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第21話 おかしなパーティの特大サプライズ!
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「ふぁぁぁぁ……お菓子がいっぱい!」
お菓子パーティのテーブルに、王様にいただいたお菓子が勢揃い。
宝石みたいにキラキラした、きれいな形のムースケーキ。
この見た目でなんとプルプルのフワフワ! カチカチじゃない。すごい。
淡いピンクにブルーにむらさき、緑に黄色と、カラフルな10色がそろったパステルカラーのまんまるマカロン。小さな星や月の飾りまでおいしい。すごい。
お花みたいな形の焼き菓子、かわいい絵が描いてあるクッキー。
本物そっくりで本物よりキラキラした飴細工のブーケもある。
「ふふふふ……すごいすごい。たくさん! キラキラ!」
テーブルのまわりをぐるぐる回って点検。なんど見てもわくわくルンルンを抑えられない。
「きれいに並べられましたね。サファさまの案がよかったのですわ」
「えへへ、かんぺきなはいち! 並べてくれてありがとぅぅ」
「いいえ、どういたしまして」
ぼく考案、侍女さんとお部屋の人たち実行のテーブルセッティングはかんぺき。ぼくのお部屋から続いている中庭に据えられたパーティのテーブルは、色とりどりのキラキラで、絵本に出てきそうな仕上がり。
「はぁぁ……かわいおいしそう」
かわいくておいしそう、これ最高では?
しかも今日はなんとお客様まできてくれる。……はず。多分。
「準備万端ですわね。あとは、テーブルの真ん中にあれを――」
「ん? まだなにか並べるのー?」
はて、とよーく見てみると、テーブルの真ん中にはレースとお花で飾られた大きな台がある。素敵なセットだなと思ったけど、あれはなにか乗せるため?
「サファさま。届きましたわ」
「ん……?」
あれ?と思っている間に、さささーっと何人かが大きな箱を運んできた。
「わー、それなあに~?」
「今日のテーブルの主役ですわ」
「ふぇ?」
大きな箱は慎重にテーブルの台に乗せられた。白い箱がピカピカしている。
「えええ、なになにぃ? 何が届いたのぉ?」
ドキドキしながら侍女さんを見上げると、彼女はにこー、と笑ってみせた。
「それは、はじまってからのお楽しみにしましょう」
「ええええ、そうなのー? わぁぁ、なんだろうぉぉ? 気になるぅぅー」
わくわくが高まって、ちょっとだけ身を乗り出して観察してしまう。
「ふふふ。さ、王子様方をお迎えする準備をいたしましょう」
「はーーい」
***
「まだかなーもうちょっとかなー」
準備を整えて、お行儀よく王子様たちを待っているはずのぼくの足は、ついプラプラと揺れそうになる。
「もうあと5分くらいですわ、サファさま」
「うん!」
ダメダメ、足をプラプラさせるのはお行儀が悪い。お行儀が悪い子はきっと嫌われちゃう。
よし、ピンとして……っと。
「王太子殿下、いらっしゃいました」
「……!」
お庭の向こうからキリッとした声がして、ぼくはぴょこんと席をたった。
「サファ、今日は招いてくれてありがとう」
「わぁぁ、ファランさま! きてくれてありがとうございますっ!」
「はは、元気だな」
ああっ! 嬉しくなってぴょんぴょんしてしまった! お行儀わるいぃ……。
ファランさま嫌そうでない? よね。はぁぁ、一安心だけど、次からちゅうい!
「ファランさまっ、お席、こちらどうぞ!」
ぴょんぴょん跳ねないように気をつけなが案内する。
「あっ……ぼくのおとなりでもいいですか?」
「ああ、もちろんだ」
お隣同士はちょっと調子にのってるかなぁ、って思ったけど、ニコニコでよかった。
「ファランさまっ、おかし好きなのありそうですか?」
少し心配。
「ああ……」
ファランさまがテーブルの方を向けて、ちょっとびっくりした顔をしてる。大丈夫かなぁ?
はっ……! もっと渋いお菓子が好き、とかだったりしないかな? うー、その可能性を考えてなかったっ!
「どう……ですか?」
「ああ、見事なものだな。どれもとても美味しそうだ」
「よかったー!」
ファランさまが渋いお菓子好きじゃなくって安心!
