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24 公爵の城2
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湯浴みを終えて先ほどの部屋に戻ると、部屋のドアが遠慮がちにノックされる。応対したマリベルがそのまま下がってしまったので、誰かと思ったらレクオンだ。彼も湯浴みしたのか、簡素な部屋着だった。
「少し話したいことがある。入ってもいいか?」
「はい、どうぞ」
夜着の上からショールを羽織っておき、窓際に置かれたソファにレクオンを促した。気をきかせたマリベルが温かいお茶をふたつテーブルに置いてくれる。蜂蜜をひとさじすくって溶かしていると、隣に座ったレクオンが口を開いた。
「明日、大司教を城に呼ぼうと思う」
「大司教さまを? 何の御用で――」
「俺ときみで結婚の誓いをたてるためだ。勿論、きみさえ良ければだが……」
「…………はい。わたしは構いません」
レクオンには世話になってばかりだし、シーナに罰を与えることもなくこうして城に入れてくれただけで有難いことだ。だから彼の妻になることに異論はない。
ただ――
(一生お姉さまの代わりとして生きるのかと思うと、胸が苦しくなる……)
レクオンに一生を捧げたいという気持ちは本当だ。偽りなくそう思う。けれど、胸の奥底から身代わりはもう嫌だとさけぶ悲鳴も聞こえるのだ。
12歳まではシーナとして過ごしてきたが、ルターナとレクオンが婚約してからはずっと『ルターナの代わり』として生きてきた。『シーナ』を必要としてくれたのはルターナとマリベルぐらいのもので、ほとんどの人はシーナを『ルターナと同じ顔の娘』としか思っていなかっただろう。
ルターナの代わりとして何とか耐えてきたのは、彼女とレクオンが結婚するまでの辛抱だと分かっていたからだ。期限が定まっていたからこそ、姉のためだと頑張ってこられた。
ルターナを失ったのは悲しくてたまらなかったけれど、この三年間だけは姉の代わりから解放される日々だったのだ。多少の後ろめたさはあっても、自由を感じていたのは否めない。
(でもレクオン様が求めているのは、お姉さまだから……)
結婚すればいよいよルターナの影から逃げられなくなる。シーナにはまだその覚悟が出来ていなかった。レクオンはシーナの動揺に気づいたのか、鋭い視線を向けてくる。
「……本当だろうな?」
「本当です」
「じゃあなぜ、手が震えてるんだ」
「……結婚するのかと思うと、緊張して…………」
「まさかと思うが……俺がきみを、ルターナの代わりにすると思ってるんじゃないだろうな?」
「えっ?」
(違うの?)
きっとそうだと思っていたのに、予想外のことを言われて呆然としてしまう。レクオンは当然そのつもりだろうと考えていたし、しかもそれを堂々と訊かれるなんて……。
呆気にとられて目を丸くしたシーナを見て、レクオンは苦い顔になった。
「グラーダで捕まえてからやけに大人しいと思っていた。俺もきみに許さないなんて言ってしまったが……。きみがルターナの代わりとして妻になることを、俺が喜ぶと思うか? 婚約者を失った俺が気の毒だから、騙していて悪かったと思うから妻になる気なのか? まったく嬉しくないんだが」
「……ごめんなさい。罪悪感があったのは確かです。でも、レクオン様はお姉さまのことを愛しておられたから……忘れられないから、わたしを探したのかと思ってたんです。お二人はとても仲が良かったでしょう」
「誰と誰が、仲が良かったって?」
「え? レクオン様と、お姉さまが……」
レクオンの見開いた両目から、暗紅色の瞳がこぼれ落ちそうだ。彼がここまで驚いている顔を見たのは初めてで、シーナは少しばかり怖くなった。やがてレクオンは空気を震わせるような大声で笑いだす。
「くっ、ははは! なるほど! ルターナはきみの前では、完璧な姉を演じていたわけか」
「演じるって……。え? どういうことですか?」
意味が分からないシーナを置いてけぼりにして、レクオンが一人で笑っている。何だかむかむかしてきた。
「そ、そんなに笑うことないでしょう! 少なくともわたしには、お二人がお似合いに見えたんですから……!」
