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8 愛玩動物
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わたしはジオルドを無視して椅子に座り、例の本を読み始めた。
ええと。
主人公のアレクサンドラは18歳。王太子の婚約者になったところから物語が始まるらしい。
しばらく読んでいたが、ふと顔を上げると向かい側でジオルドも同じ本の三巻を読んでいた。
暇なの? 公爵って仕事ないの?
「……ジオルド様。仕事はいいんですか」
「今日は休暇だから問題ない」
「オルタ大学の過去問とかあります?」
「ああ、後でシュウに届けさせる。あ、そうだ」
ジオルドはおもむろに立ち上がり、ドレッサーの方に手を伸ばした。散らばっていた髪の毛が結界内に閉じ込められ、一瞬で灰になる。わたしはぽかんと見ているしかなかった。
ジオルドは魔力の化け物だ。精霊は契約者の魔力を食いながら生きているのに、ジオルドはシュウを従えた上で魔術も行使している。
瞳の色が黒に近いほど魔力が高いと言われているけど本当のようだ。ジオルドの瞳は濃紺だから。
わたしがシュウと契約したら、数時間で干からびて死んでしまうだろう。いや、契約さえ出来ないかもしれない。精霊は魔力の低い者の呼びかけなど無視するらしいから。
首元で黒い宝石が揺れている。
きっとジオルドにとってはわたしもシュウも同じようなものなんだ。飼い猫みたいなものなんだ。
だから首輪なんか付けたんでしょう?
美しい青年は平然と椅子に座り、また本を読み始めた。今やった事など日常茶飯事だとでも言う顔で。
わたしは本を読みながらぼんやりと考える。
大学に通えと簡単に言うけど、魔術薬学科は結構な費用が掛かるはずだ。ジオルドが払ってくれるんだろうか。
まさかわたしの借金になったりはしないよね?
―――いや、あり得る。任務終了時点で「立て替えておいただけだ、お前が払え」なんて言いそうだ。入学できるようにしっかり勉強して、将来に備えておこう。
わたし達は夕食まで黙々と本を読んだ。
本の中のアレクサンドラは王太子に愛されていない様子で、読んでいると暗い気分になった。
何故なのか、ジオルドはわたしの部屋で夕食を取った。
起きている時間のほとんどを変態男と一緒に過ごすというのはストレスが溜まるものだ。
シュウに他の使用人はいないのかと聞くと、シェフとメイドが数人だけとの事だった。こんなに広い屋敷なのに人間が十人以下なんてどうかしている。人間嫌いにも程があると思う。
シュウから浴室の場所を教えてもらい、体を洗った。首都内は下水道が完備されているが、この屋敷はどういう仕組みなのか、金属製のレバーを引くだけで蛇口からお湯が出てくる。
庶民なんか冬でも滅多にお湯を使わないのに。この魔術回路を国中に広めたら、他の人ももっと豊かに暮らせるんじゃないだろうか。その前に高価すぎて手が出せないか……。
髪の毛を拭きながら部屋に戻ると、当たり前のようにジオルドがソファに座って寛いでいる。
いつまでこの部屋にいるの?
部屋から服から全部貸してもらっておいて何だけど、ちょっとぐらい自分の部屋に戻って欲しいんですけど。
「俺も風呂に入ってくる。ちゃんとこの部屋で待ってるんだぞ」
「はぁ」
奴がいない間、またアレクサンドラの本を読んだ。どうやら王太子には好き合う相手がいるようだ。可哀相なアレクサンドラ。どうするつもりなんだろう。
知らず知らずの内に、本に引き込まれていたらしい。気が付いた時には後ろから「猫になれ」という声が聞こえていた。
寝間着の中でうにゃうにゃしているわたしを大きな手が抱き上げて運んでいく。足に引っかかった下着を椅子の上にぽい、と投げられた。デリカシーも何もない。
華美で大きな扉を開け、ジオルドの部屋に連れ込まれる。バタン、というドアの音がやけに耳に響いた。猫とは言え、成人した男性と一緒に寝るのは抵抗がある。嫌だな。
ジオルドはわたしを抱きしめたままベッドに寝転がった。仰向けになった奴のお腹の上で、背中とか頭とかぐりぐり撫でられる。首を触られると勝手にのどの奥から「ぐるるる」と変な声が出た。
「気持ちいいか?」
「…………」
この状況で変な台詞を言わないで欲しい。
黙っているとジオルドはしつこくわたしの喉をくすぐった。
「ぐる、ぐるる……もうニャめてくださいニャ」
「……たまらないな。可愛いぞ、ノア」
地位も名誉もお金もある美青年が、ベッドの上で黒猫に愛を囁いている。なんて寂しい奴なの。ちょっと気の毒になってきたし、サービスでもしてやろうか。
わたしは舌を伸ばし、ジオルドのあごをぺろっと舐めてあげた。
「……あまり煽るな。どうなっても知らんぞ」
「ニャ? あれ、お尻にニャにか当たってます。ニャに?」
「見てもいいけど後悔するなよ」
「……やめときますニャ」
怖い。
絶対に後ろは振り返らない!