「それにしても……まさかこれほどの量とは……」
「へいかが、たぁぁぁくさんくださったんです! みんなで食べてもぜんぜん減らないんです」
「そんなにか」
「はい。毎日みんなで食べても食べても、ぜんぜんですっ」
魔法のお菓子みたいに減らない。本当にすごい。
「……父上は加減というものを知らないのだろうか」
「お菓子にはしょーみきげんがありますが、まだぜんぶだいじょーぶなので、あんしんしてくださいっ!」
主催者の責任だ。安全性の保証をせねば。しかも相手はこの国の王子様だからね。
「おお、そうか。サファはずいぶんと難しいことを知っているのだな」
「えへへ……侍女さんに、『食べてだいじょうぶ期間』のことをそういうって習いました!」
「賢いな、えらいぞ」
「えへへへへ」
ニコニコで褒めてくれるから、ぼくもニコニコが止まらなくなる。ふふふふ。
「あの、きっともうすぐハロルドでんかが来られるので、そしたらパーティはじめましょう!」
「そうだな。ハロルドはまた時間ギリギリに来るつもりか。あいつはいつも――」
「やっほー、きたよー!」
とたとたとのんびりした足音が近づいて、「ハロルド殿下、おつきです」の声が後からゆったり追いついた。ハロルド殿下のほうは、お付きの人たちもマイペースだったりして?
「いらっしゃいませっ! ハロルドでんかっ」
ぼくは慎重に椅子から降りて、ぼくのもうひとつの隣の席を案内する。
「やあ、お招きありがとう、おちびちゃん」
「きてくれて、ありがとうございますっ。お席、こちら! こちらにどうぞっ」
「はいはい」
ハロルド殿下は席についてわーっとテーブルを見渡した。顔がキラキラして、目をパチパチしている。
「これは……なんかだいぶすごいね。父様ったらどれだけお菓子を贈ったんだろ」
クスクスしながら隅々までテーブルの上を観察している。楽しそうでよかった。
それじゃあ、全員そろったことだしぃ……
「じゃあ、はじめていいよね」
侍女さんが静かに紅茶を淹れ始めたり、お菓子の並びを整えたりしているのをちらっと見ながら、そばにいた侍女さんにひそひそ。
「はい。そういたしましょう」
***
「お茶は、はいりましたね」
2人の王子様のカップに、きれいな飴色の紅茶が満たされているのを確認。おっけぃ。
「ああ、いい香りだ」
「じゃあ、そろそろはじめる~?」
「はい。それでは――」
いよいよお菓子パーティのはじまりー!と思ったその時だった。
「やあ、もう始めているかね?」
威厳とお茶目のミックス、みたいな渋い声が聞こえてきた。
「ふぇ……?」
だだだ、誰? いや、この声、聞いたことが――
……あるけど、まさかね。
え? まさか、違うよね!?
お菓子パーティのテーブルに、王様にいただいたお菓子が勢揃い。
宝石みたいにキラキラした、きれいな形のムースケーキ。
この見た目でなんとプルプルのフワフワ! カチカチじゃない。すごい。
淡いピンクにブルーにむらさき、緑に黄色と、カラフルな10色がそろったパステルカラーのまんまるマカロン。小さな星や月の飾りまでおいしい。すごい。
お花みたいな形の焼き菓子、かわいい絵が描いてあるクッキー。
本物そっくりで本物よりキラキラした飴細工のブーケもある。
「ふふふふ……すごいすごい。たくさん! キラキラ!」
テーブルのまわりをぐるぐる回って点検。なんど見てもわくわくルンルンを抑えられない。
「きれいに並べられましたね。サファさまの案がよかったのですわ」
「えへへ、かんぺきなはいち! 並べてくれてありがとぅぅ」
「いいえ、どういたしまして」
ぼく考案、侍女さんとお部屋の人たち実行のテーブルセッティングはかんぺき。ぼくのお部屋から続いている中庭に据えられたパーティのテーブルは、色とりどりのキラキラで、絵本に出てきそうな仕上がり。
「はぁぁ……かわいおいしそう」
かわいくておいしそう、これ最高では?
しかも今日はなんとお客様まできてくれる。……はず。多分。
「準備万端ですわね。あとは、テーブルの真ん中にあれを――」
「ん? まだなにか並べるのー?」
はて、とよーく見てみると、テーブルの真ん中にはレースとお花で飾られた大きな台がある。素敵なセットだなと思ったけど、あれはなにか乗せるため?
