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第七章 アサルト・モジュール
05式特機乙型
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誠の射撃がまるで役に立たないことに苛立っているカウラの肩を、マリアは深呼吸して静かに語りだした。
「たとえ銃の腕が兵隊として最低クラスでも、そんな神前を使いこなすのが貴様の仕事だ。それに例のアサルト・モジュール05式の乙型の能力を引き出せるのは……」
噛んで含めるように、マリアは丁寧な言葉でカウラを諭した。
「05式の乙型って……」
誠はどうやら自分が新型アサルト・モジュール、しかもその特別製の機体を預けられることを察した。
「乙型は精神感応式オペレーションシステムなんかを積んだ最新型だ。貴様の専用機になる」
精神感応式オペレーションシステム。脳の出すわずかな波動をキャッチして増幅した操縦関係装置をオペレーションシステムと同調させて、すばやい反応行動を引き出す技術である。訓練校ではそんなOSの開発が進んでいることは聞かされていた。ただ、いまだその多くが軍事機密とされていて、一兵卒の誠にはその詳細は分からなかった。しかし、それが相当に先進的なシステムであることだけは想像がついた。
「まあ、乙型は軍事系の情報誌に出ているオペレーションシステムだけを装備したもんじゃないんだがな。かなり特殊なシステムを積んだ特別製の機体なのは確かだ。その狙ったスペック通りの性能を出すとなると、一応、お前くらいのアストラルサイド指数が無いとシステムの発動が難しくてね」
言い訳する嵯峨だがその表情は冴えない。
「叔父貴!いい加減あの機体の種明かし位してくれよ。アタシ等はこいつと組んで戦うんだぞ」
嵯峨の言葉をさえぎるようにかなめは怒鳴りちらす。
「まあそうしたいのはやまやまなんだが……軍人のつらさのかん口令って奴でね。内容は俺とヨハンと技術部長の明華しか知らないことになっとる。まあ、吉田の野郎はさっきまでは知らなかったみたいだけど東和軍のシステムに侵入できるからもう独自に調べちゃいるかもしれねえがな」
そう言うと嵯峨は誠の手にある拳銃を取り戻した。そしてそのまま視線を床に降ろして言葉を続ける。
「まあ同じコンセプトの機体は胡州帝国でも先の大戦の末期に開発しててね。俺も試験運用に付き合わされたことがある。まあ、その時の経験から菱川と胡州陸軍装備開発局の共同制作の特機の運用についてコメントしたこともあって、その縁で今回乙型がうちに配備される話が来たんだよ。俺は文系だから技術屋の説明聞いてもちんぷんかんぷんだったがな。まあ俺が分からないなりに聞いた範囲じゃ、あの機体運用の技術はトップシークレットが妥当だな。お前等がそれが何か知らないのも当然の話だ」
そう言うと嵯峨はタバコの吸いさしを地面に投げた。
「さっきから言おうと思ってたんですけど……隊長、射場は禁煙ですよ」
「シュバーキナ。硬いこと言うなって」
マリアの言葉を無視して嵯峨はまたタバコの箱をポケットから取り出し、一本火をつけた。
相変わらず巨人のように聳え立つアサルト・モジュールの一つ、中央のオリーブドラブの東和軍配備の色の機体の前には技術部長の許明華大佐が立っていた。彼女はシステム担当の下士官と手にした仕様書を見ながら熱心に話し込んでいる。
「俺から言えるのはさっき言ったのですべてだ。それじゃあちょっと走ってくるわ。ランの奴が人を運動不足扱いしやがるからな」
嵯峨はそう言った後屈伸を三回ほどして、ランニングの列に参加するべく走り出した。
カウラとかなめが見守る中、誠はゆっくりとその一般的なカラーリングの機体に向けて歩き始めた。
「たとえ銃の腕が兵隊として最低クラスでも、そんな神前を使いこなすのが貴様の仕事だ。それに例のアサルト・モジュール05式の乙型の能力を引き出せるのは……」
噛んで含めるように、マリアは丁寧な言葉でカウラを諭した。
「05式の乙型って……」
誠はどうやら自分が新型アサルト・モジュール、しかもその特別製の機体を預けられることを察した。
「乙型は精神感応式オペレーションシステムなんかを積んだ最新型だ。貴様の専用機になる」
精神感応式オペレーションシステム。脳の出すわずかな波動をキャッチして増幅した操縦関係装置をオペレーションシステムと同調させて、すばやい反応行動を引き出す技術である。訓練校ではそんなOSの開発が進んでいることは聞かされていた。ただ、いまだその多くが軍事機密とされていて、一兵卒の誠にはその詳細は分からなかった。しかし、それが相当に先進的なシステムであることだけは想像がついた。
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言い訳する嵯峨だがその表情は冴えない。
「叔父貴!いい加減あの機体の種明かし位してくれよ。アタシ等はこいつと組んで戦うんだぞ」
嵯峨の言葉をさえぎるようにかなめは怒鳴りちらす。
「まあそうしたいのはやまやまなんだが……軍人のつらさのかん口令って奴でね。内容は俺とヨハンと技術部長の明華しか知らないことになっとる。まあ、吉田の野郎はさっきまでは知らなかったみたいだけど東和軍のシステムに侵入できるからもう独自に調べちゃいるかもしれねえがな」
そう言うと嵯峨は誠の手にある拳銃を取り戻した。そしてそのまま視線を床に降ろして言葉を続ける。
「まあ同じコンセプトの機体は胡州帝国でも先の大戦の末期に開発しててね。俺も試験運用に付き合わされたことがある。まあ、その時の経験から菱川と胡州陸軍装備開発局の共同制作の特機の運用についてコメントしたこともあって、その縁で今回乙型がうちに配備される話が来たんだよ。俺は文系だから技術屋の説明聞いてもちんぷんかんぷんだったがな。まあ俺が分からないなりに聞いた範囲じゃ、あの機体運用の技術はトップシークレットが妥当だな。お前等がそれが何か知らないのも当然の話だ」
そう言うと嵯峨はタバコの吸いさしを地面に投げた。
「さっきから言おうと思ってたんですけど……隊長、射場は禁煙ですよ」
「シュバーキナ。硬いこと言うなって」
マリアの言葉を無視して嵯峨はまたタバコの箱をポケットから取り出し、一本火をつけた。
相変わらず巨人のように聳え立つアサルト・モジュールの一つ、中央のオリーブドラブの東和軍配備の色の機体の前には技術部長の許明華大佐が立っていた。彼女はシステム担当の下士官と手にした仕様書を見ながら熱心に話し込んでいる。
「俺から言えるのはさっき言ったのですべてだ。それじゃあちょっと走ってくるわ。ランの奴が人を運動不足扱いしやがるからな」
嵯峨はそう言った後屈伸を三回ほどして、ランニングの列に参加するべく走り出した。
カウラとかなめが見守る中、誠はゆっくりとその一般的なカラーリングの機体に向けて歩き始めた。
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