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第2章 魔術師アレイスの望み
第57話 疲れた一日
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私とアメリアさんは、馬車に乗ってギルドを出て行くルシェラ嬢を見送った。雨はようやく小雨になり、もうじき止みそうだ。
馬車は坂や細い道の多い街でも移動しやすいよう、コンパクトに作られている。中も狭く、二人乗ったらいっぱいになる。ルシェラ嬢はそれが気に入らなかったらしく、狭いだのなんだのと文句を言いながら馬車に乗り込んだ。その様子を、私とアメリアさんは苦笑しながら見守っていた。
ようやく遠ざかる馬車を見ながら、アメリアさんは大きくため息をついた。
「これで一つ問題が片づいたわね」
「はい、アメリアさん」
アメリアさんは私に向き直り、腕を組んだ。
「エルナ。アレイスのことをどこまで知っているの?」
探るような視線が強く私に突き刺さる。
「……多分、ほとんど知ってると思います。アレイスさんの本名とか、王都で王宮魔術師だったこととか……」
「まあ、そんなことまでアレイスはあなたに話していたの。私には内緒にしてくれと言っていたのに。いいわ、そういうことならあなたには、このままルシェラ嬢の問題解決に協力してもらいましょう」
「は、はい。私で良ければ何でも協力します」
アメリアさんは私の顔をじっと見た後、ふっと笑みを浮かべた。
「助かるわ。アレイスのことは、あなたも分かっていると思うけど秘密が多いものだから。アレイスはあなたのことを信用しているようだし、あなたがいれば安心だわ」
アメリアさんの言葉が、なんだかくすぐったい。彼女の視線がどうも意味ありげに思えて、私は話を逸らそうと口を開いた。
「ルシェラ嬢は、本当にアレイスさんと婚約していると思っているんでしょうか? それとも、嘘を言って周囲を信じ込ませようとしているんでしょうか……?」
「恐らく、彼女は本当にアレイスと婚約していると思い込んでいるわね。私にアレイスとのことを話す顔、嘘を言っているようには見えなかったわ。父親が二人を結婚させようとしていたようだから、それで婚約が成立したと思ったのかもしれないわね」
「あの……もしかして本当に婚約が成立しているなんてことはないんですか?」
アメリアさんは笑いながら「それはないわね」と否定した。
「そもそもアレイスは『ロズヴァルド家』から家出している身よ。そんな状態で両親が彼の婚約を認めるわけがないでしょう。ルシェラ嬢の父親が結婚させると言ったのだって、娘可愛さに言っただけじゃないかしら。彼が末娘を溺愛しているというのは有名な話だもの」
「そうですか……」
私はなんとなくホッとした。ルシェラ嬢があまりにも自然にアレイスさんとの婚約話をしているようなので、少し不安になってしまったのだ。
そりゃ、いずれアレイスさんは誰かと結婚するだろうけど、その相手がルシェラ嬢というのはどうしても嫌だった。ギルド職員を見下し、わがまま放題のお嬢様がアレイスさんの妻になるなんて、想像すらしたくない。
アレイスさんの隣に立つ、見知らぬ女性の姿を思い浮かべた私は、心の中がずしんと重くなった。できればその光景は、しばらく見ないで済みますように。
♢♢♢
結局その日は、アレイスさんが帰ってくることはなかった。私は疲れたので、早々に帰宅することにする。雨はやんでいて、地面も少し乾いていた。傘を持ってきていなかったから、雨が上がっていてよかった。
湿気を含んだ重い風のせいで、私の髪はぶわっと広がる。嫌だなあ、私の髪は癖があってうねりやすいのだ。近頃はずっと天気が良かったけど、天気予報ではこの後しばらく雨続きらしい。空もどんよりしていて、気分が晴れない。
家に帰り、早速夕食の支度を始める。今日は鶏肉のチーズ焼きにしよう。野菜籠から玉ねぎとじゃがいもを取り出して薄切りにする。フライパンにオイルを入れ、潰したニンニクを放り込み、一口大に切った鶏肉を炒める。私の料理は決して繊細じゃない。自分と母が食べるだけだし、味が良ければ見た目はどうでもいい。決して料理が苦手な言い訳をしているわけじゃないけど。
鶏肉に焼き目がついたら取り出し、野菜をフライパンに入れて炒める。火が通ったら鶏肉を戻し、最後にたっぷりとチーズをかけてフライパンごとオーブンに入れる。中は熱々なので、すぐにチーズが焦げて料理は出来上がりだ。
母はまだ帰ってこない。今日は遅くなるのかな? そういえば母は、天気が悪くなると薬を買いに来る人が増えると以前話していた。薬師ギルドも今日は忙しいんだろうか。
母が帰ってくるまで掃除や片づけをして待つ。帰宅が遅いようなら、先に食べてしまおうか……などと考えていたら、扉が開く音がした。
「ただいまー」
ようやく母が帰ってきた。外はすっかり暗くなっていて、私のお腹もそろそろ限界だ。私は急いで母を出迎えに玄関へ向かう。
「お帰り!」
「ああ、エルナ。今日のギルドはやけにお客さんが多くて、私も手伝ってたのよ。すっかり遅くなっちゃった」
「やっぱり、天気が悪いと調子が悪くなる人が増えるの?」
「そうなのよ。古傷が痛む人や、気分が沈む人なんかが多いわね。ああ、疲れた」
「お疲れ様。今ご飯用意するね」
ようやく夕食だ。パンをスライスして、グラスに水を入れ、テーブルに並べる。今日は私も疲れていたのでおかずはチーズ焼きのみ。それでも母は美味しい美味しいと喜んで食べてくれた。我ながら適当に作った割には美味しくできたと思う。