「サファさま。届きましたわ」
「ん……?」
あれ?と思っている間に、さささーっと何人かが大きな箱を運んできた。
「わー、それなあに~?」
「今日のテーブルの主役ですわ」
「ふぇ?」
大きな箱は慎重にテーブルの台に乗せられた。白い箱がピカピカしている。
「えええ、なになにぃ? 何が届いたのぉ?」
ドキドキしながら侍女さんを見上げると、彼女はにこー、と笑ってみせた。
「それは、はじまってからのお楽しみにしましょう」
「ええええ、そうなのー? わぁぁ、なんだろうぉぉ? 気になるぅぅー」
わくわくが高まって、ちょっとだけ身を乗り出して観察してしまう。
「ふふふ。さ、王子様方をお迎えする準備をいたしましょう」
「はーーい」
***
「まだかなーもうちょっとかなー」
準備を整えて、お行儀よく王子様たちを待っているはずのぼくの足は、ついプラプラと揺れそうになる。
「もうあと5分くらいですわ、サファさま」
「うん!」
ダメダメ、足をプラプラさせるのはお行儀が悪い。お行儀が悪い子はきっと嫌われちゃう。
よし、ピンとして……っと。
「王太子殿下、いらっしゃいました」
「……!」
お庭の向こうからキリッとした声がして、ぼくはぴょこんと席をたった。
「サファ、今日は招いてくれてありがとう」
「わぁぁ、ファランさま! きてくれてありがとうございますっ!」
「はは、元気だな」
ああっ! 嬉しくなってぴょんぴょんしてしまった! お行儀わるいぃ……。
ファランさま嫌そうでない? よね。はぁぁ、一安心だけど、次からちゅうい!
「ファランさまっ、お席、こちらどうぞ!」
ぴょんぴょん跳ねないように気をつけなが案内する。
「あっ……ぼくのおとなりでもいいですか?」
「ああ、もちろんだ」
お隣同士はちょっと調子にのってるかなぁ、って思ったけど、ニコニコでよかった。
「ファランさまっ、おかし好きなのありそうですか?」
少し心配。
「ああ……」
ファランさまがテーブルの方を向けて、ちょっとびっくりした顔をしてる。大丈夫かなぁ?
はっ……! もっと渋いお菓子が好き、とかだったりしないかな? うー、その可能性を考えてなかったっ!
「どう……ですか?」
「ああ、見事なものだな。どれもとても美味しそうだ」
「よかったー!」
ファランさまが渋いお菓子好きじゃなくって安心!
「それにしても……まさかこれほどの量とは……」
「へいかが、たぁぁぁくさんくださったんです! みんなで食べてもぜんぜん減らないんです」
「そんなにか」
「はい。毎日みんなで食べても食べても、ぜんぜんですっ」
魔法のお菓子みたいに減らない。本当にすごい。
「……父上は加減というものを知らないのだろうか」
「お菓子にはしょーみきげんがありますが、まだぜんぶだいじょーぶなので、あんしんしてくださいっ!」
主催者の責任だ。安全性の保証をせねば。しかも相手はこの国の王子様だからね。
「おお、そうか。サファはずいぶんと難しいことを知っているのだな」
「えへへ……侍女さんに、『食べてだいじょうぶ期間』のことをそういうって習いました!」
「賢いな、えらいぞ」
「えへへへへ」
ニコニコで褒めてくれるから、ぼくもニコニコが止まらなくなる。ふふふふ。
「あの、きっともうすぐハロルドでんかが来られるので、そしたらパーティはじめましょう!」
「そうだな。ハロルドはまた時間ギリギリに来るつもりか。あいつはいつも――」
「やっほー、きたよー!」
とたとたとのんびりした足音が近づいて、「ハロルド殿下、おつきです」の声が後からゆったり追いついた。ハロルド殿下のほうは、お付きの人たちもマイペースだったりして?
「いらっしゃいませっ! ハロルドでんかっ」
ぼくは慎重に椅子から降りて、ぼくのもうひとつの隣の席を案内する。
「やあ、お招きありがとう、おちびちゃん」
「きてくれて、ありがとうございますっ。お席、こちら! こちらにどうぞっ」
「はいはい」
ハロルド殿下は席についてわーっとテーブルを見渡した。顔がキラキラして、目をパチパチしている。
「これは……なんかだいぶすごいね。父様ったらどれだけお菓子を贈ったんだろ」
クスクスしながら隅々までテーブルの上を観察している。楽しそうでよかった。
それじゃあ、全員そろったことだしぃ……
「じゃあ、はじめていいよね」
侍女さんが静かに紅茶を淹れ始めたり、お菓子の並びを整えたりしているのをちらっと見ながら、そばにいた侍女さんにひそひそ。
「はい。そういたしましょう」
***
「お茶は、はいりましたね」
2人の王子様のカップに、きれいな飴色の紅茶が満たされているのを確認。おっけぃ。
「ああ、いい香りだ」
「じゃあ、そろそろはじめる~?」
「はい。それでは――」
いよいよお菓子パーティのはじまりー!と思ったその時だった。
「やあ、もう始めているかね?」
威厳とお茶目のミックス、みたいな渋い声が聞こえてきた。
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え? まさか、違うよね!?
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