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甘い土曜日
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side 早川ーー
◇
朝起きると、そこは自分の部屋のベッドで。
目の前に広がるスナの顔に、俺は驚いて小さく悲鳴を上げた。
長いまつ毛が揺れて、俺ははっと口を押さえる。
夢じゃなかったのかとうるさい心臓を握りしめながら、昨日の出来事を思い出した。
俺を抱きしめる体温。真剣な顔も声も、宇宙人みたいに話す真顔のスナも、全部、本当に起きたことなんだ‥。
俺は信じられなくて、ぼーっと目の前のスナの陶器みたいな頬を突いた。
振られると、終わると思ってた。
待っててって‥どういうことなんだろ‥。
スナは‥俺のこと‥どう思ってるんだろ‥。
ふと、時計が一瞬カチリと大きく鳴って、俺はそちらに目を向ける。朝の7時‥よく寝た。今日は土曜日‥か。
ていうか‥またスナと一緒に寝てるし‥。
規則正しい呼吸。子どもみたいな表情にクスリと笑みが溢れた。
俺がスナのこと‥好きだって知ってるくせに。危機感なさすぎ‥。
‥俺がイタズラでキスしたりしたら、どうするつもりなんだよ。
スッと手を滑らせて柔らかい唇に触れる。
俺はそっとそれに近づいた。
「ん‥はや、かわ‥?」
「っ!」
あと数ミリ、刹那スナの目が開いて、俺は固まる。
な、何しようとしてんだ、俺‥
「‥。ふぁ‥いま、早川の目ん玉の中、俺だけしかいねえや‥」
「っ、こ、怖いこと言うなよ‥」
あれ?気づかれてない‥?
寝ぼけたスナの顔は子どもみたいで、俺はよかったと安堵する。誤魔化すようにスナの言葉に笑ってツッコミを入れた。
「続きやんねえの?」
笑顔が一瞬で固まる。
「なっ!」
やっぱりバレてた!
俺はすぐに退こうとして、身を引くが反対に頭を引き寄せられてしまう。近づくスナの目。だめだ、こんなっ‥ぎゅっと目を瞑った。
「はは、可愛い‥」
至近距離で、そんな声が聞こえて、俺はカッと目を見開く。
触れそうな位置にスナの顔があって、顔が茹でられたように真っ赤になっていくのを感じた。
「ッ、~す、スナ、お前っ、最悪!」
絶対俺で遊んでる!?
「お前からしてきたくせにひでえなぁ‥はは、でも早川はこんな俺のことも好きなんだろ~?」
ふにゃりと笑ったスナの目が細くなって俺を射抜くように見つめるから、俺は心臓が爆発しそうになる。
「なっ、‥スナは‥ッ、いや、なんでもないっ」
俺のこと‥好き?ーー。
そう聞こうとして口を閉じた。
だめだ。待っててってそうスナはそう言ってたじゃないか。
俺は言葉の代わりに、昨日スナがやってくれたようにコツンと額を合わせる。
「えっ?‥早川‥?あ、れ‥夢じゃねえ‥?うわッすまねえ!!浮かれてつい俺っ、‥寝ぼけてた‥」
とろんとした目が、徐々に大きくなって、
かばっと離れるスナに少し寂しくなる。
目をぱちくりと開けるスナ。
ふにゃふにゃ笑う妖艶なスナが隠れて、あのままじゃ身がもたなかったなと、俺は安心して急に力が抜けていくのを感じた。
刹那、ぐるるとお腹が鳴って、俺は必死でそれを押さえつける。は、恥ずかしい‥
「お腹が泣いてるぞ。そういや、この2日間水と薬だけしかとってねえのか。」
「お、お腹すいた‥」
「ちょっと、待ってろ。レトルトだけど昨日の夜に買ってきたから、お粥作ってやる。」
ベッドから起き上がったスナ。
俺の頭をポンと撫でるから、頬がまた火照って、俺は顔を隠すように俯く。
「あ、ありがとう‥
ん?あ、れ‥」
「どうした?大丈夫か?」
ふと、そういえばと、スナの言葉に違和感が走った。
「俺、薬なんて飲んだっけ‥?」
「‥
‥飲んでたよ‥。」
「‥」
不自然な間と目線を逸らすスナに首を傾げる。
本当に記憶にないんだけどな‥。
いつの間にか飲んだのかな‥?
