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師匠とほのぼの冒険者生活
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翌朝の目覚めはスッキリしていた。私は元々寝れば忘れるタイプだ。泊めて貰ったお礼に朝食を作ろうとキッチンに立つ。
勝手に食材を探し前世の記憶を頼りに目玉焼きとスープを作る。玉ねぎとニンジン、キャベツを入れたスープはコンソメが無いので味が物足りない。考えて塩漬けの肉を少し入れてみる。
「おー。出汁がでた。美味しい。」
私がキッチンでバタバタしてるのでシルクが起きてきた。
「朝ごはんにしましょう。歯磨きしてきてください。」
そう言うと、テーブルにパンと目玉焼き、スープをセッティングする。
シルクは少し戸惑いながらも私に言われる通りに席に付いた。
「朝食の匂いで目を覚ますなんて久しぶりです。」
「冷めないうちに食べてください。随分久しぶりに作るので、口に合うと良いのですが・・・。」
シルクは短く朝の祈りを口にすると、スープから食べ始めた。
「美味しいです。凄いですね。実家でも料理はしてたのですか?」
「いえ。実家では料理人が居ましたし・・・。」
「そうですか。料理はこれからも期待しても良いですか?」
「はい。元々料理は好きなので・・・。」
「ふふふ。楽しみです。」
シルクとの食事の時間は穏やかに過ぎ、朝食のお礼と言ってシルクが後片付けをしてくれた。
私たちは早速ギルドに向かった。リンさんが明るく出迎えてくれる。
「おはようございます。シルクさん、ルマさん。」
「今日はBランクぐらいの依頼を受けたいんだ。」
リンさんは目を丸くして
「えっ。大丈夫ですか?」と聞いている。
「大丈夫です。昨日模擬戦したので。彼女かなりのものですよ。」
リンさんは紙の束を出してきて、
「これがBランクの依頼の一覧です。」とシルクに渡す。
シルクは紙の束を受け取ると、小さなテーブルとスツールが置いてある場所に移動し、内容を確認している。私はシルクの前のスツールに腰掛け、シルクの顔を眺める。
本当に綺麗な顔だなーなんて眺めてたら、不意に顔を上げて紙を目の前に翳してくる。
「この依頼を受けようと思います。一角猪は毒は無いですが、素早いので捕獲するのはなかなか骨が折れますよ。」
いよいよ冒険者らしい依頼に胸が高鳴る。
「身体を動かすのは大好きです。」
早速ギルドを飛び出そうとする私の腕を掴んで、シルクがニッコリ微笑む。
「僕を置いて行くのは禁止です。大体、どこに生息しているのかも知らないんでしょう?本当に猪突猛進ですね。」
あー。昨日もそんな風なこと言ってたなーと思い了承の意を伝える。
「分かりました。師匠の言うことに従いますわ。」
シルクに連れられて来たのは街を少し離れた山の麓。
シダのような植物が足元に生い茂っている。
「蛇に気を付けてください。毒をもつヤツもいるので。昨日の装備ではとても来れません。」
昨日の装備では足首までのブーツを履いていたが、今は膝下まであるロングブーツだ。
「活動する地域で装備を変えるのは基本です。この辺りの森はどこでも毒を持つ、蛇や大ムカデがいるので注意が必要ですよ。」
なるほどと思いながらも自分の周囲を注意深く見渡す。
その時ガサガサっと音がして50メートル程先の草が揺れるのが分かる。
あー生い茂る草が邪魔だ。
「師匠!この辺りの草は全部刈り取りますね。」
「えっ。待っ・・・・・・」
私は風の魔法で一面の草を刈り取る。
「 そんな事したらもう魔獣も出てこないですよ。」
綺麗になった光景を見て呆れたようにシルクが声を掛ける。
「あっ。すみません。」
「なるほど。ルマは考えるよりも行動が先に来るのですね。では、場所を変えて先に説明しますね。」
そう言うとシルクは私の手を取り転移の術を掛けた。
「ここは?」
「さっきの森の少し奥です。良いですか?一角猪は標的に一気に向かってきます。とても攻撃的です。音がしても向かって来ない魔獣は放って置いて大丈夫です。このまま奥まで歩きましょう。」
二人で奥に進んでいく。その間もシルクは私に一角猪の捕まえ方を説明する。
その時、急に茶色と黒の塊が私たちに向かって突っ込んでくる。一角猪だ。
「ルマ。大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です。」
転移の術で距離を取る。私は慎重に狙いを定め、一角猪の後ろ足に向かって風魔法を放ち後ろ足を切り落とす。一角猪は崩れ落ち、そこでシルクが一角猪を縛り上げた。一角猪は角が売れる為、角を傷付けないように捕る事が大切だ。見ると大きくて立派な角は傷一つない。
「やった。出来ました。シルクありがとう。」
嬉しくてシルクの元に駆け寄る。
シルクは笑顔で「ええ。完璧でしたよ。」と誉めてくれるので嬉しくなる。
「この角はギルドに持って行きましょう。残りの部分は僕の知り合いの店に持っていけばタダで猪肉鍋とご飯を食べさせてくれますよ。」
わーい。お得だ。
「嬉しい。楽しみです。」
一角猪はかなりの大きさだ。その場で皮を剥いで血抜きをして使いやすい大きさに肉をカットする。血抜きなんて作業は初めてなので丁寧に教えて貰った。血抜きが雑だと臭みが残るそうだ。勿論角も切り落とす。
そうして私たちは意気揚々とギルドに赴き、報酬を受け取る。
リンさんはその速さにびっくりしていた。
