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第2章 魔術師アレイスの望み
第68話 仕事に戻った日
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結局私は仕事を五日休んだ。今日は久しぶりに職場へ戻る日。昨日ギルドに伝話をして職場へ戻ると伝えたら、明日からしばらく夜の部で働いて欲しいと受注担当官のバルドさんに言われた。
なんでも新人の受付嬢が夜の担当をするので、私に彼女の補佐をしてほしいらしい。教育係なんて荷が重いけど、バルドさんから「エルナは面倒見がいいから、頼むよ」なんて言われたら断れない。
新人のフローレという子は、ルナストーンという町のギルドで受付嬢をしていた経験があり、どういう繋がりか分からないけど、アメリアさんがうちのギルドにスカウトしてきたみたいだ。ルナストーンはミルデンの南西にあり、位置的にはアインフォルドよりは近いけど、それでも馬で向かうには相当時間がかかる場所だ。私はもちろん行ったことのないところだし、町の規模もミルデンより少し大きいくらいだと聞く。
今日はアレイスさんからお見舞いでもらった新しいリボンをつけた。深いオリーブ色のリボンは光の加減で緑にも黒にも見える色で、私の髪色にもよく似合う。アレイスさんは自分で女性もののリボンを買いに行っているのかな? それとも雇っているメイドさんに買ってきてもらっているのだろうか。前にもらった夜空色のリボンもそうだけど、どちらも私に合うものを選んでくれているのが嬉しい。
数日続いた雨はもうすっかり止んでいて、今日はすっきりと晴れていた。天気がいいと気分も明るくなる。腕の痛みは殆ど消えているので、仕事に支障もなさそうだ。
ギルドに着いて着替えると、早速すれ違う人たちに声をかけられた。
「エルナ、今日から復帰したんだね。もういいの?」
「エルナ! もう怪我は大丈夫かい?」
「心配したよー! 大変だったね」
彼らの気遣いが嬉しい。ルシェラ嬢の事件のことで何か言われるかと思ったけど、みんなの興味はルシェラ嬢とアレイスさんの関係に移っていた。どうやら、二人が婚約しているという誤解は解けていないらしい。私は気の強い婚約者とアレイスさんの揉め事に巻き込まれたかわいそうな人、という扱いになっていた。
「アレイスさんと会ったら、ちゃんと怒った方がいいよ? 婚約者の機嫌くらい取らなくてどうするんだって」
「あー……そうですね、言っておきます」
心配そうに言ってくる人達に、私は苦笑いで応じる。アレイスさんには申し訳ないけど、正直言ってアレイスさんとルシェラ嬢の関係が誤解されたままの方が私はありがたい。一部では私とアレイスさんの仲を疑う声もあったようなので、このままみんなの関心がルシェラ嬢に向いたままでいてくれるなら助かる。もっとも、遅かれ早かれアレイスさんが否定するだろうけれど。
支団長のアメリアさんは、あのあとすぐ王都に行ってしまっていて、まだギルドに戻ってきていない。三か月に一度、討伐者ギルドの支団長が王都に集まって会合を開く為、アメリアさんはしばらく王都に滞在することになっている。噂では会合という名のパーティーざんまいだとかなんとか。久しぶりに会う仲間達と情報交換をすると言いつつ、実は遊んでいるんじゃないかと私は疑っている。
支団長は基本的にみんな貴族なので、会合は社交も兼ねているのだとか。今回はアインフォルドの支団長に会って、ルシェラ嬢とのトラブルについての話し合いも行われるそうなので、いつもより帰ってくるのが遅くなりそうだと聞いている。
久しぶりなので、監視班に立ち寄った私は溜まっている監視情報をじっくりと読み込む。ミルデン周辺の異変、最近出没した魔物、アルーナ山に変わったことはないか――小さな変化も全て頭に叩き込んだ。大きな問題は起きていないけど、街道沿いに『食人植物』と呼ばれる魔植物が生えてきたという情報がある。見た目は人の背丈より高い大きな花にしか見えないけど、人を食べてしまうので、街道沿いに生えると非常に危険だ。早く退治しないと交易品を運ぶ商人が道を通れなくなり、人々の生活にも影響が出かねない。おそらく討伐者さんに討伐依頼が出ていることだろう。
監視班で情報を仕入れてから、ようやく受付へ向かう。今日はバルドさんが休みだった。仕事人間の彼がいないのは珍しい。
「エルナ、お帰り。怪我はもういいのか?」
バルドさんの代わりを務める受注担当官、カートさんが私を見て微笑んだ。
「ご心配おかけしました。もう大丈夫ですよ」
「安心したよ。でもまだ無理はしないように。昨日バルドから聞いたと思うけど、エルナにはしばらくの間、夜の担当をお願いしたいんだ」
「はい、分かりました」
