悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい

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魔女に会いました

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公爵家に戻り、今晩はゆっくり休むことになった。
ルイルイの封印は早くした方が良い。被害者が出る前に。
魔女になってしまったルイルイを思い浮かべる。
まだ自我は残ってる?
大切な人の事は覚えてる?
彼女は何をそんなに憎んだのだろう。

色んな事が頭の中を巡る。おそらく転生した彼女はその運命に善悪を判断する能力を失い、心を黒く染めたのだ。
彼女に同情して彼女が元に戻るための方法を探して、街の住民を危険に晒す?無理だ。
私には街の人達をゲームの登場人物やモブのようには感じない。一人一人に生活があって、命がある。
 私には彼女を封印する力はない。
シルクの下す判断に任せよう。

ふと窓の外を見る。前世に見た月よりも一回り大きく赤寄りのオレンジ色をしていて迫力がある。



魔女の後ろに赤い月が見える、そんなスチルを見た気がする。

今日の月はまだ赤くない。

興奮と緊張で昂っている心は落ち着くこと無く、眠れない。ふと庭を見ると、シルクが見えた。考えるより先に転移していた。 
「シルク。」
「ルマ?どうして。」
「シルクが見えたから出て来ちゃった。」
シルクは突然目の前に現れた私を見て驚いている。
「そんな格好で出て来ては駄目ですよ。」
夜着でいることを忘れていた。
「直ぐ戻るわ。いつもシルクの近くに居るから離れると落ち着かなくて。」
思いきってシルクに抱きつくとすぐに離れて自室に転移した。

自分の部屋のベッドに潜り込む。ドキドキと胸が高鳴る。シルクに抱きついた時の感触と匂いが頭から離れない。

魔女の事、これからの事を考えると不安でしかたがなかった。そんな時にシルクを見たら傍に行って触れたくなってしまった。
シルクに触れただけで、モヤモヤした不安が消え、少し眠れそうだ。



・・・・・・ルマが眠りについた頃、庭で固まっていたシルクは漸く動き出した。


翌朝、スッキリと目覚めた私は父の執務室に来ていた。
「お願いします。」
私は危険が迫っている現状について父に説明し、もしもの時は一般人が巻き込まれないよう、公爵家の別邸を緊急時の避難場所として解放してもらえるようお願いしていた。
「分かった。もしもの時はルマの言うようにしよう。」
父は昔と変わらない優しい瞳で私を見つめる。
「ルマ、君自身もとても大事なんだよ。くれぐれも無茶はしないように。どうか自分を大切にしてくれ。」
きっと勝手に家を出た私を沢山心配しただろう。父の心を思うと胸が痛い。 

「シルク殿とも話をしたい。」

父はそう言うと、シルクと二人で執務室に籠り話をしていた。
    

★☆★☆★☆★☆


「この辺りでしたよね。」
私はシルクとベンとチャーと共に魔女を見た場所に来ていた。
洞窟は何処にあるのだろう?
辺りを探していると
「ロ"ッテルマリ"ア"!」
おぞましい声が聞こえる。
振り向くとルイルイが此方を睨み付けていた。
服は薄汚れて所々破け、素足は小さな傷がいっぱい付いている。髪も瞳も黒く染まり面影はない。
声すらも可愛らしい鈴の鳴るような声ではない。全てが変わってしまった。
私の事を覚えているなら話は通じるかも、そう思った瞬間辺りは暗闇に包まれた。
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