きを表現した。
「ええ~!! リタ、エルとキスしたの~?」
>>次話へ続く
なんとも言えない幸福感に包まれていたオリビアは、護衛の一言で一気に現実に引き戻された。そうだ、ここにはジョージとリタもいたんだ。おそらく同じように我にかえった様子のリアムが腕の力を抜いたので、オリビアも急いで彼から身を離した。
「す、すまないジョージ……気遣いは無用だ。オリビア嬢、隣に座っても?」
「も、もちろんですわ!」
オリビアは顔を赤らめながらリアムのために端に移動し場所を作る。そして同じく顔を赤らめているリアムが隣に座り、こちらを見て気恥ずかしそうにはにかむのを見て、胸が締め付けられるような感覚に陥った。筋肉隆々で大柄な彼が、なんだか無性にかわいらしく思えたのだ。
「オリビア嬢、きっと君は今後も気になったことは自分たちで調べないと気が済まないだろう。だから、その仲間に私も加えてくれないか?」
「リアム様を仲間に、ですか?」
「そう。調べ物でも護衛でも、こうして集まれる場所の提供でもいい。できるかぎり協力するよ」
リアムがオリビアの側頭部に手を添え、軽く頭を撫でた。彼の手の温もりで先ほどの幸福感が再び込み上げてくる。
「リアム様、それではお言葉に甘えて今後は私たちの仲間になっていただきます。調査状況はお会いしたときに報告しますし、もう黙って勝手な行動はしません。約束しますわ」
「それを聞いて安心した。もう事後報告で青ざめたくはないからね」
「リアム様……」
オリビアは今も頭を撫でているリアムの手にそっと自分の手を添えた。その仕草に一瞬驚き細めていた目を開いた彼と、視線を合わせて微笑む。
「そ、そうだ。君たちに渡したいものがあったんだ。取ってくるよ。ゆっくりしていてくれ!」
リアムが勢いよく立ち上がり駆け足で部屋を出ていった。オリビアはその後ろ姿と閉じた部屋のドアを眺めてパチパチと瞬きを繰り返した。
「いい雰囲気だったんすけどねえ~。ありゃきっと童……」
「やめなさいジョージ!」
ジョージの言葉を遮るようにオリビアは彼を睨み嗜めた。ニヤニヤと緩む口元が腹立たしい。少し視線を移すとリタもジョージに冷ややかな視線を送っていた。それでも気にせず彼は言葉を続ける。
「ま、いいですけど~。俺だったらあの流れでキスくらいしますけどね~。お嬢様、ついにリタに先越されちゃいましたね~」
「え?」
オリビアは確かに聞き取ったはずのジョージの言葉が理解できず、声が裏返った。リタも目を見開きジョージを見ている。
「どういうことだ、ジョージ? 私がオリビア様の先を越すというのは……」
「え~そのままの意味だけど~。教えてほしい?」
「ジョージ、もったいぶらないで教えなさいよ!」
「え~どうしよっかな~」
「「ジョージ!!」」
目尻と口角を近づけ薄ら笑いを浮かべるジョージに、オリビアはリタと一緒に話の続きを催促した。彼は「しかたないなあ」と言って不快な笑みを絶やさない。
「この前エルの店でリタを見つけたじゃないですか。あのときエルがリタに毒消しと気つけ薬を飲ませてたんですよ」
「それで?」
オリビアはジョージの話の意図がわからず首を傾げた。リタも同じように不思議そうな顔で彼を見ている。
「うわ、わかってないなあ~ふたりとも。寝ているリタにどうやって飲ませたと思います?」
「わからないわ。どうやったの?」
さらに首を横に傾けてオリビアが問いかけた。すると、リタが何かに気づいたようで急に顔を真っ赤にしてジョージを静止した。
「それはね……」
「ジョージ、もういい。やめろ!」
「それは?」
「く・ち・う・つ・し♡」
オリビアはその言葉を並べて呟く。
「く・ち・う・つ・し。くちうつし……口移し。ああ!」
「そ、口移し。キスですね~」
ジョージが顔を真っ赤にしたリタにボコボコと殴られている様子を視界の片隅に入れながら、リアムの屋敷にいることも忘れ大声で驚きを表現した。
「ええ~!! リタ、エルとキスしたの~?」
>>次話へ続く
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