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7章 赤い珠が映す空想未来
命の重さ 3
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悪阻は酷い時とそうでもない時がある。その波が予想できず、ご飯は食べていると急に悪阻が酷くなって、せっかく得た栄養を吐き出すのが度々あった。
私が吐くと丁度よく蝶男が現れて、吐き出したものを淡々と片付ける。
蝶男が食事を用意してそれを私が食べて吐いて蝶男が片付ける。
最悪だった。悪阻もそうだけど、奴からご飯を貰うのも世話されるのも。
でも生きていかないといけないから少しだけ膨らんだ腹を摩りながら酸味が強くなった唾を飲み込んだ。
悪阻を耐えて幾分か日が過ぎると体調が落ち着くようになって立っていられる日が増えた。
自分で立ってご飯も用意できるようになると蝶男の出現も少なくなった。お陰で私が無駄に苛立つ時間も減ったが、ぽっかりと空いた寂しさは埋まらない。
冷たい手を暖かくしてくれる人が欲しかった。
昼間は眠くて起きれず、起れても悪阻で吐いた。夜になると考えたくないのにぐるぐる巡る思い出が眠らせてくれない。目が覚めているのに悪夢を見ているようだった。
春は近づいているのに夜はまだこんなにも寒い。
寒さと悪夢から逃れる為に布団の中に潜っても手は冷たいままで安らぎとは程遠い。
誰かが身体を温めてくれないと眠れない。その相手はいつも決まっている。
白蓮は私が寒がってでいるのに気づくと後ろから抱きしめてくれていた。
「慣れたのは嬉しいが初々しさがなくなったな」
独りごち、溜め息が私の肩にかかった。
「私だって成長するのよ」
初めてされた時は胸が爆ぜてしまいそうになるぐらい驚いた。繰り返されると白蓮の行動にも慣れてきて、背中と包まれた手の温もりに身を任せた。
自慢げな私が面白くないのか、少し熟考した白蓮が私の手を握って自分の口に持っていった。
指先をぱくりと食われるまで白蓮の動作を瞬きせずに眺めていた。前歯の感触が脳まで伝わってくると背中にざわざわしたものが走った。
声にもならない声を上げて、手を引っ込める。
耳の先から指先まで赤くなっていて、寒さなど忘れてしまう。
「ははっ真っ赤だ」
私の反応を見て笑う白蓮にか揶揄われているのだと知る。揶揄うのは私の役割なのに逆転されてしまった。
「たまには俺が揶揄うのも良いだろう」
私が睨んでも白蓮は勝ち気に笑って身体を擦り合わせた。
暖かい記憶だ。どの思い出も輝いて見える。
今となっては幻だ。
私が吐くと丁度よく蝶男が現れて、吐き出したものを淡々と片付ける。
蝶男が食事を用意してそれを私が食べて吐いて蝶男が片付ける。
最悪だった。悪阻もそうだけど、奴からご飯を貰うのも世話されるのも。
でも生きていかないといけないから少しだけ膨らんだ腹を摩りながら酸味が強くなった唾を飲み込んだ。
悪阻を耐えて幾分か日が過ぎると体調が落ち着くようになって立っていられる日が増えた。
自分で立ってご飯も用意できるようになると蝶男の出現も少なくなった。お陰で私が無駄に苛立つ時間も減ったが、ぽっかりと空いた寂しさは埋まらない。
冷たい手を暖かくしてくれる人が欲しかった。
昼間は眠くて起きれず、起れても悪阻で吐いた。夜になると考えたくないのにぐるぐる巡る思い出が眠らせてくれない。目が覚めているのに悪夢を見ているようだった。
春は近づいているのに夜はまだこんなにも寒い。
寒さと悪夢から逃れる為に布団の中に潜っても手は冷たいままで安らぎとは程遠い。
誰かが身体を温めてくれないと眠れない。その相手はいつも決まっている。
白蓮は私が寒がってでいるのに気づくと後ろから抱きしめてくれていた。
「慣れたのは嬉しいが初々しさがなくなったな」
独りごち、溜め息が私の肩にかかった。
「私だって成長するのよ」
初めてされた時は胸が爆ぜてしまいそうになるぐらい驚いた。繰り返されると白蓮の行動にも慣れてきて、背中と包まれた手の温もりに身を任せた。
自慢げな私が面白くないのか、少し熟考した白蓮が私の手を握って自分の口に持っていった。
指先をぱくりと食われるまで白蓮の動作を瞬きせずに眺めていた。前歯の感触が脳まで伝わってくると背中にざわざわしたものが走った。
声にもならない声を上げて、手を引っ込める。
耳の先から指先まで赤くなっていて、寒さなど忘れてしまう。
「ははっ真っ赤だ」
私の反応を見て笑う白蓮にか揶揄われているのだと知る。揶揄うのは私の役割なのに逆転されてしまった。
「たまには俺が揶揄うのも良いだろう」
私が睨んでも白蓮は勝ち気に笑って身体を擦り合わせた。
暖かい記憶だ。どの思い出も輝いて見える。
今となっては幻だ。
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