見捨てられたのは私

梅雨の人

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「「「「おかえりなさいませ奥様。」」」」 

 

「さあ、疲れただろう小雪。部屋に行って少し休もう。」 

「…ええ。」 

「どうした小雪?」 

「亮真様にお迎えに来て頂いただけでも十分ですのに、部屋まで送って頂くなんて申し訳ないですわ。お忙しいのでしょうから私はこれで…。」 

「駄目だ。君をちゃんと部屋まで送り届ける。そうでないとまた君が急に……いや、なんでもないとにかく部屋に行こう。私も今日は休むことにしたから心配ない。」 

「そう…ですか?」 

「ああ、行こう小雪。さあ、手を。」 

「ええ、亮真さ「亮真さん!遅かったのね。心配したわ。」 

「義姉さん、悪いが「ねえ、小雪さん。久しぶりの里帰りは楽しかったかしら?いいわね、実家が歓迎してくれるだなんて羨ましいわ。私はもう実家に居場所がなくなってしまったの…ああ、ごめんなさいね。こんな話してしまって。太賀も変わってしまったわ。これまで仕事が忙しすぎて全然私に構ってくれないとばかり思っていたのに…美知恵さんが来てからしょっちゅう一緒にいるのよ。私だって太賀の妻なのに…」 

お義姉様の滑らかな肌を涙が伝っております。 

亮真様はいまだに私から手を放しておりません。ちらりと亮真様を窺いますと亮真様は私を見つめておられました。 

 

「小雪、部屋に行こう。」 

「ですが…」 

「すまない義姉さん。おい、義姉さんが落ち着くまで客間でお茶でも頂いてもらってくれ。私は忙しくて今日は相手が出来そうにないんだ。」 

「...冗談よね?亮真さん?ねえ、小雪さん。もしかして亮真さんに何か言ったの?」 

「小雪は何も言ってない。」 

「じゃあ」 

「義姉さん。悪いが今日は帰ってくれないか。」 

「そんな…でもあそこに私の居場所はないわ…太賀はもう私を見てくれない…」 

「…私は義姉さんの夫ではないから兄さんの代わりにはなれない。私の妻は小雪だ。」 

「どうしたの。亮真さん?そんな言い方…。分かったわ。今日は帰るわね。そうよね。小雪さんが里帰りしてたから色々大変だったのよね。」 

「何を…」 

「今日は帰るわ。またね亮真さん。」 

 

笑みを浮かべて琴葉お義姉様は踵を返すと屋敷を出ていかれました。 
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