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男三人ぶらり飲み
第百九話 ギャンブラー
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「指を詰めさせる」
「いらん、そんな物貰っても気持ち悪いだけだ。もっと現実的でハッピーになれる物を提示して貰いたいな」
俺は見せ付けるように卯場の前でゆったりと大きな動作で足を組む。
「あんまり調子に乗るなよ。やり合えばそっちだって被害が出るんだぞ」
まだまだ自重しているようだが、大分青筋が浮き出てきている。そろそろ切れるかな。
「それならそれで構わんぞ。それが仕事だしな」
顔を突き出し俺を威嚇してくるうっとしい卯場の視線を流してさらっと答えてやる。 その流した視線で背後をちらっと見れば卯場の怒気に当てられ西村が解脱寸前である。だからといって何もしてやれない、こういう時は見ざる言わざる聞かざるを決め込んで何か楽しいことでも考えているのが良いんだが、アドバイスすらしてやれないのでせめて頑張れと心の中声援を送ってやる。
「本気か!?今のご時世派手なドンパチしたら、どうなるか」
「おいおい、俺たちゃ~暴力でメシを食っているんだぜ。それが暴力を恐れてどうするの?」
ヤクザのアウトロー、警察の法の番人、どちらも現実的な暴力があってこそ、なければ妄想の産物へと成り果てる。人類発祥してから何百万年、暴力無しでは人は何も為し得ないのは変わらない。次の人類当たりでは暴力無しで分かり合えるようになるのだろうか?
「言わせておけば。いやそもそも雰囲気に飲まれていたが、お前何者だっ。何処の組の幹部なんだ。
お前本当は弓流の仲間じゃ無いだろうな?
違うというなら証拠を見せろやっ」
何か己の中得心がいったのか今まで一応下手に出ていた卯場が俺に怒鳴りつけてきた。それに感応するように俺達を取り囲んでいた配下達の空気も事態を見守る受動的空気から号令一下いつでも襲いかかれる攻撃的空気に一変する。
この緊張感、ちょっとした切っ掛けで暴発する。大物雰囲気漂わせ、のらりくらりとはぐらかすのもそろそろ幕引きか。
っというかそれこそ最初の一番に確認することだろうに、やっとそこに辿り着いたか。まあそうさせないように俺が掻き回したんだけどな。
「いいんだな? 後には引けなくなるぞ」
こちらも今までのはぐらかす空気からぎらぎらの鋭角的な空気に変えて卯場を睨み返す。
「そんなハッタリがいつまでも通じると思うなよ」
「それじゃあしょうが無い」
俺はゆったり立ち上がってさっと銃を抜く。
「へっ?」
卯場のマヌケな顔から視線を逸らして適当に目に付いた奴の足を撃ち抜いた。
「ぎゃあああああああ~」
応接間に鮮血が飛び散り悲鳴が木霊する。
「おっおま」
「動くなっ、今のは警告だ」
「けっ警告って撃っているやん」
全員の顔が青ざめる中で一人がツッコンできた。いいねえ~その余裕、下手すれば卯場より大物じゃ無いか。
「何眠たいこと言ってんだ、ちゃんと急所は外しただろ」
俺は死んでないから床でのたうち回っているチンピラを見下ろしながら言う。可哀想に早く誰か手当てしてやれよ、失血で死ぬぞ。
「お前この人数相手にして、ここから生きて出られると思っているのか?」
やはりトップを張るだけはあるのか卯場は分かっている。ここで芋引いたらもうこの世界で生きてけない、面子は命。怖かろうが前に出て脅すしか無い。
「さあな~やってみなければ分からないぞ。
だが一つ確実なのは、卯場、お前は確実に死ぬ」
俺が発砲した瞬間に逃げていれば俺の負けだったかも知れないが、卯場は事態に付いていけず留まってしまい、弓流流に言うなら流れも留まった。
「なっ」
「お前が降伏以外の命令を発した瞬間、お前の眉間を撃ち抜く。
そしてお前等」
俺は卯場を脅した後で取り囲むチンピラ共を睥睨して言う。
「残弾、4発、お前等の内四人も確実に殺す。そこを覚悟してこいよ」
俺は銃口を卯場の眉間に合わせる。
「ハッハッタリだ」
「そう思うなら、どうぞ」
「一体何処の何者なんだよ」
涙混じり悲鳴込みの声で卯場が嘆く。
「まだそんなことを言っているのか?
