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7章 赤い珠が映す空想未来
赤い珠玉について 2
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紅玉の家族を殺したのは明弥だ。紅玉の対の双子を奪ったのも明弥だ。影弥の対して創られ、今は蝶男と名乗っているようだ。
蝶男が双子の片割れを連れ去ったのは、その子が鋏の魂を持っていたからだろう。そして、鬼の魂も持っている。
糸の魂を持つ紅玉は腹の中で取り残され、死産した。その魂はハザマに流れず留まり、失った片割れを探している。
影弥は蝶男を追い、紅玉は双子の片割れを探す。そうして二人の旅は二十年ほど続いていた。
「進展ないの?」
地道な人探しは今日も収穫なしだ。
紅玉は赤々と燃える焚き火の前で不満を漏らした。土の上で寝転ぶのは行儀が悪いが、影弥は許していた。幽体の利点は衣服が汚れないことだ。
「悪いね。これでも追跡の技術は成長してるんだよ」
焚き火の燃え木をつつき、紅玉に目線を向けて優しく笑ってみせた。
「こうのお陰でね」
紅玉は褒められたと嬉しくなって、漏らした不満など忘れてしまった。
影弥が言ったのはお世辞ではなく、本心だ。というよりも本心しか言えない。嘘が言えないのだ。
すごく長い年月の間、影弥が蝶男に追いつけない原因がそこにあった。
影弥には想像力がない。
一つ一つの情報を得たとしても点と点を線として結為の推理力がない。
嘘というのは0を1にする行為だ。想像なしで嘘は創れない。
そうした欠陥はハザマでは致命的であり、欠品扱いとなった影弥は弥から追放するような形で現世に流れた。
嘘が吐けないのは紅玉も知っている。なので影弥の褒め言葉は信用にあたる。
「想像ができないってどういうこと?」
影弥からは何度も聞かされていたが、紅玉はあまり、理解していなかった。
「昔話でもしようか」
創る話を聞かせられないが、影弥が聞き、経験したものなら話せる。
紅玉は影弥の話が大好きだった。
永遠との言える男の経験談は豊富であり、どの話も紅玉を楽しませた。
「翠玉が生きていたときの話だ」
翠玉とは紅玉の前世だ。ハザマから現世に移った時の影弥の役割は翠玉と翡翠の世話係だった。それを首と言う塊人と共にやっていた。
景弥より先に作られた首は現世の知識を豊富に持っており、対して当時の影弥は赤子当然であった。
どの時代もそうであるが、その時代も人が荒れていた。
荒れた人間によって人生を奪われた女が乳飲み子を抱えて翠玉たちの住処に迷い込んだ。
翠玉たちの守り人であった影弥その女追い払おうと対峙した。
その女は影弥に食べ物を乞うた。このままでは子も飢えると女は嘆いていた。
影弥は食べ物を持っていた。
住処にあるものは全て翠玉と翡翠の物であり、渡せない。
しかし女は乞い、ここから動こうとしないので影弥も困っていた。ならば代わりの案をと考えた。その頃は人間や世間などの知識は中途半端であり、その中途半端な頭は極限状態にある人間は人間を食えることを知っていた。そして、その女は極限状態であり、腕には無抵抗な肉があった。
それを伝えると女は絶望し、化け物を見るような目で影弥を見ていた。
「知らなかったんだ。赤子に必要なのは母乳で乳を作るには母親の腹を満たすことだとは」
想像できないとはそういうことだ。人が誰を思い願って行動するのか、多くの人が想像できることを影弥はできない。
蝶男が双子の片割れを連れ去ったのは、その子が鋏の魂を持っていたからだろう。そして、鬼の魂も持っている。
糸の魂を持つ紅玉は腹の中で取り残され、死産した。その魂はハザマに流れず留まり、失った片割れを探している。
影弥は蝶男を追い、紅玉は双子の片割れを探す。そうして二人の旅は二十年ほど続いていた。
「進展ないの?」
地道な人探しは今日も収穫なしだ。
紅玉は赤々と燃える焚き火の前で不満を漏らした。土の上で寝転ぶのは行儀が悪いが、影弥は許していた。幽体の利点は衣服が汚れないことだ。
「悪いね。これでも追跡の技術は成長してるんだよ」
焚き火の燃え木をつつき、紅玉に目線を向けて優しく笑ってみせた。
「こうのお陰でね」
紅玉は褒められたと嬉しくなって、漏らした不満など忘れてしまった。
影弥が言ったのはお世辞ではなく、本心だ。というよりも本心しか言えない。嘘が言えないのだ。
すごく長い年月の間、影弥が蝶男に追いつけない原因がそこにあった。
影弥には想像力がない。
一つ一つの情報を得たとしても点と点を線として結為の推理力がない。
嘘というのは0を1にする行為だ。想像なしで嘘は創れない。
そうした欠陥はハザマでは致命的であり、欠品扱いとなった影弥は弥から追放するような形で現世に流れた。
嘘が吐けないのは紅玉も知っている。なので影弥の褒め言葉は信用にあたる。
「想像ができないってどういうこと?」
影弥からは何度も聞かされていたが、紅玉はあまり、理解していなかった。
「昔話でもしようか」
創る話を聞かせられないが、影弥が聞き、経験したものなら話せる。
紅玉は影弥の話が大好きだった。
永遠との言える男の経験談は豊富であり、どの話も紅玉を楽しませた。
「翠玉が生きていたときの話だ」
翠玉とは紅玉の前世だ。ハザマから現世に移った時の影弥の役割は翠玉と翡翠の世話係だった。それを首と言う塊人と共にやっていた。
景弥より先に作られた首は現世の知識を豊富に持っており、対して当時の影弥は赤子当然であった。
どの時代もそうであるが、その時代も人が荒れていた。
荒れた人間によって人生を奪われた女が乳飲み子を抱えて翠玉たちの住処に迷い込んだ。
翠玉たちの守り人であった影弥その女追い払おうと対峙した。
その女は影弥に食べ物を乞うた。このままでは子も飢えると女は嘆いていた。
影弥は食べ物を持っていた。
住処にあるものは全て翠玉と翡翠の物であり、渡せない。
しかし女は乞い、ここから動こうとしないので影弥も困っていた。ならば代わりの案をと考えた。その頃は人間や世間などの知識は中途半端であり、その中途半端な頭は極限状態にある人間は人間を食えることを知っていた。そして、その女は極限状態であり、腕には無抵抗な肉があった。
それを伝えると女は絶望し、化け物を見るような目で影弥を見ていた。
「知らなかったんだ。赤子に必要なのは母乳で乳を作るには母親の腹を満たすことだとは」
想像できないとはそういうことだ。人が誰を思い願って行動するのか、多くの人が想像できることを影弥はできない。
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