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第3話 あやかしに襲われた遺体
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男の目の前には、白髪の長髪をした男がぼんやりと立っている。
「申し訳ありませんが、お腹が空いてしまっているのでね」
白髪の男は青い瞳をぎらつかせながら、男の心臓めがけて手を伸ばす。
「あ……」
心臓を食われた男はそのまま崩れ落ちるようにして息絶えた。
「ふふ、ごちそうさまでした。では宮廷に戻りましょうか」
白髪の男は後ろ手を組み、靄のように姿を消していった。
◇ ◇ ◇
早朝。太陽が地平線から顔を出し、大地を熱い日差しで照り付けていく。起床した桃玉はかけ布団を三つ折りにして畳み、服を着替えて早速朝食づくりに励もうとしていた所、おじからの書置きが食卓の上に置かれてあるのを見つけた。
「いつも助かる……」
朝食づくりは済ませておいたので残りをおばと桃玉の2人で食べるようにと、書置きには記されていた。
夏になると気温が上がるので、おじはいつもよりも早めに起床して気温の低い夜明け前に農作業をあらかた終えるのが日課となる。暑くない春秋冬はその限りではない。朝食も準備してくれるので桃玉は助かっていた。
「桃玉、おはよう……」
「おばさん、おはよう。今日は自力で起きれたのね」
「ええ、今日は体調が良いのでね……桃玉ちゃん、いつもありがとうね」
おばの体調がひどい時は、桃玉が起こしてやっている。しかし今日は体調が良かった為、おばは桃玉の力を借りず1人で起床する事が出来たのだった。
「おばさん、朝ご飯食べる? おじさんが作ってくれてるのを温めるだけだからすぐ出来るよ」
「ええ、じゃあ頂きましょうか」
「大変だあ!」
いきなりおじが飛び込むようにして桃玉とおばの元へと駆け寄って来た。おじの顔は真っ青になり、全身を震え上がらせている。
「おじさん! どうしたの?」
「あやかしに襲われたと思わしき……男の遺体があがったそうだ……! 今、それで騒ぎになってて!」
「……っ!」
あの桃玉の両親と林夫人亡きあと、あやかしに襲われたと思わしき事例はこの村では起こっていなかった。それゆえに桃玉も驚きと恐怖の入り混じった表情を浮かべる。
「な、なんで今頃……?」
桃玉の独り言が空虚に響く。
(どうして? あれから何もなかったはずなのに……今になって……!)
桃玉とおばは朝食の小さく切り刻まれた葉野菜の入ったおかゆをかきこむと、おじと共にその現場へと向かった。
おばは歩くのが難しい為、桃玉がおばを背負って移動する。
「桃玉ちゃん、重くないですか……?」
「全然!」
(おばさん、最近また痩せたかも……薪を背負うよりも軽くなった気がする)
「ここだ!」
目の前にはすでに野次馬が形成されていた。野次馬をかき分けるようにして前へと移動すると、そこには中年くらいの農民の遺体と、遺体を詳しく調査している役人がいた。
その農民の遺体は桃玉の両親と林夫人と同じように、左胸付近に穴が開いていた。
「ああ、これは……林夫人様を殺したあやかしと同じ手口ではないか……?」
「またあやかしが、この村に……!」
「ああ、殺されたくない。殺されたくない……!」
野次馬は皆、恐怖に顔を歪ませていた。
「申し訳ありませんが、お腹が空いてしまっているのでね」
白髪の男は青い瞳をぎらつかせながら、男の心臓めがけて手を伸ばす。
「あ……」
心臓を食われた男はそのまま崩れ落ちるようにして息絶えた。
「ふふ、ごちそうさまでした。では宮廷に戻りましょうか」
白髪の男は後ろ手を組み、靄のように姿を消していった。
◇ ◇ ◇
早朝。太陽が地平線から顔を出し、大地を熱い日差しで照り付けていく。起床した桃玉はかけ布団を三つ折りにして畳み、服を着替えて早速朝食づくりに励もうとしていた所、おじからの書置きが食卓の上に置かれてあるのを見つけた。
「いつも助かる……」
朝食づくりは済ませておいたので残りをおばと桃玉の2人で食べるようにと、書置きには記されていた。
夏になると気温が上がるので、おじはいつもよりも早めに起床して気温の低い夜明け前に農作業をあらかた終えるのが日課となる。暑くない春秋冬はその限りではない。朝食も準備してくれるので桃玉は助かっていた。
「桃玉、おはよう……」
「おばさん、おはよう。今日は自力で起きれたのね」
「ええ、今日は体調が良いのでね……桃玉ちゃん、いつもありがとうね」
おばの体調がひどい時は、桃玉が起こしてやっている。しかし今日は体調が良かった為、おばは桃玉の力を借りず1人で起床する事が出来たのだった。
「おばさん、朝ご飯食べる? おじさんが作ってくれてるのを温めるだけだからすぐ出来るよ」
「ええ、じゃあ頂きましょうか」
「大変だあ!」
いきなりおじが飛び込むようにして桃玉とおばの元へと駆け寄って来た。おじの顔は真っ青になり、全身を震え上がらせている。
「おじさん! どうしたの?」
「あやかしに襲われたと思わしき……男の遺体があがったそうだ……! 今、それで騒ぎになってて!」
「……っ!」
あの桃玉の両親と林夫人亡きあと、あやかしに襲われたと思わしき事例はこの村では起こっていなかった。それゆえに桃玉も驚きと恐怖の入り混じった表情を浮かべる。
「な、なんで今頃……?」
桃玉の独り言が空虚に響く。
(どうして? あれから何もなかったはずなのに……今になって……!)
桃玉とおばは朝食の小さく切り刻まれた葉野菜の入ったおかゆをかきこむと、おじと共にその現場へと向かった。
おばは歩くのが難しい為、桃玉がおばを背負って移動する。
「桃玉ちゃん、重くないですか……?」
「全然!」
(おばさん、最近また痩せたかも……薪を背負うよりも軽くなった気がする)
「ここだ!」
目の前にはすでに野次馬が形成されていた。野次馬をかき分けるようにして前へと移動すると、そこには中年くらいの農民の遺体と、遺体を詳しく調査している役人がいた。
その農民の遺体は桃玉の両親と林夫人と同じように、左胸付近に穴が開いていた。
「ああ、これは……林夫人様を殺したあやかしと同じ手口ではないか……?」
「またあやかしが、この村に……!」
「ああ、殺されたくない。殺されたくない……!」
野次馬は皆、恐怖に顔を歪ませていた。
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