「ああ、だんだん怒るようになってきたな。いい傾向だ。確かに俺とルターナは三年間も婚約者だったが……彼女から好意を向けられたことは一度もない。ルターナが愛していたのは、きみとマリベルだけだったんだ」
「で、でも……。わたし達いつもレクオン様と会うたびに、こんな話をしたとか、どこへ行ったかとか情報を交換してたんです。話しているお姉さまは楽しそうでしたけど」
「だから、完璧に演じていたんだろ。いつも不思議だった。元気なときは素直に俺の好意を受け取ってくれるのに、体調を崩して俺が見舞いに行くと冷たい態度をとられて……。手が寒そうだから握ってやろうとしたら、払いのけられた事もある。最初は体の具合が悪いから、愛想よく振るまう余裕もないんだろうと思っていた。でも違ったんだな」
「だから……わたし達のことに、気づいたんですか?」
自然と口調が暗いものになった。自分が犯していた罪を告白するのは勇気が必要だ。恐るおそるレクオンの様子を伺うと、彼はなぜか笑っている。
「いや、最後まで気づかなかった。病気のルターナの態度は冷たかったが、俺はどちらのルターナにも魅力を感じていて……。だから死んだと聞かされたとき本当にショックだった。ひと月前に会ったときはあんなに元気だったのに、嘘だろうと。それに以前からずっと気になっていたんだ。きみ達の名前が」
「……双子星だから?」
「ああ。ケルホーン伯は娘が一人のはずなのに、どうして双子星の名をつけたのだろうとずっと疑問だった。ケルホーン伯のことを調べている内に、ルターナが死んだ直後に解雇された者がいると知って探したんだ。そしてマリベルに会った」
レクオンの表情は穏やかで、昔を懐かしむような様子さえある。シーナは尋ねていいかどうか迷っていた。どの段階でマリベルから真実を聞いたのか、そして王位を諦めたのはルターナの死が原因なのか訊いてみたいけれど……。
まごまごしている間にレクオンが腕を伸ばし、そっとシーナの体を抱きしめる。
「ルターナを助けられなくて、本当にすまなかった。きみの姉さんの分まで幸せにすると誓うから……俺の妻になってくれないか?」
「レクオン様……」
「少し話したいことがある。入ってもいいか?」
「はい、どうぞ」
夜着の上からショールを羽織っておき、窓際に置かれたソファにレクオンを促した。気をきかせたマリベルが温かいお茶をふたつテーブルに置いてくれる。蜂蜜をひとさじすくって溶かしていると、隣に座ったレクオンが口を開いた。
「明日、大司教を城に呼ぼうと思う」
「大司教さまを? 何の御用で――」
「俺ときみで結婚の誓いをたてるためだ。勿論、きみさえ良ければだが……」
「…………はい。わたしは構いません」
レクオンには世話になってばかりだし、シーナに罰を与えることもなくこうして城に入れてくれただけで有難いことだ。だから彼の妻になることに異論はない。
ただ――
(一生お姉さまの代わりとして生きるのかと思うと、胸が苦しくなる……)
レクオンに一生を捧げたいという気持ちは本当だ。偽りなくそう思う。けれど、胸の奥底から身代わりはもう嫌だとさけぶ悲鳴も聞こえるのだ。
12歳まではシーナとして過ごしてきたが、ルターナとレクオンが婚約してからはずっと『ルターナの代わり』として生きてきた。『シーナ』を必要としてくれたのはルターナとマリベルぐらいのもので、ほとんどの人はシーナを『ルターナと同じ顔の娘』としか思っていなかっただろう。
ルターナの代わりとして何とか耐えてきたのは、彼女とレクオンが結婚するまでの辛抱だと分かっていたからだ。期限が定まっていたからこそ、姉のためだと頑張ってこられた。
ルターナを失ったのは悲しくてたまらなかったけれど、この三年間だけは姉の代わりから解放される日々だったのだ。多少の後ろめたさはあっても、自由を感じていたのは否めない。
(でもレクオン様が求めているのは、お姉さまだから……)
結婚すればいよいよルターナの影から逃げられなくなる。シーナにはまだその覚悟が出来ていなかった。レクオンはシーナの動揺に気づいたのか、鋭い視線を向けてくる。
「……本当だろうな?」
「本当です」
「じゃあなぜ、手が震えてるんだ」
「……結婚するのかと思うと、緊張して…………」
「まさかと思うが……俺がきみを、ルターナの代わりにすると思ってるんじゃないだろうな?」
「えっ?」
(違うの?)
