170 / 1,557
第11章 バーベキュー
楽しいお料理
しおりを挟む
「おい!神前!」
さすがに同じメンバーでの遊びにも飽きたのか波打ち際から引き上げてきた島田が、置いてあったバッグからスポーツ飲料のボトルを取り出した。
「ああ、すいませんね気が利かなくて」
起き上がろうとした誠ににやけた笑みを浮かべながらそのまま座っていろと島田が手で合図する。
「こちらこそ、二人の大切な時間を邪魔するようで悪いねえ」
誠とかなめを島田は見比べる。かなめは相手にするのもわずらわしいと言うようにサングラスをかけなおして空を見上げている。
「ずるいなあ。アイシャちゃん達が働いてるときに二人でまったりしちゃって」
そう言ってサラが誠をにらみつける。
「じゃあお前等、荷物番変わってもらおうか?」
そう言うとかなめは立ち上がった。
「じゃあ神前。お姉さん達の邪魔でもしにいくか」
かなめはそのまま当然と言うように誠を立たせるとバーベキュー場の方に歩き出す。
「ああ、サラ。そこのアホと一緒にちゃんと荷物を見張ってろよ。ただ何かなくなったら後でぼこぼこにするからな」
かなめはちゃんと捨て台詞を忘れない。誠もかなめに付いて歩く。
『正人が余計なこと言うから!』
『島田君のせいじゃないわよ。余分なこと言ったのはサラじゃないの!』
サラとパーラの声が背中で響く。
「良いんですか?西園寺さん」
「良いんじゃねえの?島田の奴はそれはそれで楽しそうだし」
そう言うとかなめはサングラスを額に載せて歩き出した。
「かなめちゃん達!到着!」
スクール水着姿のシャムが叫ぶ。誠は何度見ても彼女が小学生低学年ではないことが不思議に思えて仕方なかった。
「肉あるか?肉!」
いつも通りの姿に戻ったかなめは、すばやくテーブルから箸をつかんで、すぐにアイシャが焼いている牛肉に向かって突進する。
「みっともないわよ、かなめちゃん。誠ちゃん!お姉さんのところの焼きそば出来てるから……食べたら?」
アイシャにそう言われてテーブルの上の紙皿を取ると奥の鉄板の上で焦げないように脇にそばを移しているリアナの隣に立った。
「じゃんじゃん食べてね。まだ材料は一杯あるから」
リアナはいつものほんわかした笑みを浮かべながら誠の皿に焼きそばを盛り分ける。
「お姉さん、ピーマンは避けてやってください」
串焼きの肉にタレを塗りながら遠火であぶっているカウラがそう言った。
「神前君もピーマン苦手なの?」
「ピーマン好きな奴にろくな奴はいねえからな!」
かなめの冗談がカウラを刺激する。
「西園寺。それは私へのあてつけか?」
カウラのその言葉に、かなめがいつもの挑発的な視線を飛ばす。
「誠ちゃん!お肉持ってきたわよ。食べる?」
「はあ、どうも」
アイシャが当てつけのように山盛りの肉を持ってきた。誠はさっと目配りをする。その様子をかなめが当然のようににらみつけている。カウラは寒々とした視線を投げてくる。
「そう言えば島田君達はどうしたの?」
そんな状況を変えてくれたリアナの一言に誠は心の奥で感謝した。
「ああ、あいつ等なら荷物番してるぜ」
アイシャから皿を奪い取ったかなめが肉を食べながらそう言った。
「もう食べごろなのに。誰か代わってあげられないの?もう用意できてるんだから」
春子がそう言うと、きれいにトレーの上に食材を並べた物を人数分作っていた。
「じゃあシャムが代わりに番してるよ!」
「師匠!アタシも!」
シャムと小夏が元気に駆けていく。
「気楽だねえ、あいつは」
かなめはビールの缶を開けた。
「それがシャムちゃんの凄いところよ、ああこれおいしいわ」
つまみ食いをしながらリアナがそう言った。
「カウラ、その肉の塊よこせ!」
突然のかなめの言葉にめんどくさそうに振り向くカウラ。
「全部食べるんじゃないぞ」
かなめの口元の下品な笑みを見て、カウラはタレをつけながら焼いている肉の塊を遠ざける。
「呼ばれました!」
「アイシャ!ごめんねー。ちょっといろいろあって」
島田とサラが一番に飛び込んでくる。
「島田さん達、こっちにとってあるわよ」
春子が鉄板の端にある肉と野菜の山を島田達に勧める。
「女将さんすいません。ジュン君とエダ、これだって」
パーラがキムとエダにトレーを渡す。
「こりゃ旨そうだ」
キムがトレーの上の肉に箸を伸ばす。隣ではエダがそれを眺めて頷いていた。
「さあ食え食え!」
いかにも自分が作ったかのようにかなめが笑顔で肉を二人に勧めた。
「自分は何もしなかったくせに……」
「カウラ。何か言ったか?」
「いや別に……」
いつも部隊で繰り広げられているかなめとカウラのやり取りがここでも繰り広げられるのを見て誠はただ苦笑いを浮かべるだけだった。
さすがに同じメンバーでの遊びにも飽きたのか波打ち際から引き上げてきた島田が、置いてあったバッグからスポーツ飲料のボトルを取り出した。
「ああ、すいませんね気が利かなくて」
起き上がろうとした誠ににやけた笑みを浮かべながらそのまま座っていろと島田が手で合図する。
「こちらこそ、二人の大切な時間を邪魔するようで悪いねえ」
