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第78話 力分との決戦②
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「おはようございます。私をご存知なようで。さすがは仙女と褒めるべきですね」
空中に浮かぶ力分の姿は四肢がオオカミのような姿に変化しており、口元からは牙が4つのぞかせていた。更に白い蛇の尻尾に背中には灰色がかった白い鳥の翼が生えている。
「化蛇……現れた土地には洪水が押し寄せると言う。これは強敵中の強敵じゃ、気を付けい!」
桃婆の叫びと同時に雨の勢いが更に増し、古戦場のあちこちに水たまりが出来ていく。
「それ君の本当の姿か、力分!」
「ここは正々堂々、本当の姿を見せるべきだと思いましてねえ。ちなみにこの身体はある道士の死体を使っております。入手するまで6年費やしたこの身体はこれまで使って来た身体の中で一番なじみが良くてねえ……くっくっくっく!」
(6年……?)
桃玉の両親が殺されてから、村人がまた同じような手口で死んだ間はちょうど6年である。その事に気が付いた桃玉はまさか……。と呟いた。
「ちょっと聞きたいのだけど。私の母親を殺しに来た時、道士に追われていたって言ってたわよね? その道士が今の肉体なの?」
「桃玉様、ご名答でございます」
にやりと笑う力分。彼の背後で雷が走り雷鳴がとどろく。降りしきる豪雨によって地面はぬかるみ、沼のような上程へと変わっていた。
(これ以上はまずい、何とか天候をどうにかしないと)
桃玉は天へ向けて弓を射る姿勢を見せ、浄化の光を矢に変えて天へと放った。矢が通った箇所にある雨雲が綺麗に裂けて雨足が弱まる。
「っ……だが無駄ですよ。この程度で……」
「桃玉、雨雲はワシに任せよ! そなたは力分を!」
「はい!」
「はははっ!」
力分が右手を振り払うような動きを見せると、黒い雷のようなものが桃玉の方へと解き放たれた。すると龍環が剣を構えて黒い雷を受け止める。
黒い雷は剣に当たると力分の方へと跳ね返る。
「ぐうっ!」
運悪く回避しきれず翼に黒い雷が当たった力分は、墜落しそうになるもなんとか踏ん張った。桃婆は何度も何度も浄化の矢を空へと放ち、雨雲を裂き続けていく。踏ん張って体勢を立て戻そうとしている力分の身体へ、桃玉は狙いを定めた。
「はっ」
勢いよく矢を放つ桃玉。しかしその矢を力分は腕で防いだ。がっ! という衝撃音が周囲に響く。
「無駄ですよ!」
(だけど……まだ1回打っただけ)
「桃玉、あきらめるな!」
「はい!」
もう一度弓を射る姿勢を取ると、すかさず浄化の矢を放つ桃玉。そして龍環はどう剣で力分の身体を斬りつけようかと思案していた所、玉琳が龍環の服の裾を握る。
「私が連れていくよ。お母さんは桃婆の陰に隠れていて」
「……いいのか?」
「陛下、私には構わず。玉琳、頼んだ!」
「うん! 陛下、捕まって!」
玉琳は龍環の腕を握ると足で地面をけって空へと浮かんだ。龍環も空へと舞い上がると力分めがけて剣の切っ先を向ける。