きっとそうだと思っていたのに、予想外のことを言われて呆然としてしまう。レクオンは当然そのつもりだろうと考えていたし、しかもそれを堂々と訊かれるなんて……。
呆気にとられて目を丸くしたシーナを見て、レクオンは苦い顔になった。
「グラーダで捕まえてからやけに大人しいと思っていた。俺もきみに許さないなんて言ってしまったが……。きみがルターナの代わりとして妻になることを、俺が喜ぶと思うか? 婚約者を失った俺が気の毒だから、騙していて悪かったと思うから妻になる気なのか? まったく嬉しくないんだが」
「……ごめんなさい。罪悪感があったのは確かです。でも、レクオン様はお姉さまのことを愛しておられたから……忘れられないから、わたしを探したのかと思ってたんです。お二人はとても仲が良かったでしょう」
「誰と誰が、仲が良かったって?」
「え? レクオン様と、お姉さまが……」
レクオンの見開いた両目から、暗紅色の瞳がこぼれ落ちそうだ。彼がここまで驚いている顔を見たのは初めてで、シーナは少しばかり怖くなった。やがてレクオンは空気を震わせるような大声で笑いだす。
「くっ、ははは! なるほど! ルターナはきみの前では、完璧な姉を演じていたわけか」
「演じるって……。え? どういうことですか?」
意味が分からないシーナを置いてけぼりにして、レクオンが一人で笑っている。何だかむかむかしてきた。
「そ、そんなに笑うことないでしょう! 少なくともわたしには、お二人がお似合いに見えたんですから……!」
「ああ、だんだん怒るようになってきたな。いい傾向だ。確かに俺とルターナは三年間も婚約者だったが……彼女から好意を向けられたことは一度もない。ルターナが愛していたのは、きみとマリベルだけだったんだ」
「で、でも……。わたし達いつもレクオン様と会うたびに、こんな話をしたとか、どこへ行ったかとか情報を交換してたんです。話しているお姉さまは楽しそうでしたけど」
「だから、完璧に演じていたんだろ。いつも不思議だった。元気なときは素直に俺の好意を受け取ってくれるのに、体調を崩して俺が見舞いに行くと冷たい態度をとられて……。手が寒そうだから握ってやろうとしたら、払いのけられた事もある。最初は体の具合が悪いから、愛想よく振るまう余裕もないんだろうと思っていた。でも違ったんだな」
「だから……わたし達のことに、気づいたんですか?」
自然と口調が暗いものになった。自分が犯していた罪を告白するのは勇気が必要だ。恐るおそるレクオンの様子を伺うと、彼はなぜか笑っている。
「いや、最後まで気づかなかった。病気のルターナの態度は冷たかったが、俺はどちらのルターナにも魅力を感じていて……。だから死んだと聞かされたとき本当にショックだった。ひと月前に会ったときはあんなに元気だったのに、嘘だろうと。それに以前からずっと気になっていたんだ。きみ達の名前が」
「……双子星だから?」
「ああ。ケルホーン伯は娘が一人のはずなのに、どうして双子星の名をつけたのだろうとずっと疑問だった。ケルホーン伯のことを調べている内に、ルターナが死んだ直後に解雇された者がいると知って探したんだ。そしてマリベルに会った」
レクオンの表情は穏やかで、昔を懐かしむような様子さえある。シーナは尋ねていいかどうか迷っていた。どの段階でマリベルから真実を聞いたのか、そして王位を諦めたのはルターナの死が原因なのか訊いてみたいけれど……。
まごまごしている間にレクオンが腕を伸ばし、そっとシーナの体を抱きしめる。
「ルターナを助けられなくて、本当にすまなかった。きみの姉さんの分まで幸せにすると誓うから……俺の妻になってくれないか?」
「レクオン様……」
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