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第51話 梓晴の遺体とその共通点、広がる動揺
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龍環の手を握り、現場へと駆ける桃玉。しばらく闇夜を駆け続ける。
そして宦官の足が止まり灯篭を地面に向けると、女の遺体が現れた。
「これが……! あ、あれは……!」
「桃玉?」
服をまとっていない全裸の女の遺体はうなじの下付近からばっさりと髪の毛が切られ、ざんばらの髪型となっていた。そして左胸にはぽっかりと穴が開いている。
(……この穴、両親や林夫人達と同じ……!)
桃玉らが遺体を見ていると、遺体はすぐさま宦官達によって即席の担架に乗せられた。遺体を見ていた桃玉と龍環の顔はどちらも青ざめている。
「……見つかりましたね」
「ああ、そうだな……生きて帰る事は叶わなかったか。今から検死を行う。準備を進めよ!」
担架に乗せられた遺体は宦官により死亡確認が施され、龍環達は合掌した。
(もしかして、両親をおそったあやかしと同じ……?)
「陛下、仰せのままに!」
宦官らに指示を出し終えた後、口をぎゅっと悔しそうに結ぶ龍環。彼の様子を手を握りしめながら桃玉は見るほかなかった。
◇ ◇ ◇
お茶会は急遽お開きとなり、龍環と宦官達に照天宮まで送り届けられた桃玉は彼らに頭を下げる。
「ここまで送り届けてくださりありがとうございました……」
「礼はいらない。何が起こるか分からないからな……君に何かあったら困る」
(あやかしを浄化させるという使命が私にはあるものね)
「龍環様もお気をつけてください」
「ああ、気遣いありがとう。では俺は戻るよ。あの遺体の検死や調査を行わないといけないからね」
踵を返して早歩きで足を進める龍環の背中を桃玉は不安そうに見ていたのだった。
「桃玉様、おかえりなさいませ!」
照天宮の玄関にて女官達が桃玉を笑顔で出迎えてくれた。遺体が見つかったのを知らない彼女達はお茶会どうでしたか? と興味津々で桃玉に尋ねて来る。
そんな彼女達に桃玉はお茶会で起こった出来事を話そうか話すまいかと少し迷ったのち、正直に切り出す事に決めた。
「実は、女性の遺体が見つかったんです」
「えっ……」
一瞬にして動揺が女官達の間に広まっていく。
「もしかして、梓晴の……」
「やっぱり、だめだったのね……」
「皆さん……! これから検死を行うようなので……誰の遺体か分かるのはそれからだと思います」
動揺が広がる周囲を鎮めるように桃玉が告げた言葉は、女官達の胸にしみわたっていった。
「そ、そうですよね……まだ梓晴のものだと決まったわけではないですよね……」
「すみません、早とちりを……」
(裸の状態で服は何も着ていなかったからなあ……梓晴の友人が顔を見たらすぐわかると思うけれど)
それから時間は過ぎ深夜。自室にて就寝していた桃玉だったが、廊下から聞こえてくる悲痛な泣き声で目を覚ました。
「桃玉様、お目覚めですか?」
「あの、泣き声は……」
「やはり見つかった遺体は梓晴のものだったようです。彼女の友人達が遺体を確認した、と……」
(やっぱりあの遺体は梓晴の……)
女官の話によれば友人達は検死に召喚され、確認した所梓晴の遺体だと判明したという。友人のうち2人は動けなくなるくらいに泣き崩れた為に宦官達が抱えて照天宮まで送迎したのだった。
検死の結果、梓晴の身体からは心臓が綺麗にくり抜かれていた事が判明している。これが致命傷である事も判明した。
「そうだったのですか……それで、犯人は……」
「まだ判明しておりません。あやかしの仕業だという声もちらほら起こっています」
女官からの言葉に、桃玉はごくりとつばを飲み込んだ。
◇ ◇ ◇
桃玉が目醒めて女官と話していたのと同じ時。朱龍宮にある女官の部屋に、白い長髪の宦官が訪れていた。
「ぐっ……りー、ふ、さ……」
白い長髪の宦官により、左胸を貫かれた若き女官はそのまま彼に抱かれるようにして絶命した。白い長髪の宦官はそのまま心臓をもぎ取り口にする。
「やはり、若い女の心臓は美味しいですね。食べ残しはちゃんと綺麗にしておきましょう」
白い長髪の宦官が右手を手刀のようにして上下へと振ると自身の身体や周囲に広がっていた血は全て消えていく。
「ごちそうさまでした。さて、はやく戻らねば」
白い長髪の宦官は、女官の部屋の扉に鍵を閉めると、暗闇の虚空に吸い込まれるようにして姿を消していった。
◇ ◇ ◇
翌朝。桃玉はあくびをしながら目覚める。女官が用意してくれていたお白湯を飲みながら椅子に腰掛けた。
「ふわあ……」
「体調はいかがですか?」
「昨日よりかはましだけど、まだ腰が痛いなぁ……ちょっとお手洗いいってきます」
「ご同行いたしましょう」
お手洗いを済ませ、着替えたら朝食の雑炊をかきこみつつ女官の手によりお化粧と髪結いが施されていく。
「あいたっ!」
髪結いの途中、女官がかんざしの先端を誤って桃玉の頭皮に思いっきり突き刺してしまった。女官は謝り、桃玉は気にしないでください。と答える。
(皆、動揺してるのかな……もし、両親や林夫人達を殺したあやかしが後宮にいたら、どうしよう……)
「桃玉様!」
1人の女官が慌てて部屋へと飛び込んできた。
そして宦官の足が止まり灯篭を地面に向けると、女の遺体が現れた。
「これが……! あ、あれは……!」
「桃玉?」
服をまとっていない全裸の女の遺体はうなじの下付近からばっさりと髪の毛が切られ、ざんばらの髪型となっていた。そして左胸にはぽっかりと穴が開いている。
(……この穴、両親や林夫人達と同じ……!)