わたしはぎゅっと目を閉じた。
ジオルドは体を横に倒し、わたしの後頭部に顔をうずめている。
「なぁノア……お前は俺以外の男とキスをしたことがあるのか?」
「そりゃありますニャ。―――ひっ」
答えた途端、背後から凍りつきそうな殺気が流れてきた。
背筋がぞわぞわする。首にナイフを当てられてるみたい!
「わ、わたしだってもうすぐ19歳ですニャ。キスぐらいしますニャ!」
「……まぁそれはそうか。じゃあ男に抱かれたことは?」
「…………」
「ないのか」
うるっさいな。仕事じゃあるまいし、経験があればいいってもんじゃないでしょ。だいたいそんな事を女性に聞くなんて失礼すぎるわよ。
ジオルドは「そうか、そうか」と一人で何かを納得している。心なしか声が弾んでいるのが気に食わない。悪かったね。あなたみたいに酒池肉林とは行かないのよ。そんなお金もないしね。
「もう寝ますニャ。おやすみニャさい」
「ああ、おやすみ」
頭のうしろで、ちゅ、という音。この男はわたしの事を完全に猫だと思っている。猫じゃなくて爬虫類、昆虫の類であればこんな風に可愛がったりしないくせに。
大きな虫に変身したら面白そうだ。学生の頃、そういう小説を読んだ覚えがあるけど、きっとジオルドは驚いてわたしを公爵家から追い出すことだろう。虫になってみたいな……。
ええと。
主人公のアレクサンドラは18歳。王太子の婚約者になったところから物語が始まるらしい。
しばらく読んでいたが、ふと顔を上げると向かい側でジオルドも同じ本の三巻を読んでいた。
暇なの? 公爵って仕事ないの?
「……ジオルド様。仕事はいいんですか」
「今日は休暇だから問題ない」
「オルタ大学の過去問とかあります?」
「ああ、後でシュウに届けさせる。あ、そうだ」
ジオルドはおもむろに立ち上がり、ドレッサーの方に手を伸ばした。散らばっていた髪の毛が結界内に閉じ込められ、一瞬で灰になる。わたしはぽかんと見ているしかなかった。
ジオルドは魔力の化け物だ。精霊は契約者の魔力を食いながら生きているのに、ジオルドはシュウを従えた上で魔術も行使している。
瞳の色が黒に近いほど魔力が高いと言われているけど本当のようだ。ジオルドの瞳は濃紺だから。
わたしがシュウと契約したら、数時間で干からびて死んでしまうだろう。いや、契約さえ出来ないかもしれない。精霊は魔力の低い者の呼びかけなど無視するらしいから。
首元で黒い宝石が揺れている。
きっとジオルドにとってはわたしもシュウも同じようなものなんだ。飼い猫みたいなものなんだ。
だから首輪なんか付けたんでしょう?
美しい青年は平然と椅子に座り、また本を読み始めた。今やった事など日常茶飯事だとでも言う顔で。
わたしは本を読みながらぼんやりと考える。
大学に通えと簡単に言うけど、魔術薬学科は結構な費用が掛かるはずだ。ジオルドが払ってくれるんだろうか。
まさかわたしの借金になったりはしないよね?
