悪役令嬢はSランク冒険者の弟子になりヒロインから逃げ切りたい

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(後日談)シルクが姫と踊ります

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私たちは王宮舞踏会に参加している。
大勢の視線がシルクと私に注がれる。シルクはその端正な顔立ちに加え、優雅な所作で何処かの国の王子だと言われても違和感は無いだろう。
いつもの冒険者装備を見慣れている私は胸が高鳴り、必要以上に赤くなって困る。

それでも昔受けていた王妃教育の賜物で、私も表情に出すことは無く、品良く寄り添う体をとる。

ファーストダンスは勿論シルクと踊る。シルクのリードは力強く、安心して身を任せられる。
シルクは熱の籠った視線で私を見つめる。
「綺麗です、ルマ。」
結婚して何度身体を重ねても好き過ぎて困る。目を合わせるだけでも胸が高鳴って恥ずかしい。
「ヒル王国の王太子ともこうやって身体を寄せて踊っていたのかと思うと妬けます。」
「私はシルクが初恋なの。」そっと囁く。
シルクは満足してダンスの最後に
「ありがとう。僕の全てはルマのものです。」
と言って身体を離した。

ダンスが終わるとシルクに国王が話し掛けてきた。
「私の娘のリンセイだ。一曲誘ってやってはくれないか?」
リンセイと紹介された王女は輝くそうな空色の髪に碧の瞳、若さが弾けるような笑顔の可愛い少女だった。
シルクは恭しく手を差し出して跪ずく。
「リンセイ王女、僕と一曲踊っては頂けませんか?」
「シルクレン様、喜んで。」
リンセイ王女が頬を染め手を重ねる。
二人はフロアの中央に進み出てダンスを踊る。
美男美女のダンスは注目の的だ。フロア中の視線が集まる。
リンセイ王女は頬を染め目を潤ませてシルクを見つめる。シルクも微笑んでリンセイ王女を見つめている。
私は二人を見ていて胸の奥がモヤッとするのを押さえられない。

ふと、気付くと私の側にもがっしりとした体格の男性が立っている。私の前で跪ずきダンスに誘う。
「ロッテルマリア様、貴女と踊る名誉を私に与えて頂けませんか?」
男性は黒髪黒目で整った顔立ち。男らしいが立ち振舞いが洗練されている。
「喜んでお受けしますわ。」
私も男性にエスコートされフロアに進み出る。
次の曲が始まるタイミングを待って踊り出す。
この男性もシルク程ではないがリードが上手く安心して踊ることが出来た。

男性とのダンスが終わると私の視界の端にシルクと王女が会場を連れ立って出ていくのが見えた。リンセイ王女はシルクに自分の腕を絡めて胸を肘に押し付けるようにして寄り添っている。くっつき過ぎじゃない?
私の胸のモヤモヤが濃くなる。

「ロッテルマリア様、お疲れでしょう?お飲み物は如何ですか?」
さっきの男性から果実水を受け取る。
本当に大丈夫かなーと思いながらも一気に飲み干した。
「丁度喉が乾いていたんです。美味しい。」
「それは良かった。」男性はニコニコしている。
私は額に手を当てて
「何だかふらつくようです。」と話すと男性は
「それは大変です。休憩室までご案内致します。」と言って休憩室に連れてきてくれた。

「ここに座っていてください。誰か呼んできますね。」
男性にソファーに座るよう促される。私はソファーに凭れるとそのまま目を閉じた。
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