「愚かな。飛んで火にいるなんとやらではないですか」
「隙あり!」
すかさず桃玉が浄化の矢をいる。しかし彼女の体力は浄化の矢の連射により限界に近づいてきていた。彼女の様子に気が付いた美琳は急いで白仙桃を用意し、皮を短刀で剥き桃玉の口元に持っていく。
「桃玉さん、かじって」
「はい……むしゃむしゃ……ん、体力戻ってきました!」
桃玉は再度、浄化の矢を体勢を立て直し翼をはためかせて飛び回る力分に向けて射続ける。いつの間にか会得していた隠密の術を使う玉琳の腕に捕まって空を飛ぶ龍環は、後ろから力分の右翼に狙いをつけた。
「陛下、今!」
「わかった!」
滑空するかのように力分の翼を狙い、剣で斬りつける。気が付いた力分が翼で2人を叩き落そうとするも、龍環の剣の方が早かったようだ。
「がああっ!」
力分の右翼の3分の1がばっさりと斬られた事で、力分はふらふらとまた体勢を崩しながら落ちていく。桃婆の奮闘により雨雲はちょうどほとんどなくなり、空には太陽が光を放っていた。
「よし、ワシも加勢しようかの」
桃婆は矢の向きを空から力分へと変えた。桃玉と桃婆の2人がかりで浄化の矢を連射し続ける。
「がっ……! 回避が……間に合わない!」
さきほどまで纏っていた余裕は、今の力分にはすっかりなくなっていた。斬られた翼は徐々に再生していくもそこを桃婆に射られ、より傷を深くさせていく。さらに翼を斬られた事で飛行能力を失いつつあった。
「陛下、もっと翼を斬って!」
「わかった! ていうか君思ったより術使えるんだな?」
「桃婆がしてるの盗み見してただけだよ」
(盗み見だけで会得するなんて能力が高いんだな)
桃玉は再度美琳から白仙桃を受け取り、食べながら矢を放つ。何度も身体に浄化の矢を受けた力分は悔しそうに唇をかんだ。
「なぜ私の邪魔をするのです! あやかしは他にもたくさんいるではないですか! なぜ私を!」
力分の叫びに桃玉はぎっと目に力を込めた。
「邪魔も何も……あなたは悪しきあやかしである以上、浄化させなければならないのです!」
叫びと共にありったけの力を込めて浄化の矢を射る桃玉。よけようとする力分の身体を龍環が剣で押しとどめる。
「おとなしく浄化されな。力分」
「が……わ、私は……」
「君は悪しきあやかし。おとなしくあきらめるんだな」
浄化の矢が力分の心臓に当たると、彼の身体は浄化の矢から分裂した光の球に囲まれる。そして天へと導かれるようにして浄化されていった。
空中に浮かぶ力分の姿は四肢がオオカミのような姿に変化しており、口元からは牙が4つのぞかせていた。更に白い蛇の尻尾に背中には灰色がかった白い鳥の翼が生えている。
「化蛇……現れた土地には洪水が押し寄せると言う。これは強敵中の強敵じゃ、気を付けい!」
桃婆の叫びと同時に雨の勢いが更に増し、古戦場のあちこちに水たまりが出来ていく。
「それ君の本当の姿か、力分!」
「ここは正々堂々、本当の姿を見せるべきだと思いましてねえ。ちなみにこの身体はある道士の死体を使っております。入手するまで6年費やしたこの身体はこれまで使って来た身体の中で一番なじみが良くてねえ……くっくっくっく!」
(6年……?)