「半日かからずに倒したんですか?凄すぎです。」
私は笑って手を振って
「シルクさんのご指導が良いんですよ。」と答えておいた。
勝手に食材を探し前世の記憶を頼りに目玉焼きとスープを作る。玉ねぎとニンジン、キャベツを入れたスープはコンソメが無いので味が物足りない。考えて塩漬けの肉を少し入れてみる。
「おー。出汁がでた。美味しい。」
私がキッチンでバタバタしてるのでシルクが起きてきた。
「朝ごはんにしましょう。歯磨きしてきてください。」
そう言うと、テーブルにパンと目玉焼き、スープをセッティングする。
シルクは少し戸惑いながらも私に言われる通りに席に付いた。
「朝食の匂いで目を覚ますなんて久しぶりです。」
「冷めないうちに食べてください。随分久しぶりに作るので、口に合うと良いのですが・・・。」
シルクは短く朝の祈りを口にすると、スープから食べ始めた。
「美味しいです。凄いですね。実家でも料理はしてたのですか?」
「いえ。実家では料理人が居ましたし・・・。」
「そうですか。料理はこれからも期待しても良いですか?」
「はい。元々料理は好きなので・・・。」
「ふふふ。楽しみです。」
シルクとの食事の時間は穏やかに過ぎ、朝食のお礼と言ってシルクが後片付けをしてくれた。
私たちは早速ギルドに向かった。リンさんが明るく出迎えてくれる。
「おはようございます。シルクさん、ルマさん。」
「今日はBランクぐらいの依頼を受けたいんだ。」
リンさんは目を丸くして
「えっ。大丈夫ですか?」と聞いている。
「大丈夫です。昨日模擬戦したので。彼女かなりのものですよ。」
リンさんは紙の束を出してきて、
「これがBランクの依頼の一覧です。」とシルクに渡す。
シルクは紙の束を受け取ると、小さなテーブルとスツールが置いてある場所に移動し、内容を確認している。私はシルクの前のスツールに腰掛け、シルクの顔を眺める。
本当に綺麗な顔だなーなんて眺めてたら、不意に顔を上げて紙を目の前に翳してくる。
「この依頼を受けようと思います。一角猪は毒は無いですが、素早いので捕獲するのはなかなか骨が折れますよ。」
いよいよ冒険者らしい依頼に胸が高鳴る。
「身体を動かすのは大好きです。」
早速ギルドを飛び出そうとする私の腕を掴んで、シルクがニッコリ微笑む。
「僕を置いて行くのは禁止です。大体、どこに生息しているのかも知らないんでしょう?本当に猪突猛進ですね。」
あー。昨日もそんな風なこと言ってたなーと思い了承の意を伝える。
「分かりました。師匠の言うことに従いますわ。」
シルクに連れられて来たのは街を少し離れた山の麓。
シダのような植物が足元に生い茂っている。
「蛇に気を付けてください。毒をもつヤツもいるので。昨日の装備ではとても来れません。」
昨日の装備では足首までのブーツを履いていたが、今は膝下まであるロングブーツだ。
「活動する地域で装備を変えるのは基本です。この辺りの森はどこでも毒を持つ、蛇や大ムカデがいるので注意が必要ですよ。」
なるほどと思いながらも自分の周囲を注意深く見渡す。
その時ガサガサっと音がして50メートル程先の草が揺れるのが分かる。
あー生い茂る草が邪魔だ。
「師匠!この辺りの草は全部刈り取りますね。」
「えっ。待っ・・・・・・」
私は風の魔法で一面の草を刈り取る。
「 そんな事したらもう魔獣も出てこないですよ。」
綺麗になった光景を見て呆れたようにシルクが声を掛ける。
「あっ。すみません。」
「なるほど。ルマは考えるよりも行動が先に来るのですね。では、場所を変えて先に説明しますね。」
そう言うとシルクは私の手を取り転移の術を掛けた。
「ここは?」
「さっきの森の少し奥です。良いですか?一角猪は標的に一気に向かってきます。とても攻撃的です。音がしても向かって来ない魔獣は放って置いて大丈夫です。このまま奥まで歩きましょう。」
二人で奥に進んでいく。その間もシルクは私に一角猪の捕まえ方を説明する。
その時、急に茶色と黒の塊が私たちに向かって突っ込んでくる。一角猪だ。
「ルマ。大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です。」
転移の術で距離を取る。私は慎重に狙いを定め、一角猪の後ろ足に向かって風魔法を放ち後ろ足を切り落とす。一角猪は崩れ落ち、そこでシルクが一角猪を縛り上げた。一角猪は角が売れる為、角を傷付けないように捕る事が大切だ。見ると大きくて立派な角は傷一つない。
「やった。出来ました。シルクありがとう。」
嬉しくてシルクの元に駆け寄る。
シルクは笑顔で「ええ。完璧でしたよ。」と誉めてくれるので嬉しくなる。
「この角はギルドに持って行きましょう。残りの部分は僕の知り合いの店に持っていけばタダで猪肉鍋とご飯を食べさせてくれますよ。」
わーい。お得だ。
「嬉しい。楽しみです。」
一角猪はかなりの大きさだ。その場で皮を剥いで血抜きをして使いやすい大きさに肉をカットする。血抜きなんて作業は初めてなので丁寧に教えて貰った。血抜きが雑だと臭みが残るそうだ。勿論角も切り落とす。
そうして私たちは意気揚々とギルドに赴き、報酬を受け取る。
リンさんはその速さにびっくりしていた。
「半日かからずに倒したんですか?凄すぎです。」
私は笑って手を振って
「シルクさんのご指導が良いんですよ。」と答えておいた。
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