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美味しいお肉を食べました
しおりを挟むその後私たちは、シルクの知り合いの店に来ていた。
知り合いの男性はシルクの幼なじみだそうで、ロンと紹介された。少し色気の漂うタイプだ。
シルクはクールな美少年風だけど、この人は目の下の黒子が色っぽい遊び人風。
「わー。シルクが女の子連れてくるなんて。しかも、眼鏡取るとかなりの美少女でしょ?隠せてないよ。」
私の変装はボロボロの評価だ。
「あんまり見ないでよ。」シルクが私を背後に隠しながら、ロンさんの胸に肉が入った袋を押し付ける。
「はい。残りはやるから、鍋にして食べさせてよ。」
「うおー、一角猪じゃん。お客さんが喜ぶよ。助かる。」
ロンさんは一角猪の肉をかなり喜んで受け取ってくれた。
高級食材で美味しいらしい。
店のお客さんが一角猪の名前を耳にすると
「おー。シルクさん。一角猪の肉持ってきてくれたのか?ロン猪肉鍋注文して良いか?」
「いいよー。15人前ぐらいはあるよー。」
その声を聞いて他のお客さんも猪肉鍋を注文する。
「こっちにも。猪肉鍋4人前。」
「こっちにも。」
「滅多にないからな。今日はラッキーだ。」
店の中がにわかに活気づく。
★☆★
「わぁー、美味しい。あんなにごっつい見た目なのに口の中で脂が蕩けるー。」
猪肉鍋はくせがなく、油も乗っていてとても美味しかった。筋肉質だから火を通しすぎると固くなるらしく、しゃぶしゃぶのようにして食べた。
シルクは何だか上機嫌でニコニコ私を見るので、何だか気恥ずかしい。
シルクを見ると必ず目が合うので、食べることに集中した。
「シルク、ルマさんまた来てね。」
ロンさんに見送られ、店を出る。
食べて温まった体に風が心地よい。
「シルク、朝ごはんの材料を少し買いに行って良いですか?」
「ええ。付き合いますよ。」
シルクと一緒に市場やパン屋を見て回る。シルクの食べ物の好みを聞きながら一通り欲しい物を買うと家に帰った。買った品物を片付けていると、玄関からガタゴト音がしてシルクが出る。
「ベッドを買ったので運んでもらいました。」
すると、男の人が2人入ってきて、ベッドを運んできた。
何だか新婚さんみたいだなーと思いながら、シルクがベッドの設置場所を男の人に説明するのを眺めていた。
リビングに新しいベッドを設置する。
シルクは新しいベッドを私に使うよう勧めてくれたが、リビングで寝起きするのは流石にスリリングだ。寝起きなど見られたくはない。丁寧にお断りし、リビングのベッドはシルクが眠ることになった。
「はい。」
片付けが終わるとシルクから丁寧に包んである箱を渡される。
開けるとそこにはでっかい顔の半分が隠れるようなサングラスが入っていた。
「ルマの眼鏡は変装になっていません。街に行くときには必ずつけて下さい。」
「ありがとうございます。」
大きすぎるなーと思いながらも受けとる。
私がサングラスを掛けるとシルクは納得したように頷いて、お風呂に向かっていった。
こんな風になし崩しで男の人と暮らしていいのかしら?とぼんやり思うが、一人では心細い。
下心があるなら私の装備を整えたり、鍛えたりはしないと思う。
悩むのが苦手な私は考えるのを放棄した。
そうして、シルクと私の同居は始まった。
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