俺のバックにどんな組織が有ろうが無かろうがもう関係ないんだよ。
もはや今ここにいる俺とお前の殺るのか殺らないのか命をベットにした勝負なんだよ」
「うっぐぐぐぐっぐ」
卯場が残ったヤクザの矜恃を振り絞り憎しみ滾らせ俺を睨み付けてくる。だが俺はやるだけやってこれ以上のレイズは無い、コールレイズフォールド卯場がどれを選ぼうかフォールド以外は引き金を引くだけのこと、機械のように俺は答えを待つ。
場の緊張感が極限まで重くなっていき生死の天秤が傾く時が来た。
「3千万出す。それで手打ちにしてくれ」
がばっと突然その場で卯場が土下座してきた。
「はあ~?」
この俺が素で間の抜けた声を出してしまった。
突然折れたぞ。どういう心境の変化が起きれば僅か数秒でこうなる?
そもそも組のトップがこんな事して大丈夫か? 部下に示しが付かないだろ、示しを付けなければ部下は従わない離反する。同じ降伏するにしてももう少し体裁を整えるのに、なぜ急に恥も外聞も無く降伏した。
「金は誓って出す。だからここで暫し待っていてくれ」
「それに騙されるほどに俺が馬鹿に見えるのか?」
この場さえ切り抜けたら部下を引き連れお礼周りという訳か。この場を切り抜けるためだけの欺瞞だとすればまあカッコも付くか。
「なら付いてきても良いから、今は黙って静観してくれ、それだけでいい。
兎に角急ぐんだ」
今この時だけなら卯場は世界で一番誠実な男かも知れない、策も罠もありはしない。本気で急いでいる、子供を助けに行きたいと懇願する親の如き。
そして思い付く、雌狐めしくじったか。
ここで更なる足止めを試みてフォローしてやるのが男気かも知れないが、ここが潮時時期の見計らない。
時間は稼いで義理は果てして、此方の賭け札も揃った。ここが賽を投げる時。
「いいだろう、静観してやろう」
「ありがとう。
よし、お前等今すぐ5階に行くぞ」
俺達は急ぎ五階に向かった。
「いらん、そんな物貰っても気持ち悪いだけだ。もっと現実的でハッピーになれる物を提示して貰いたいな」
俺は見せ付けるように卯場の前でゆったりと大きな動作で足を組む。
「あんまり調子に乗るなよ。やり合えばそっちだって被害が出るんだぞ」
まだまだ自重しているようだが、大分青筋が浮き出てきている。そろそろ切れるかな。
「それならそれで構わんぞ。それが仕事だしな」
顔を突き出し俺を威嚇してくるうっとしい卯場の視線を流してさらっと答えてやる。 その流した視線で背後をちらっと見れば卯場の怒気に当てられ西村が解脱寸前である。だからといって何もしてやれない、こういう時は見ざる言わざる聞かざるを決め込んで何か楽しいことでも考えているのが良いんだが、アドバイスすらしてやれないのでせめて頑張れと心の中声援を送ってやる。
「本気か!?今のご時世派手なドンパチしたら、どうなるか」
「おいおい、俺たちゃ~暴力でメシを食っているんだぜ。それが暴力を恐れてどうするの?」
ヤクザのアウトロー、警察の法の番人、どちらも現実的な暴力があってこそ、なければ妄想の産物へと成り果てる。人類発祥してから何百万年、暴力無しでは人は何も為し得ないのは変わらない。次の人類当たりでは暴力無しで分かり合えるようになるのだろうか?
「言わせておけば。いやそもそも雰囲気に飲まれていたが、お前何者だっ。何処の組の幹部なんだ。
お前本当は弓流の仲間じゃ無いだろうな?