「エルナには新人の補佐を頼みたくてね。あれ? まだ来てないな……まあいいか。彼女、今日から受付に出てもらうことになってるから。基本的な仕事内容は知っているけど、新しいギルドだと慣れないことも多いだろうからね、助けてやってよ」
「お任せください!」
ちょうどその時、私と同じ制服を着た女の子がこちらにやってきた。
「ああ、来た来た! フローレ、彼女がエルナだよ」
フローレという新しい受付嬢は、黄金色の髪を後ろでひとつにまとめ、鮮やかな赤い口紅が印象的な綺麗な女の子だった。すらりとしていて背も私より高い。
「エルナさんですね、フローレと言います。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。フローレさんはルナストーンのギルドにいたんですよね?」
「はい。二年ほどしか働いていないので、まだ経験が足りないですが……頑張ります」
フローレさんは穏やかな笑みを浮かべていて、二十歳のわりに大人っぽいな、というのが私の第一印象だった。私が彼女の年齢だった頃は、まだ分からないことも多くて失敗も沢山していたものだ。アメリアさんがわざわざスカウトしてきたくらいだから、きっと優秀な受付嬢なんだろう。
「基本的にやることはどこのギルドでも一緒なので、すぐに慣れますよ。それじゃ、行きましょうか」
「はい!」
彼女はしっかりしてそうだし、私が補佐することもすぐになくなりそうだ。夜の部は基本的に、依頼を終えて戻ってくる討伐者に報酬を渡す仕事が多い。夜に依頼を受けて出発する討伐者は少ないし、戻ってくる討伐者はバラバラで、朝と比べると受付が混雑することもない。だから新人は夜の部で経験を積み、慣れてくると昼の部に回される。私もギルドに入ったばかりの頃は夜の担当ばかりしていた。今では休んだ子の代わりに残業する時くらいのものだけど。
「あ、エルナ! 今日から復帰ね、お帰り」
「ただいま、リリア」
昼の担当だったリリアと交代だ。リリアと軽く言葉を交わし、受付に立つ。たった数日休んでいただけなのに、ずいぶん久しぶりに仕事をする気分だ。私は木のカウンターをそっと撫でる。あちこち傷だらけで、ところどころインクの染みもある。カウンター越しに見えるギルドの風景が、なんだかホッとする。
――私、自分が思うよりもこの仕事が好きだったのかもしれない。
カウンターに立つと、自分がいるべき場所に戻ってきたような感覚を覚える。体の芯から力が湧いてくるようで、私は元気に働ける喜びを静かに噛みしめた。
「それじゃ、頑張りましょうか。フローレさん」
「はい、よろしくお願いします」
フローレさんと言葉を交わし、私は仕事に戻ったのだった。
なんでも新人の受付嬢が夜の担当をするので、私に彼女の補佐をしてほしいらしい。教育係なんて荷が重いけど、バルドさんから「エルナは面倒見がいいから、頼むよ」なんて言われたら断れない。
新人のフローレという子は、ルナストーンという町のギルドで受付嬢をしていた経験があり、どういう繋がりか分からないけど、アメリアさんがうちのギルドにスカウトしてきたみたいだ。ルナストーンはミルデンの南西にあり、位置的にはアインフォルドよりは近いけど、それでも馬で向かうには相当時間がかかる場所だ。私はもちろん行ったことのないところだし、町の規模もミルデンより少し大きいくらいだと聞く。
今日はアレイスさんからお見舞いでもらった新しいリボンをつけた。深いオリーブ色のリボンは光の加減で緑にも黒にも見える色で、私の髪色にもよく似合う。アレイスさんは自分で女性もののリボンを買いに行っているのかな? それとも雇っているメイドさんに買ってきてもらっているのだろうか。前にもらった夜空色のリボンもそうだけど、どちらも私に合うものを選んでくれているのが嬉しい。
数日続いた雨はもうすっかり止んでいて、今日はすっきりと晴れていた。天気がいいと気分も明るくなる。腕の痛みは殆ど消えているので、仕事に支障もなさそうだ。
ギルドに着いて着替えると、早速すれ違う人たちに声をかけられた。
「エルナ、今日から復帰したんだね。もういいの?」
「エルナ! もう怪我は大丈夫かい?」
「心配したよー! 大変だったね」
彼らの気遣いが嬉しい。ルシェラ嬢の事件のことで何か言われるかと思ったけど、みんなの興味はルシェラ嬢とアレイスさんの関係に移っていた。どうやら、二人が婚約しているという誤解は解けていないらしい。私は気の強い婚約者とアレイスさんの揉め事に巻き込まれたかわいそうな人、という扱いになっていた。
「アレイスさんと会ったら、ちゃんと怒った方がいいよ? 婚約者の機嫌くらい取らなくてどうするんだって」
「あー……そうですね、言っておきます」
