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従僕を解雇されました
従僕を解雇されました(5)
しおりを挟むいくつかの角を曲がり、アーチをくぐって進むと、広場のように何もない広々とした場所に出た。
そこでは、砂埃を巻き上げながら、兵士たちが互いに剣を交えたり、槍を振るったりして訓練に励んでいた。全員、重そうな鎧や兜をまとい、鉄の防具の重みをものともせず、上官の指示に合わせて一糸乱れぬ動きを見せている。中には馬上で槍を構え、模擬戦に臨む騎馬兵の姿もあった。
どうやら、実戦さながらの訓練のようだ。
一心に槍を振り下ろす掛け声や、馬の蹄が地を踏みしめる音が響き、場の空気は引き締まっている。
副団長はこのような訓練の場には顔を出さないのではなかろうかと思うが、万が一、ラインハルトと鉢合わせしたら、言い訳のしようがない。「ついてこい」と言われてもいないのに勝手に来てしまった手前、できるだけ彼に見つかる日を先延ばししたかった。
白馬の陰に身を隠しつつ、訓練の様子を眺めていると、背後で「すみません!」と声がした。
振り返ると、ユリウスと同じように馬をつれた、赤毛の青年が立っていた。声をかけたのはユリウスに対してではなく、近くで訓練の様子を見ていた兵士に対してだ。
その人は鎧も兜もつけておらず、鎖帷子だけを身に着けていた。腰には剣を携えている。
「騎士団で使用人として雇っていただきたいのですが、どちらをお訪ねしたらよろしいですか?」
赤毛の青年は、どうやらユリウスと同じ目的でここに来たらしい。
訓練中の兵士に話しかけて大丈夫!? と他人事ながらにハラハラしたが、兵士は親切に、身振りをまじえながら従僕長のいそうな場所を赤毛の青年に教えていた。
ユリウスは青年に後ろからついていき、兵士たちが見えなくなったところで思い切って話しかけた。
「すみません!……、僕、ユリウス・イェーガーといいます。僕も、騎士団で使用人として働きたくて、来たんです。故郷はカッシーラー辺境伯領です」
青年は一瞬驚いた顔をし、すぐに人好きのする柔和な笑みを浮かべた。
くるくるとカールした赤毛に、モスグリーンの瞳は丸みを帯びていて懐っこい。鼻はあまり高くなく、頬にそばかすがある。愛嬌のある顔の彼は、年はユリウスより二、三才上に見えた。
「俺はアルミン・カペル。ウェルナー辺境伯領の東のダール村の出身だ。農家の次男坊でね。家は兄貴が継ぐし、家の近くには働き口もないから、お城まで出てきたってわけだ。辺境伯の侍従は無理でも、軍の使用人になら俺でもなれるかと思ってな」
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ユリウスはにっこりと微笑み返し、仲間ができたことを嬉しく思っていた。
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