違うというなら証拠を見せろやっ」
何か己の中得心がいったのか今まで一応下手に出ていた卯場が俺に怒鳴りつけてきた。それに感応するように俺達を取り囲んでいた配下達の空気も事態を見守る受動的空気から号令一下いつでも襲いかかれる攻撃的空気に一変する。
この緊張感、ちょっとした切っ掛けで暴発する。大物雰囲気漂わせ、のらりくらりとはぐらかすのもそろそろ幕引きか。
っというかそれこそ最初の一番に確認することだろうに、やっとそこに辿り着いたか。まあそうさせないように俺が掻き回したんだけどな。
「いいんだな? 後には引けなくなるぞ」
こちらも今までのはぐらかす空気からぎらぎらの鋭角的な空気に変えて卯場を睨み返す。
「そんなハッタリがいつまでも通じると思うなよ」
「それじゃあしょうが無い」
俺はゆったり立ち上がってさっと銃を抜く。
「へっ?」
卯場のマヌケな顔から視線を逸らして適当に目に付いた奴の足を撃ち抜いた。
「ぎゃあああああああ~」
応接間に鮮血が飛び散り悲鳴が木霊する。
「おっおま」
「動くなっ、今のは警告だ」
「けっ警告って撃っているやん」
全員の顔が青ざめる中で一人がツッコンできた。いいねえ~その余裕、下手すれば卯場より大物じゃ無いか。
「何眠たいこと言ってんだ、ちゃんと急所は外しただろ」
俺は死んでないから床でのたうち回っているチンピラを見下ろしながら言う。可哀想に早く誰か手当てしてやれよ、失血で死ぬぞ。
「お前この人数相手にして、ここから生きて出られると思っているのか?」
やはりトップを張るだけはあるのか卯場は分かっている。ここで芋引いたらもうこの世界で生きてけない、面子は命。怖かろうが前に出て脅すしか無い。
「さあな~やってみなければ分からないぞ。
だが一つ確実なのは、卯場、お前は確実に死ぬ」
俺が発砲した瞬間に逃げていれば俺の負けだったかも知れないが、卯場は事態に付いていけず留まってしまい、弓流流に言うなら流れも留まった。
「なっ」
「お前が降伏以外の命令を発した瞬間、お前の眉間を撃ち抜く。
そしてお前等」
俺は卯場を脅した後で取り囲むチンピラ共を睥睨して言う。
「残弾、4発、お前等の内四人も確実に殺す。そこを覚悟してこいよ」
俺は銃口を卯場の眉間に合わせる。
「ハッハッタリだ」
「そう思うなら、どうぞ」
「一体何処の何者なんだよ」
涙混じり悲鳴込みの声で卯場が嘆く。
「まだそんなことを言っているのか?
俺のバックにどんな組織が有ろうが無かろうがもう関係ないんだよ。
もはや今ここにいる俺とお前の殺るのか殺らないのか命をベットにした勝負なんだよ」
「うっぐぐぐぐっぐ」
卯場が残ったヤクザの矜恃を振り絞り憎しみ滾らせ俺を睨み付けてくる。だが俺はやるだけやってこれ以上のレイズは無い、コールレイズフォールド卯場がどれを選ぼうかフォールド以外は引き金を引くだけのこと、機械のように俺は答えを待つ。
場の緊張感が極限まで重くなっていき生死の天秤が傾く時が来た。
「3千万出す。それで手打ちにしてくれ」
がばっと突然その場で卯場が土下座してきた。
「はあ~?」
この俺が素で間の抜けた声を出してしまった。
突然折れたぞ。どういう心境の変化が起きれば僅か数秒でこうなる?
そもそも組のトップがこんな事して大丈夫か? 部下に示しが付かないだろ、示しを付けなければ部下は従わない離反する。同じ降伏するにしてももう少し体裁を整えるのに、なぜ急に恥も外聞も無く降伏した。
「金は誓って出す。だからここで暫し待っていてくれ」
「それに騙されるほどに俺が馬鹿に見えるのか?」
この場さえ切り抜けたら部下を引き連れお礼周りという訳か。この場を切り抜けるためだけの欺瞞だとすればまあカッコも付くか。
「なら付いてきても良いから、今は黙って静観してくれ、それだけでいい。
兎に角急ぐんだ」
今この時だけなら卯場は世界で一番誠実な男かも知れない、策も罠もありはしない。本気で急いでいる、子供を助けに行きたいと懇願する親の如き。
そして思い付く、雌狐めしくじったか。
ここで更なる足止めを試みてフォローしてやるのが男気かも知れないが、ここが潮時時期の見計らない。
時間は稼いで義理は果てして、此方の賭け札も揃った。ここが賽を投げる時。
「いいだろう、静観してやろう」
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