誠とかなめを島田は見比べる。かなめは相手にするのもわずらわしいと言うようにサングラスをかけなおして空を見上げている。
「ずるいなあ。アイシャちゃん達が働いてるときに二人でまったりしちゃって」
そう言ってサラが誠をにらみつける。
「じゃあお前等、荷物番変わってもらおうか?」
そう言うとかなめは立ち上がった。
「じゃあ神前。お姉さん達の邪魔でもしにいくか」
かなめはそのまま当然と言うように誠を立たせるとバーベキュー場の方に歩き出す。
「ああ、サラ。そこのアホと一緒にちゃんと荷物を見張ってろよ。ただ何かなくなったら後でぼこぼこにするからな」
かなめはちゃんと捨て台詞を忘れない。誠もかなめに付いて歩く。
『正人が余計なこと言うから!』
『島田君のせいじゃないわよ。余分なこと言ったのはサラじゃないの!』
サラとパーラの声が背中で響く。
「良いんですか?西園寺さん」
「良いんじゃねえの?島田の奴はそれはそれで楽しそうだし」
そう言うとかなめはサングラスを額に載せて歩き出した。
「かなめちゃん達!到着!」
スクール水着姿のシャムが叫ぶ。誠は何度見ても彼女が小学生低学年ではないことが不思議に思えて仕方なかった。
「肉あるか?肉!」
いつも通りの姿に戻ったかなめは、すばやくテーブルから箸をつかんで、すぐにアイシャが焼いている牛肉に向かって突進する。
「みっともないわよ、かなめちゃん。誠ちゃん!お姉さんのところの焼きそば出来てるから……食べたら?」
アイシャにそう言われてテーブルの上の紙皿を取ると奥の鉄板の上で焦げないように脇にそばを移しているリアナの隣に立った。
「じゃんじゃん食べてね。まだ材料は一杯あるから」
リアナはいつものほんわかした笑みを浮かべながら誠の皿に焼きそばを盛り分ける。
「お姉さん、ピーマンは避けてやってください」
串焼きの肉にタレを塗りながら遠火であぶっているカウラがそう言った。
「神前君もピーマン苦手なの?」
「ピーマン好きな奴にろくな奴はいねえからな!」
かなめの冗談がカウラを刺激する。
「西園寺。それは私へのあてつけか?」
カウラのその言葉に、かなめがいつもの挑発的な視線を飛ばす。
「誠ちゃん!お肉持ってきたわよ。食べる?」
「はあ、どうも」
アイシャが当てつけのように山盛りの肉を持ってきた。誠はさっと目配りをする。その様子をかなめが当然のようににらみつけている。カウラは寒々とした視線を投げてくる。
「そう言えば島田君達はどうしたの?」
そんな状況を変えてくれたリアナの一言に誠は心の奥で感謝した。
「ああ、あいつ等なら荷物番してるぜ」
アイシャから皿を奪い取ったかなめが肉を食べながらそう言った。
「もう食べごろなのに。誰か代わってあげられないの?もう用意できてるんだから」
春子がそう言うと、きれいにトレーの上に食材を並べた物を人数分作っていた。
「じゃあシャムが代わりに番してるよ!」
「師匠!アタシも!」
シャムと小夏が元気に駆けていく。
「気楽だねえ、あいつは」
かなめはビールの缶を開けた。
「それがシャムちゃんの凄いところよ、ああこれおいしいわ」
つまみ食いをしながらリアナがそう言った。
「カウラ、その肉の塊よこせ!」
突然のかなめの言葉にめんどくさそうに振り向くカウラ。
「全部食べるんじゃないぞ」
かなめの口元の下品な笑みを見て、カウラはタレをつけながら焼いている肉の塊を遠ざける。
「呼ばれました!」
「アイシャ!ごめんねー。ちょっといろいろあって」
島田とサラが一番に飛び込んでくる。
「島田さん達、こっちにとってあるわよ」
春子が鉄板の端にある肉と野菜の山を島田達に勧める。
「女将さんすいません。ジュン君とエダ、これだって」
パーラがキムとエダにトレーを渡す。
「こりゃ旨そうだ」
キムがトレーの上の肉に箸を伸ばす。隣ではエダがそれを眺めて頷いていた。
「さあ食え食え!」
いかにも自分が作ったかのようにかなめが笑顔で肉を二人に勧めた。
「自分は何もしなかったくせに……」
「カウラ。何か言ったか?」
「いや別に……」
いつも部隊で繰り広げられているかなめとカウラのやり取りがここでも繰り広げられるのを見て誠はただ苦笑いを浮かべるだけだった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~
さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』
誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。
辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。
だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。
学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる
これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる