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第25章 援軍
援軍
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「これで良かったの?」
胡州帝国、摂州軍。その旗艦である重巡洋艦『信太』の艦長室で艦長の椅子に座った西園寺康子の言葉が凛と響いた。部屋の中央に置かれたソファーに腰掛けていた吉田俊平はただ笑顔でそれに応えた。
「仕事に私情は挟まない主義でして……それよりこれですべて仕掛けは揃いましたから……。それにしても相手にしているのが俺な分だけ手が打ちやすい」
「あなたにしては随分と司法局の仲間を信用しているのね。特に神前君だったかしら。彼にはそれほどの力があるの?」
康子の言葉に吉田は静かに目を閉じてみせた。
「神前の奴は……信用しているというわけじゃないですよ。だから今回あなたにご出馬願ったんですから。それに俺が信用しているのはシャムだけです」
「へえ、あのちっちゃな娘に気があるわけ?もしかしてロリコン?」
いたずらめいた康子。吉田は特に反論もせずにソファーの上で伸びをしてみせた。
「俺はようやく自分が何者なのか知った……次はあいつの番ですよ。自分が何者か知らずにただ場当たり的に生きていられる時代は終わった。あいつも俺も」
「彼女は『エターナルチルドレン』でしょ?それ以外何かあるの?」
康子の『エターナルチルドレン』という言葉にそれまでにない緊張した視線が吉田から康子に突き刺さった
「そんな目で見ないでよ。一応、私も遼南宮廷で育った身よ。噂は聞いてるわよ……と言うか、あなたもご存じでしょうけど、私も『エターナルチルドレン』なんだけど」
康子の言葉に吉田の視線は緊張の度合いを弱めた。
「『エターナルチルドレン』自体は遼州を探せば両手に余る程度はいるでしょ。俺の知っている限りでもあなたと嵯峨惟基、島田正人、クバルカ・ラン、『預言者』ネネ、『廃帝』ハドくらいの名前はすぐに浮かびますから」
「考えてみればすごいわよね。新ちゃん以外に三人も『エターナルチルドレン』を抱えている部隊なんて他にないんじゃないの?」
「まあ部隊長が意識して集めたところもありますから」
康子に『新ちゃん』と呼ばれる嵯峨の手腕が部隊構成に大きな影響を与えたことを吉田も理解していた。
「ただ普通の『エターナルチルドレン』とはシャムとクバルカ中佐は毛色が違うんですがね」
それだけ言うとニンマリと吉田は笑った。
「どう毛色が違うかは教えてくれないんでしょ?」
こちらも対抗するとでも言うように康子も笑みを返した。
「聞き出しますか?力尽くで」
身を乗り出す吉田に康子は静かに首を横に振った。
「今は私達で争う時期じゃないわ。今はね」
康子の静かな口調に吉田は恐怖を感じた。彼の上司の『新ちゃん』こと嵯峨惟基をして『地上最強の生物』と呼ばれる康子の恐ろしさは吉田自身も体験したことがあるだけに、彼女を前にして秘密を守り続ける自身は吉田にもなかった。
「それじゃあいずれは……」
「いずれの話はしないことにしているの。私の主義よ」
再び定型的な笑みを浮かべる康子に吉田は彼女を頼らざるを得ない状況にあることの恐ろしさを再確認するのだった。
胡州帝国、摂州軍。その旗艦である重巡洋艦『信太』の艦長室で艦長の椅子に座った西園寺康子の言葉が凛と響いた。部屋の中央に置かれたソファーに腰掛けていた吉田俊平はただ笑顔でそれに応えた。
「仕事に私情は挟まない主義でして……それよりこれですべて仕掛けは揃いましたから……。それにしても相手にしているのが俺な分だけ手が打ちやすい」
「あなたにしては随分と司法局の仲間を信用しているのね。特に神前君だったかしら。彼にはそれほどの力があるの?」
康子の言葉に吉田は静かに目を閉じてみせた。
「神前の奴は……信用しているというわけじゃないですよ。だから今回あなたにご出馬願ったんですから。それに俺が信用しているのはシャムだけです」
「へえ、あのちっちゃな娘に気があるわけ?もしかしてロリコン?」
いたずらめいた康子。吉田は特に反論もせずにソファーの上で伸びをしてみせた。
「俺はようやく自分が何者なのか知った……次はあいつの番ですよ。自分が何者か知らずにただ場当たり的に生きていられる時代は終わった。あいつも俺も」
「彼女は『エターナルチルドレン』でしょ?それ以外何かあるの?」
康子の『エターナルチルドレン』という言葉にそれまでにない緊張した視線が吉田から康子に突き刺さった
「そんな目で見ないでよ。一応、私も遼南宮廷で育った身よ。噂は聞いてるわよ……と言うか、あなたもご存じでしょうけど、私も『エターナルチルドレン』なんだけど」
康子の言葉に吉田の視線は緊張の度合いを弱めた。
「『エターナルチルドレン』自体は遼州を探せば両手に余る程度はいるでしょ。俺の知っている限りでもあなたと嵯峨惟基、島田正人、クバルカ・ラン、『預言者』ネネ、『廃帝』ハドくらいの名前はすぐに浮かびますから」
「考えてみればすごいわよね。新ちゃん以外に三人も『エターナルチルドレン』を抱えている部隊なんて他にないんじゃないの?」
「まあ部隊長が意識して集めたところもありますから」
康子に『新ちゃん』と呼ばれる嵯峨の手腕が部隊構成に大きな影響を与えたことを吉田も理解していた。
「ただ普通の『エターナルチルドレン』とはシャムとクバルカ中佐は毛色が違うんですがね」
それだけ言うとニンマリと吉田は笑った。
「どう毛色が違うかは教えてくれないんでしょ?」
こちらも対抗するとでも言うように康子も笑みを返した。
「聞き出しますか?力尽くで」
身を乗り出す吉田に康子は静かに首を横に振った。
「今は私達で争う時期じゃないわ。今はね」
康子の静かな口調に吉田は恐怖を感じた。彼の上司の『新ちゃん』こと嵯峨惟基をして『地上最強の生物』と呼ばれる康子の恐ろしさは吉田自身も体験したことがあるだけに、彼女を前にして秘密を守り続ける自身は吉田にもなかった。
「それじゃあいずれは……」
「いずれの話はしないことにしているの。私の主義よ」
再び定型的な笑みを浮かべる康子に吉田は彼女を頼らざるを得ない状況にあることの恐ろしさを再確認するのだった。
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