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第六章 司法局実働部隊男子下士官寮
酒と野球と
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「ほんじゃあ、ぼちぼち始めっとすっか」
ランはそう言うと誠の部屋に向かう。かなめもそれを見るとタバコをもみ消してそのあとに続いた。
「置いてかないでよ!」
なんちゃって小学生スタイルのシャムは彼らに無視されているのに気がついて三人を追いかけた。
誠が自分の部屋の扉を開くといつの間にか吉田までが当然というようにそこに胡坐をかいていた。彼はアイシャが開いている誠のスケッチブックをにやけながら覗き込んでいた。
『ビール到着しました!』
島田は瓶、サラは缶のケースを抱えて誠の部屋に転がり込む。さらにその後ろには草野球クラブの一員である管理部の経理課長菰田邦弘曹長がコップを持って入ってきた。
「はーい!ビール行きたい人!」
サラの声に誠と吉田が素早く手を上げる。
アイシャはようやく誠の描く美少女系の絵から目を離して手を上げた。それを眺めていたパーラも手を上げる。
菰田は彼らにコップを配って回る。そして瓶の栓を開けている島田からビールを受け取ったサラは次々とビールを注いで回った。
「あの、いつも思うんですけど吉田少佐?何処から入ったんですか?」
誠が至極まっとうな質問をする。
吉田はビールを一口で飲み干すとすぐ窓のほうを指す。閉められた窓の下にはロープが一本落ちている。
「吉田……。オメーには玄関から入るいう発想はねーんか?」
菰田のコップに日本酒を注ぎながらランの甲高い声が響く。
「ちっちゃいの。人生は楽しまなきゃねえ」
そう言いながら吉田は島田に空のコップを差し出す。仕方ないというように島田がビールを注いだ。入り口の近くに座って日本酒を飲んでいる菰田の後ろに現れたシャムが、サラから耳うちをされるとそのまま部屋を出て消えていくのが誠にも見えた。
八畳の部屋に集まった人の熱気に誠は気付いた。そしてエアコンのリモコンを取りに本棚に背を持たれかけて日本酒を飲んでいるかなめの背後の棚に手を伸ばした。
誠とかなめの視線が合った。彼女は一口日本酒を口に含んで立ち上がった。
「今頃暑さに気づきやがって。罰だ。神前!とりあえず飲め!イッキだ!」
かなめが吉田が自分用に確保してあるビールの缶を横取りすると、誠の頬に突きつけてそう叫んだ。全員が嫌そうな顔をかなめに向けたとき、シャムが袋菓子を一杯に手に持って現れた。
「はい!つまみですよ!」
島田はそう言って次々と袋菓子を開封する。全員の視線がそちらに行ったことで、誠は何とかイッキの危機から抜け出した。
アイシャがその一つののり塩のポテトチップスに素早く手を伸ばす。サラはそれを見てうらやましそうな表情を浮かべた後、残っていたコンソメ味のポテトチップスを確保した。
島田が気を利かせてポップコーンとうす塩味のポテトチップスの袋を開いて誰でも食べられるように拡げた。
「気がきくじゃねえか、さすが寮長」
そう言うとかなめはポップコーンを一握りつかんで口に放り込んだ。
「アイシャ、さっきかなめちゃんねえ……」
シャムはそのまま手招きするアイシャの隣に座るとアイシャの耳に口を寄せた。
「シャム、埋めるぞテメエ!」
かなめの剣幕を見て何やら悪いことを考えているというようにアイシャはにんまりと笑顔を浮かべる。
「かなめちゃんそんなに焦ってどうしたの?」
アイシャはそう言うとビールを飲み干して島田にコップを差し出す。
「神前、お前も少しは手伝えよ」
そんな島田の言葉に立ち上がろうとした誠だが、かなめが無理やり引き倒したのでアイシャの膝元に転がった。
「誠ちゃんも知ってるんでしょ?」
ひき倒した誠にアイシャが色目を使いつつ訪ねる。反対側の左手を握り締めるかなめの手に力が入っていくのを感じて誠は必死に首を振った。
「まあいいわ。どうせかなめちゃんのことだから自爆するのは見えてるし」
「何が自爆だ!」
怒鳴り返すかなめを一瞥するとアイシャはビールを飲み干した。
「はい、ビール」
島田がパーラに瓶を手渡し、それは倒れている誠の目の前に置かれた。誠はようやくかなめが左手を離したので起き上がるとそのままビールをアイシャの差し出すグラスに注いだ。
「島田。飲めない人間がもいるからな。ジュースか何か買ってくるくらいの気を使っても良かったんじゃねーか?」
ランがそう言うと窓の下に座り込んでいる吉田が口を挟んだ。
「麦茶もあるしいいんじゃねえの?そういう自分だって持ってきたのは日本酒じゃねえか」
吉田とランがにらみ合う。
再びドアが開くといつの間にか場を抜けていたサラが現れた。
「お待たせしました!ちゃんとベルガー大尉用に烏龍茶もありますよ!」
