「トリプルSの極上アルファと契約結婚、なぜか猫可愛がりされる話」

星井 悠里

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95.ロマンチック①

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 その後、端から乗り物を制覇した。カップの回転する乗り物、水の中を走るコースター、空中ブランコなんかも乗って、なんだかもう、遊び尽くした感がすごい。水族館がメインなので、海側にある遊園地ゾーンは割と空いてて、すぐに乗れるのも、乗りつくしていける原因になってると思う。

「瑛士さん、ちょっと休憩いいですか……?」
「ああ、いいよ。……疲れた?」
「疲れたっていうか……瑛士さん、カップ、めちゃくちゃ回すし」

 ひゃーて叫び疲れはしたかも。しかも二回乗ったし。
 瑛士さんはめちゃくちゃ楽しそうだった。

「楽しかったよね」
「はい」
 それは本当にそう。頷くと、瑛士さんが空を見上げた。

「凛太、海辺に行こっか」
「どこですか?」
「綺麗に海が見えるところがあるんだ。夕日、綺麗だから。ちょっと休憩したいでしょ?」

 そう言われて、ふふ、と笑ってしまいながら頷いた。
 しばらく歩くと、砂浜が目の前に広がる。海岸へと降りる坂道をゆっくり歩いて、砂浜に立った。砂に沈む感覚が、久しぶりすぎて、ふっと気持ちが綻んだ。波が静かに打ち寄せる音。果てしなく広がる海と暮れ始めた太陽が、あまりに綺麗で見惚れる。
 海岸から少し離れたところにベンチが用意されていたので、並んで腰かけた。しょってたリュックを自分の隣に置くと、なんとなくほっと息をついた。

「今日、結構歩いたよね」
「ですね。運動不足の解消にいいかも」
「凛太、運動してない? ……ってしてないか。忙しいもんね」
「体育は選択すればあったんですけど取らなかったので……瑛士さんはしてるんですか?」

 オレなんかより忙しそうだけどな。と思いながら、隣の瑛士さんを見つめると、ん、と頷いて微笑む。

「マンションにジムがあるから、たまに行くようにしてたんだけど……最近、凛太が来てから行ってなかったね」
「え。あ。オレに構わず、行ってくださいね?」
「凛太に構わず、とかじゃなくて――オレが、凛太と居たかったからだし」
「――――はぁ……」

 なんだかもう、なんと返していいか分からず、変な返事をしてしまう。瑛士さんに微笑まれて、どき、と胸が弾んで、咄嗟に正面の海に視線を戻した。

「……運動は、したほうがいいです、よ。って、してないオレが言うのも何ですけど」
「まあ、そうだよね――ああ、じゃあ、今度、一緒に行こ? 二十分とかでも、すっきりするからさ」
「――いいですね」

 頷いて、そう返すと、瑛士さんが、空を見上げて、ふ、と柔らかく息をついた。

「陽が落ちてきたね」
「そうですね……」

 ……すっごい、どんどん綺麗になっていく。

 波の音が心地よくて、潮風が頬をなでていく感覚も。気持ちいい。砂浜は白くて、空はオレンジ色。海面が太陽の色を反射して、キラキラと輝いていて、眩しい。

 何だか言葉が出てこない。
 黙ったまま、ぼー、と海と空をただ見つめる。


 こういうとこ、ロマンチック、て言うんだろうなぁ。
 デートとかで来るとこかな? とふと思う。
 オレとじゃなくて、綺麗な彼女さんと瑛士さんが座ってたら、とってもお似合いな気がするけど。その光景をぼんやり想像すると、なんだかとても綺麗だなぁ、と思う。


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