でも、
昨日までの喉の痛みがなくなっている。身体もだるくない。薬が効いたのだろう。ようやく回復してきたかと胸を撫で下ろした。
◇
朝起きると、そこは自分の部屋のベッドで。
目の前に広がるスナの顔に、俺は驚いて小さく悲鳴を上げた。
長いまつ毛が揺れて、俺ははっと口を押さえる。
夢じゃなかったのかとうるさい心臓を握りしめながら、昨日の出来事を思い出した。
俺を抱きしめる体温。真剣な顔も声も、宇宙人みたいに話す真顔のスナも、全部、本当に起きたことなんだ‥。
俺は信じられなくて、ぼーっと目の前のスナの陶器みたいな頬を突いた。
振られると、終わると思ってた。
待っててって‥どういうことなんだろ‥。
スナは‥俺のこと‥どう思ってるんだろ‥。
ふと、時計が一瞬カチリと大きく鳴って、俺はそちらに目を向ける。朝の7時‥よく寝た。今日は土曜日‥か。
ていうか‥またスナと一緒に寝てるし‥。
規則正しい呼吸。子どもみたいな表情にクスリと笑みが溢れた。
俺がスナのこと‥好きだって知ってるくせに。危機感なさすぎ‥。
‥俺がイタズラでキスしたりしたら、どうするつもりなんだよ。
スッと手を滑らせて柔らかい唇に触れる。
俺はそっとそれに近づいた。
「ん‥はや、かわ‥?」
「っ!」
あと数ミリ、刹那スナの目が開いて、俺は固まる。
な、何しようとしてんだ、俺‥
「‥。ふぁ‥いま、早川の目ん玉の中、俺だけしかいねえや‥」
「っ、こ、怖いこと言うなよ‥」
あれ?気づかれてない‥?
寝ぼけたスナの顔は子どもみたいで、俺はよかったと安堵する。誤魔化すようにスナの言葉に笑ってツッコミを入れた。
「続きやんねえの?」
笑顔が一瞬で固まる。
「なっ!」
やっぱりバレてた!
俺はすぐに退こうとして、身を引くが反対に頭を引き寄せられてしまう。近づくスナの目。だめだ、こんなっ‥ぎゅっと目を瞑った。
「はは、可愛い‥」
至近距離で、そんな声が聞こえて、俺はカッと目を見開く。
触れそうな位置にスナの顔があって、顔が茹でられたように真っ赤になっていくのを感じた。
「ッ、~す、スナ、お前っ、最悪!」
絶対俺で遊んでる!?
「お前からしてきたくせにひでえなぁ‥はは、でも早川はこんな俺のことも好きなんだろ~?」
ふにゃりと笑ったスナの目が細くなって俺を射抜くように見つめるから、俺は心臓が爆発しそうになる。
「なっ、‥スナは‥ッ、いや、なんでもないっ」
俺のこと‥好き?ーー。
そう聞こうとして口を閉じた。
だめだ。待っててってそうスナはそう言ってたじゃないか。
俺は言葉の代わりに、昨日スナがやってくれたようにコツンと額を合わせる。
「えっ?‥早川‥?あ、れ‥夢じゃねえ‥?うわッすまねえ!!浮かれてつい俺っ、‥寝ぼけてた‥」
とろんとした目が、徐々に大きくなって、
かばっと離れるスナに少し寂しくなる。
目をぱちくりと開けるスナ。
ふにゃふにゃ笑う妖艶なスナが隠れて、あのままじゃ身がもたなかったなと、俺は安心して急に力が抜けていくのを感じた。
刹那、ぐるるとお腹が鳴って、俺は必死でそれを押さえつける。は、恥ずかしい‥
「お腹が泣いてるぞ。そういや、この2日間水と薬だけしかとってねえのか。」
「お、お腹すいた‥」
「ちょっと、待ってろ。レトルトだけど昨日の夜に買ってきたから、お粥作ってやる。」
ベッドから起き上がったスナ。
俺の頭をポンと撫でるから、頬がまた火照って、俺は顔を隠すように俯く。
「あ、ありがとう‥
ん?あ、れ‥」
「どうした?大丈夫か?」
ふと、そういえばと、スナの言葉に違和感が走った。
「俺、薬なんて飲んだっけ‥?」
「‥
‥飲んでたよ‥。」
「‥」
不自然な間と目線を逸らすスナに首を傾げる。
本当に記憶にないんだけどな‥。
いつの間にか飲んだのかな‥?
でも、
昨日までの喉の痛みがなくなっている。身体もだるくない。薬が効いたのだろう。ようやく回復してきたかと胸を撫で下ろした。
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