虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、高みへと挑む

ギフトカタログ 前篇

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 創造神からの手紙は読み終えた。
 貰ったカタログは、俺たちがアイスプルで彼らを信仰することで得られるエネルギーを対価として、用意してもらえるらしい。

 その中身の精査をすることになった。
 さすがに確認しないのは失名神話の神々に失礼だし、何より放置しておくのも危うい気がするからな。

「……おおぅ、やっぱりヤバいな」

 カタログには付き物の目次、それを見ただけで俺はそう結論付けることができた。
 そこには──『神託』、『神器』、『祝福(人/物)』などなど……何もかもヤバい。

「最初の神託ですら、ノイズ無しの直通で受けられる仕様みたいだし……普通、その辺があやふやになっているんだよな?」

《そのようですね。祝福の度合いや信仰対象である神との親和性、当人の適性や職業・スキル補正などの様々な要素で決まります》

「何より、神様の伝えたいことを百パーセント受け取ろうとすると、人の身じゃ耐えられなくてどこかしら歪みが生じるらしいし……そういう問題も全部解消してくれるっていうのは、ある意味破格なのか」

 問題もまた、カタログで参考する値となる信仰ポイントなる数値を消耗することで抑えてくれているようだ。

 神様の高次元的な視点から得た情報で、アドバイスをしてもらえるというのはなかなかいいかもしれないな。

「そういえば、懇神会で得た質問権とかもあるよな……アレも回りくどくはあるが、そのノイズを回避できる方法の一種なのか」

 書いた内容に(北欧神話が知り得るなら)何でも答えてくれる、そんな不思議アイテムだが、どうしても聞きたい内容が決まらないためそのままなんだよな。

 いづれは紙にぎっしりと質問を書いて送るつもりだが、それもいつになるのやら。
 念のため、失名神話の神々に使うか確認したこともあったが、好きにしてとのことだ。

「それでも、神々も全知全能じゃないらしいからな。彼らが今以上にそう振る舞えるようになってからの方が、神託の使い道も多いだろう。うん、これは使わないな」

 やり取り自体は先ほどのように、手紙を経由して行うことができる。
 こちらの呼びかけに応じてくれるかは運次第だが、手紙を書けば受け取ってくれた。

 こういうところもまた、信仰者との距離が近しい失名神話特有の在り方なんだよな。
 ……ちなみに、最近は所望するアイテムが掲示板に貼られていたりするぞ。

 アイスプルで獲れるアイテムについては、住民たちが用意してくれている場合も。
 今後はその行いに報いられるよう、今以上に何か褒賞を用意しておくべきかもな。

「次は神器……うん、名前から分かるチート感が凄い。えっと、大きく分けて二種類……いや三種類か」

 まずはオリジナル、要望の神器を失名神話の神々で創造してくれるとのこと。
 どこまで委ねるかはこちらの自由だが、要望通りになるかはポイント次第のようだ。

 それでも、最低限神授の神器に相応しいスペックは保証してくれるとのこと。
 ……場合によっては、注文とは別に面白半分で神々が祝福を掛けてくれるんだとか。

 そしてもう一種類が失名神話の神器。
 レプリカ……そして、本物をポイント次第で用意してくれるようだ。

 何というかもう、神々の緩さが半端ない。
 ポイントの額がとんでもないので注文することはないのだが、本物を頼んだうえで無くしたりしたらどうするのやら。

「ただ、シルエットだけで具体的にどういうものかが分からない仕様なんだよな……一度は全神分をレンタルして、情報の開示はしておきたいよ」

 だがこれもまた、きちんと失名神話への所属を把握している神でないとダメらしい。
 ……他の神話にも同じ分野を司る神が居るからこそ、そういうルールなのかな?

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