心配そうに言ってくる人達に、私は苦笑いで応じる。アレイスさんには申し訳ないけど、正直言ってアレイスさんとルシェラ嬢の関係が誤解されたままの方が私はありがたい。一部では私とアレイスさんの仲を疑う声もあったようなので、このままみんなの関心がルシェラ嬢に向いたままでいてくれるなら助かる。もっとも、遅かれ早かれアレイスさんが否定するだろうけれど。
支団長のアメリアさんは、あのあとすぐ王都に行ってしまっていて、まだギルドに戻ってきていない。三か月に一度、討伐者ギルドの支団長が王都に集まって会合を開く為、アメリアさんはしばらく王都に滞在することになっている。噂では会合という名のパーティーざんまいだとかなんとか。久しぶりに会う仲間達と情報交換をすると言いつつ、実は遊んでいるんじゃないかと私は疑っている。
支団長は基本的にみんな貴族なので、会合は社交も兼ねているのだとか。今回はアインフォルドの支団長に会って、ルシェラ嬢とのトラブルについての話し合いも行われるそうなので、いつもより帰ってくるのが遅くなりそうだと聞いている。
久しぶりなので、監視班に立ち寄った私は溜まっている監視情報をじっくりと読み込む。ミルデン周辺の異変、最近出没した魔物、アルーナ山に変わったことはないか――小さな変化も全て頭に叩き込んだ。大きな問題は起きていないけど、街道沿いに『食人植物』と呼ばれる魔植物が生えてきたという情報がある。見た目は人の背丈より高い大きな花にしか見えないけど、人を食べてしまうので、街道沿いに生えると非常に危険だ。早く退治しないと交易品を運ぶ商人が道を通れなくなり、人々の生活にも影響が出かねない。おそらく討伐者さんに討伐依頼が出ていることだろう。
監視班で情報を仕入れてから、ようやく受付へ向かう。今日はバルドさんが休みだった。仕事人間の彼がいないのは珍しい。
「エルナ、お帰り。怪我はもういいのか?」
バルドさんの代わりを務める受注担当官、カートさんが私を見て微笑んだ。
「ご心配おかけしました。もう大丈夫ですよ」
「安心したよ。でもまだ無理はしないように。昨日バルドから聞いたと思うけど、エルナにはしばらくの間、夜の担当をお願いしたいんだ」
「はい、分かりました」
「エルナには新人の補佐を頼みたくてね。あれ? まだ来てないな……まあいいか。彼女、今日から受付に出てもらうことになってるから。基本的な仕事内容は知っているけど、新しいギルドだと慣れないことも多いだろうからね、助けてやってよ」
「お任せください!」
ちょうどその時、私と同じ制服を着た女の子がこちらにやってきた。
「ああ、来た来た! フローレ、彼女がエルナだよ」
フローレという新しい受付嬢は、黄金色の髪を後ろでひとつにまとめ、鮮やかな赤い口紅が印象的な綺麗な女の子だった。すらりとしていて背も私より高い。
「エルナさんですね、フローレと言います。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします。フローレさんはルナストーンのギルドにいたんですよね?」
「はい。二年ほどしか働いていないので、まだ経験が足りないですが……頑張ります」
フローレさんは穏やかな笑みを浮かべていて、二十歳のわりに大人っぽいな、というのが私の第一印象だった。私が彼女の年齢だった頃は、まだ分からないことも多くて失敗も沢山していたものだ。アメリアさんがわざわざスカウトしてきたくらいだから、きっと優秀な受付嬢なんだろう。
「基本的にやることはどこのギルドでも一緒なので、すぐに慣れますよ。それじゃ、行きましょうか」
「はい!」
彼女はしっかりしてそうだし、私が補佐することもすぐになくなりそうだ。夜の部は基本的に、依頼を終えて戻ってくる討伐者に報酬を渡す仕事が多い。夜に依頼を受けて出発する討伐者は少ないし、戻ってくる討伐者はバラバラで、朝と比べると受付が混雑することもない。だから新人は夜の部で経験を積み、慣れてくると昼の部に回される。私もギルドに入ったばかりの頃は夜の担当ばかりしていた。今では休んだ子の代わりに残業する時くらいのものだけど。
「あ、エルナ! 今日から復帰ね、お帰り」
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カウンターに立つと、自分がいるべき場所に戻ってきたような感覚を覚える。体の芯から力が湧いてくるようで、私は元気に働ける喜びを静かに噛みしめた。
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「はい、よろしくお願いします」
フローレさんと言葉を交わし、私は仕事に戻ったのだった。
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