サラがペットボトルの烏龍茶を持って現れてカウラの前にあるコップに烏龍茶を注いだ。
ランはそう言うと誠の部屋に向かう。かなめもそれを見るとタバコをもみ消してそのあとに続いた。
「置いてかないでよ!」
なんちゃって小学生スタイルのシャムは彼らに無視されているのに気がついて三人を追いかけた。
誠が自分の部屋の扉を開くといつの間にか吉田までが当然というようにそこに胡坐をかいていた。彼はアイシャが開いている誠のスケッチブックをにやけながら覗き込んでいた。
『ビール到着しました!』
島田は瓶、サラは缶のケースを抱えて誠の部屋に転がり込む。さらにその後ろには草野球クラブの一員である管理部の経理課長菰田邦弘曹長がコップを持って入ってきた。
「はーい!ビール行きたい人!」
サラの声に誠と吉田が素早く手を上げる。
アイシャはようやく誠の描く美少女系の絵から目を離して手を上げた。それを眺めていたパーラも手を上げる。
菰田は彼らにコップを配って回る。そして瓶の栓を開けている島田からビールを受け取ったサラは次々とビールを注いで回った。
「あの、いつも思うんですけど吉田少佐?何処から入ったんですか?」
誠が至極まっとうな質問をする。
吉田はビールを一口で飲み干すとすぐ窓のほうを指す。閉められた窓の下にはロープが一本落ちている。
「吉田……。オメーには玄関から入るいう発想はねーんか?」
菰田のコップに日本酒を注ぎながらランの甲高い声が響く。
「ちっちゃいの。人生は楽しまなきゃねえ」
そう言いながら吉田は島田に空のコップを差し出す。仕方ないというように島田がビールを注いだ。入り口の近くに座って日本酒を飲んでいる菰田の後ろに現れたシャムが、サラから耳うちをされるとそのまま部屋を出て消えていくのが誠にも見えた。
八畳の部屋に集まった人の熱気に誠は気付いた。そしてエアコンのリモコンを取りに本棚に背を持たれかけて日本酒を飲んでいるかなめの背後の棚に手を伸ばした。
誠とかなめの視線が合った。彼女は一口日本酒を口に含んで立ち上がった。
「今頃暑さに気づきやがって。罰だ。神前!とりあえず飲め!イッキだ!」
かなめが吉田が自分用に確保してあるビールの缶を横取りすると、誠の頬に突きつけてそう叫んだ。全員が嫌そうな顔をかなめに向けたとき、シャムが袋菓子を一杯に手に持って現れた。
「はい!つまみですよ!」
島田はそう言って次々と袋菓子を開封する。全員の視線がそちらに行ったことで、誠は何とかイッキの危機から抜け出した。
アイシャがその一つののり塩のポテトチップスに素早く手を伸ばす。サラはそれを見てうらやましそうな表情を浮かべた後、残っていたコンソメ味のポテトチップスを確保した。
島田が気を利かせてポップコーンとうす塩味のポテトチップスの袋を開いて誰でも食べられるように拡げた。
「気がきくじゃねえか、さすが寮長」
そう言うとかなめはポップコーンを一握りつかんで口に放り込んだ。
「アイシャ、さっきかなめちゃんねえ……」
シャムはそのまま手招きするアイシャの隣に座るとアイシャの耳に口を寄せた。
「シャム、埋めるぞテメエ!」
かなめの剣幕を見て何やら悪いことを考えているというようにアイシャはにんまりと笑顔を浮かべる。
「かなめちゃんそんなに焦ってどうしたの?」
アイシャはそう言うとビールを飲み干して島田にコップを差し出す。
「神前、お前も少しは手伝えよ」
そんな島田の言葉に立ち上がろうとした誠だが、かなめが無理やり引き倒したのでアイシャの膝元に転がった。
「誠ちゃんも知ってるんでしょ?」
ひき倒した誠にアイシャが色目を使いつつ訪ねる。反対側の左手を握り締めるかなめの手に力が入っていくのを感じて誠は必死に首を振った。
「まあいいわ。どうせかなめちゃんのことだから自爆するのは見えてるし」
「何が自爆だ!」
怒鳴り返すかなめを一瞥するとアイシャはビールを飲み干した。
「はい、ビール」
島田がパーラに瓶を手渡し、それは倒れている誠の目の前に置かれた。誠はようやくかなめが左手を離したので起き上がるとそのままビールをアイシャの差し出すグラスに注いだ。
「島田。飲めない人間がもいるからな。ジュースか何か買ってくるくらいの気を使っても良かったんじゃねーか?」
ランがそう言うと窓の下に座り込んでいる吉田が口を挟んだ。
「麦茶もあるしいいんじゃねえの?そういう自分だって持ってきたのは日本酒じゃねえか」
吉田とランがにらみ合う。
再びドアが開くといつの間にか場を抜けていたサラが現れた。
「お待たせしました!ちゃんとベルガー大尉用に烏龍茶もありますよ!」
サラがペットボトルの烏龍茶を持って現れてカウラの前にあるコップに烏龍茶を注いだ。
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