明日こそはアレイスさんが帰ってくるだろうか。面倒なことにならなければいいけど……そう思いながら、今夜は早めに休むことにした。
馬車は坂や細い道の多い街でも移動しやすいよう、コンパクトに作られている。中も狭く、二人乗ったらいっぱいになる。ルシェラ嬢はそれが気に入らなかったらしく、狭いだのなんだのと文句を言いながら馬車に乗り込んだ。その様子を、私とアメリアさんは苦笑しながら見守っていた。
ようやく遠ざかる馬車を見ながら、アメリアさんは大きくため息をついた。
「これで一つ問題が片づいたわね」
「はい、アメリアさん」
アメリアさんは私に向き直り、腕を組んだ。
「エルナ。アレイスのことをどこまで知っているの?」
探るような視線が強く私に突き刺さる。
「……多分、ほとんど知ってると思います。アレイスさんの本名とか、王都で王宮魔術師だったこととか……」
「まあ、そんなことまでアレイスはあなたに話していたの。私には内緒にしてくれと言っていたのに。いいわ、そういうことならあなたには、このままルシェラ嬢の問題解決に協力してもらいましょう」
「は、はい。私で良ければ何でも協力します」
アメリアさんは私の顔をじっと見た後、ふっと笑みを浮かべた。
「助かるわ。アレイスのことは、あなたも分かっていると思うけど秘密が多いものだから。アレイスはあなたのことを信用しているようだし、あなたがいれば安心だわ」
アメリアさんの言葉が、なんだかくすぐったい。彼女の視線がどうも意味ありげに思えて、私は話を逸らそうと口を開いた。
「ルシェラ嬢は、本当にアレイスさんと婚約していると思っているんでしょうか? それとも、嘘を言って周囲を信じ込ませようとしているんでしょうか……?」
「恐らく、彼女は本当にアレイスと婚約していると思い込んでいるわね。私にアレイスとのことを話す顔、嘘を言っているようには見えなかったわ。父親が二人を結婚させようとしていたようだから、それで婚約が成立したと思ったのかもしれないわね」
「あの……もしかして本当に婚約が成立しているなんてことはないんですか?」
アメリアさんは笑いながら「それはないわね」と否定した。
「そもそもアレイスは『ロズヴァルド家』から家出している身よ。そんな状態で両親が彼の婚約を認めるわけがないでしょう。ルシェラ嬢の父親が結婚させると言ったのだって、娘可愛さに言っただけじゃないかしら。彼が末娘を溺愛しているというのは有名な話だもの」
「そうですか……」
私はなんとなくホッとした。ルシェラ嬢があまりにも自然にアレイスさんとの婚約話をしているようなので、少し不安になってしまったのだ。
そりゃ、いずれアレイスさんは誰かと結婚するだろうけど、その相手がルシェラ嬢というのはどうしても嫌だった。ギルド職員を見下し、わがまま放題のお嬢様がアレイスさんの妻になるなんて、想像すらしたくない。
アレイスさんの隣に立つ、見知らぬ女性の姿を思い浮かべた私は、心の中がずしんと重くなった。できればその光景は、しばらく見ないで済みますように。
♢♢♢
結局その日は、アレイスさんが帰ってくることはなかった。私は疲れたので、早々に帰宅することにする。雨はやんでいて、地面も少し乾いていた。傘を持ってきていなかったから、雨が上がっていてよかった。
湿気を含んだ重い風のせいで、私の髪はぶわっと広がる。嫌だなあ、私の髪は癖があってうねりやすいのだ。近頃はずっと天気が良かったけど、天気予報ではこの後しばらく雨続きらしい。空もどんよりしていて、気分が晴れない。
家に帰り、早速夕食の支度を始める。今日は鶏肉のチーズ焼きにしよう。野菜籠から玉ねぎとじゃがいもを取り出して薄切りにする。フライパンにオイルを入れ、潰したニンニクを放り込み、一口大に切った鶏肉を炒める。私の料理は決して繊細じゃない。自分と母が食べるだけだし、味が良ければ見た目はどうでもいい。決して料理が苦手な言い訳をしているわけじゃないけど。
鶏肉に焼き目がついたら取り出し、野菜をフライパンに入れて炒める。火が通ったら鶏肉を戻し、最後にたっぷりとチーズをかけてフライパンごとオーブンに入れる。中は熱々なので、すぐにチーズが焦げて料理は出来上がりだ。
母はまだ帰ってこない。今日は遅くなるのかな? そういえば母は、天気が悪くなると薬を買いに来る人が増えると以前話していた。薬師ギルドも今日は忙しいんだろうか。
母が帰ってくるまで掃除や片づけをして待つ。帰宅が遅いようなら、先に食べてしまおうか……などと考えていたら、扉が開く音がした。
「ただいまー」
ようやく母が帰ってきた。外はすっかり暗くなっていて、私のお腹もそろそろ限界だ。私は急いで母を出迎えに玄関へ向かう。
「お帰り!」
「ああ、エルナ。今日のギルドはやけにお客さんが多くて、私も手伝ってたのよ。すっかり遅くなっちゃった」
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「そうなのよ。古傷が痛む人や、気分が沈む人なんかが多いわね。ああ、疲れた」
「お疲れ様。今ご飯用意するね」
ようやく夕食だ。パンをスライスして、グラスに水を入れ、テーブルに並べる。今日は私も疲れていたのでおかずはチーズ焼きのみ。それでも母は美味しい美味しいと喜んで食べてくれた。我ながら適当に作った割には美味しくできたと思う。
明日こそはアレイスさんが帰ってくるだろうか。面倒なことにならなければいいけど……そう思いながら、今夜は早めに休むことにした。
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