桃玉らが遺体を見ていると、遺体はすぐさま宦官達によって即席の担架に乗せられた。遺体を見ていた桃玉と龍環の顔はどちらも青ざめている。
「……見つかりましたね」
「ああ、そうだな……生きて帰る事は叶わなかったか。今から検死を行う。準備を進めよ!」
担架に乗せられた遺体は宦官により死亡確認が施され、龍環達は合掌した。
(もしかして、両親をおそったあやかしと同じ……?)
「陛下、仰せのままに!」
宦官らに指示を出し終えた後、口をぎゅっと悔しそうに結ぶ龍環。彼の様子を手を握りしめながら桃玉は見るほかなかった。
◇ ◇ ◇
お茶会は急遽お開きとなり、龍環と宦官達に照天宮まで送り届けられた桃玉は彼らに頭を下げる。
「ここまで送り届けてくださりありがとうございました……」
「礼はいらない。何が起こるか分からないからな……君に何かあったら困る」
(あやかしを浄化させるという使命が私にはあるものね)
「龍環様もお気をつけてください」
「ああ、気遣いありがとう。では俺は戻るよ。あの遺体の検死や調査を行わないといけないからね」
踵を返して早歩きで足を進める龍環の背中を桃玉は不安そうに見ていたのだった。
「桃玉様、おかえりなさいませ!」
照天宮の玄関にて女官達が桃玉を笑顔で出迎えてくれた。遺体が見つかったのを知らない彼女達はお茶会どうでしたか? と興味津々で桃玉に尋ねて来る。
そんな彼女達に桃玉はお茶会で起こった出来事を話そうか話すまいかと少し迷ったのち、正直に切り出す事に決めた。
「実は、女性の遺体が見つかったんです」
「えっ……」
一瞬にして動揺が女官達の間に広まっていく。
「もしかして、梓晴の……」
「やっぱり、だめだったのね……」
「皆さん……! これから検死を行うようなので……誰の遺体か分かるのはそれからだと思います」
動揺が広がる周囲を鎮めるように桃玉が告げた言葉は、女官達の胸にしみわたっていった。
「そ、そうですよね……まだ梓晴のものだと決まったわけではないですよね……」
「すみません、早とちりを……」
(裸の状態で服は何も着ていなかったからなあ……梓晴の友人が顔を見たらすぐわかると思うけれど)
それから時間は過ぎ深夜。自室にて就寝していた桃玉だったが、廊下から聞こえてくる悲痛な泣き声で目を覚ました。
「桃玉様、お目覚めですか?」
「あの、泣き声は……」
「やはり見つかった遺体は梓晴のものだったようです。彼女の友人達が遺体を確認した、と……」
(やっぱりあの遺体は梓晴の……)
女官の話によれば友人達は検死に召喚され、確認した所梓晴の遺体だと判明したという。友人のうち2人は動けなくなるくらいに泣き崩れた為に宦官達が抱えて照天宮まで送迎したのだった。
検死の結果、梓晴の身体からは心臓が綺麗にくり抜かれていた事が判明している。これが致命傷である事も判明した。
「そうだったのですか……それで、犯人は……」
「まだ判明しておりません。あやかしの仕業だという声もちらほら起こっています」
女官からの言葉に、桃玉はごくりとつばを飲み込んだ。
◇ ◇ ◇
桃玉が目醒めて女官と話していたのと同じ時。朱龍宮にある女官の部屋に、白い長髪の宦官が訪れていた。
「ぐっ……りー、ふ、さ……」
白い長髪の宦官により、左胸を貫かれた若き女官はそのまま彼に抱かれるようにして絶命した。白い長髪の宦官はそのまま心臓をもぎ取り口にする。
「やはり、若い女の心臓は美味しいですね。食べ残しはちゃんと綺麗にしておきましょう」
白い長髪の宦官が右手を手刀のようにして上下へと振ると自身の身体や周囲に広がっていた血は全て消えていく。
「ごちそうさまでした。さて、はやく戻らねば」
白い長髪の宦官は、女官の部屋の扉に鍵を閉めると、暗闇の虚空に吸い込まれるようにして姿を消していった。
◇ ◇ ◇
翌朝。桃玉はあくびをしながら目覚める。女官が用意してくれていたお白湯を飲みながら椅子に腰掛けた。
「ふわあ……」
「体調はいかがですか?」
「昨日よりかはましだけど、まだ腰が痛いなぁ……ちょっとお手洗いいってきます」
「ご同行いたしましょう」
お手洗いを済ませ、着替えたら朝食の雑炊をかきこみつつ女官の手によりお化粧と髪結いが施されていく。
「あいたっ!」
髪結いの途中、女官がかんざしの先端を誤って桃玉の頭皮に思いっきり突き刺してしまった。女官は謝り、桃玉は気にしないでください。と答える。
(皆、動揺してるのかな……もし、両親や林夫人達を殺したあやかしが後宮にいたら、どうしよう……)
「桃玉様!」
1人の女官が慌てて部屋へと飛び込んできた。
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