桃玉の両親が殺されてから、村人がまた同じような手口で死んだ間はちょうど6年である。その事に気が付いた桃玉はまさか……。と呟いた。
「ちょっと聞きたいのだけど。私の母親を殺しに来た時、道士に追われていたって言ってたわよね? その道士が今の肉体なの?」
「桃玉様、ご名答でございます」
にやりと笑う力分。彼の背後で雷が走り雷鳴がとどろく。降りしきる豪雨によって地面はぬかるみ、沼のような上程へと変わっていた。
(これ以上はまずい、何とか天候をどうにかしないと)
桃玉は天へ向けて弓を射る姿勢を見せ、浄化の光を矢に変えて天へと放った。矢が通った箇所にある雨雲が綺麗に裂けて雨足が弱まる。
「っ……だが無駄ですよ。この程度で……」
「桃玉、雨雲はワシに任せよ! そなたは力分を!」
「はい!」
「はははっ!」
力分が右手を振り払うような動きを見せると、黒い雷のようなものが桃玉の方へと解き放たれた。すると龍環が剣を構えて黒い雷を受け止める。
黒い雷は剣に当たると力分の方へと跳ね返る。
「ぐうっ!」
運悪く回避しきれず翼に黒い雷が当たった力分は、墜落しそうになるもなんとか踏ん張った。桃婆は何度も何度も浄化の矢を空へと放ち、雨雲を裂き続けていく。踏ん張って体勢を立て戻そうとしている力分の身体へ、桃玉は狙いを定めた。
「はっ」
勢いよく矢を放つ桃玉。しかしその矢を力分は腕で防いだ。がっ! という衝撃音が周囲に響く。
「無駄ですよ!」
(だけど……まだ1回打っただけ)
「桃玉、あきらめるな!」
「はい!」
もう一度弓を射る姿勢を取ると、すかさず浄化の矢を放つ桃玉。そして龍環はどう剣で力分の身体を斬りつけようかと思案していた所、玉琳が龍環の服の裾を握る。
「私が連れていくよ。お母さんは桃婆の陰に隠れていて」
「……いいのか?」
「陛下、私には構わず。玉琳、頼んだ!」
「うん! 陛下、捕まって!」
玉琳は龍環の腕を握ると足で地面をけって空へと浮かんだ。龍環も空へと舞い上がると力分めがけて剣の切っ先を向ける。
「愚かな。飛んで火にいるなんとやらではないですか」
「隙あり!」
すかさず桃玉が浄化の矢をいる。しかし彼女の体力は浄化の矢の連射により限界に近づいてきていた。彼女の様子に気が付いた美琳は急いで白仙桃を用意し、皮を短刀で剥き桃玉の口元に持っていく。
「桃玉さん、かじって」
「はい……むしゃむしゃ……ん、体力戻ってきました!」
桃玉は再度、浄化の矢を体勢を立て直し翼をはためかせて飛び回る力分に向けて射続ける。いつの間にか会得していた隠密の術を使う玉琳の腕に捕まって空を飛ぶ龍環は、後ろから力分の右翼に狙いをつけた。
「陛下、今!」
「わかった!」
滑空するかのように力分の翼を狙い、剣で斬りつける。気が付いた力分が翼で2人を叩き落そうとするも、龍環の剣の方が早かったようだ。
「がああっ!」
力分の右翼の3分の1がばっさりと斬られた事で、力分はふらふらとまた体勢を崩しながら落ちていく。桃婆の奮闘により雨雲はちょうどほとんどなくなり、空には太陽が光を放っていた。
「よし、ワシも加勢しようかの」
桃婆は矢の向きを空から力分へと変えた。桃玉と桃婆の2人がかりで浄化の矢を連射し続ける。
「がっ……! 回避が……間に合わない!」
さきほどまで纏っていた余裕は、今の力分にはすっかりなくなっていた。斬られた翼は徐々に再生していくもそこを桃婆に射られ、より傷を深くさせていく。さらに翼を斬られた事で飛行能力を失いつつあった。
「陛下、もっと翼を斬って!」
「わかった! ていうか君思ったより術使えるんだな?」
「桃婆がしてるの盗み見してただけだよ」
(盗み見だけで会得するなんて能力が高いんだな)
桃玉は再度美琳から白仙桃を受け取り、食べながら矢を放つ。何度も身体に浄化の矢を受けた力分は悔しそうに唇をかんだ。
「なぜ私の邪魔をするのです! あやかしは他にもたくさんいるではないですか! なぜ私を!」
力分の叫びに桃玉はぎっと目に力を込めた。
「邪魔も何も……あなたは悪しきあやかしである以上、浄化させなければならないのです!」
叫びと共にありったけの力を込めて浄化の矢を射る桃玉。よけようとする力分の身体を龍環が剣で押しとどめる。
「おとなしく浄化されな。力分」
「が……わ、私は……」
「君は悪しきあやかし。おとなしくあきらめるんだな」
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