―――いや、あり得る。任務終了時点で「立て替えておいただけだ、お前が払え」なんて言いそうだ。入学できるようにしっかり勉強して、将来に備えておこう。
わたし達は夕食まで黙々と本を読んだ。
本の中のアレクサンドラは王太子に愛されていない様子で、読んでいると暗い気分になった。
何故なのか、ジオルドはわたしの部屋で夕食を取った。
起きている時間のほとんどを変態男と一緒に過ごすというのはストレスが溜まるものだ。
シュウに他の使用人はいないのかと聞くと、シェフとメイドが数人だけとの事だった。こんなに広い屋敷なのに人間が十人以下なんてどうかしている。人間嫌いにも程があると思う。
シュウから浴室の場所を教えてもらい、体を洗った。首都内は下水道が完備されているが、この屋敷はどういう仕組みなのか、金属製のレバーを引くだけで蛇口からお湯が出てくる。
庶民なんか冬でも滅多にお湯を使わないのに。この魔術回路を国中に広めたら、他の人ももっと豊かに暮らせるんじゃないだろうか。その前に高価すぎて手が出せないか……。
髪の毛を拭きながら部屋に戻ると、当たり前のようにジオルドがソファに座って寛いでいる。
いつまでこの部屋にいるの?
部屋から服から全部貸してもらっておいて何だけど、ちょっとぐらい自分の部屋に戻って欲しいんですけど。
「俺も風呂に入ってくる。ちゃんとこの部屋で待ってるんだぞ」
「はぁ」
奴がいない間、またアレクサンドラの本を読んだ。どうやら王太子には好き合う相手がいるようだ。可哀相なアレクサンドラ。どうするつもりなんだろう。
知らず知らずの内に、本に引き込まれていたらしい。気が付いた時には後ろから「猫になれ」という声が聞こえていた。
寝間着の中でうにゃうにゃしているわたしを大きな手が抱き上げて運んでいく。足に引っかかった下着を椅子の上にぽい、と投げられた。デリカシーも何もない。
華美で大きな扉を開け、ジオルドの部屋に連れ込まれる。バタン、というドアの音がやけに耳に響いた。猫とは言え、成人した男性と一緒に寝るのは抵抗がある。嫌だな。
ジオルドはわたしを抱きしめたままベッドに寝転がった。仰向けになった奴のお腹の上で、背中とか頭とかぐりぐり撫でられる。首を触られると勝手にのどの奥から「ぐるるる」と変な声が出た。
「気持ちいいか?」
「…………」
この状況で変な台詞を言わないで欲しい。
黙っているとジオルドはしつこくわたしの喉をくすぐった。
「ぐる、ぐるる……もうニャめてくださいニャ」
「……たまらないな。可愛いぞ、ノア」
地位も名誉もお金もある美青年が、ベッドの上で黒猫に愛を囁いている。なんて寂しい奴なの。ちょっと気の毒になってきたし、サービスでもしてやろうか。
わたしは舌を伸ばし、ジオルドのあごをぺろっと舐めてあげた。
「……あまり煽るな。どうなっても知らんぞ」
「ニャ? あれ、お尻にニャにか当たってます。ニャに?」
「見てもいいけど後悔するなよ」
「……やめときますニャ」
怖い。
絶対に後ろは振り返らない!
わたしはぎゅっと目を閉じた。
ジオルドは体を横に倒し、わたしの後頭部に顔をうずめている。
「なぁノア……お前は俺以外の男とキスをしたことがあるのか?」
「そりゃありますニャ。―――ひっ」
答えた途端、背後から凍りつきそうな殺気が流れてきた。
背筋がぞわぞわする。首にナイフを当てられてるみたい!
「わ、わたしだってもうすぐ19歳ですニャ。キスぐらいしますニャ!」
「……まぁそれはそうか。じゃあ男に抱かれたことは?」
「…………」
「ないのか」
うるっさいな。仕事じゃあるまいし、経験があればいいってもんじゃないでしょ。だいたいそんな事を女性に聞くなんて失礼すぎるわよ。
ジオルドは「そうか、そうか」と一人で何かを納得している。心なしか声が弾んでいるのが気に食わない。悪かったね。あなたみたいに酒池肉林とは行かないのよ。そんなお金もないしね。
「もう寝ますニャ。おやすみニャさい」
「ああ、おやすみ」
頭のうしろで、ちゅ、という音。この男はわたしの事を完全に猫だと思っている。猫じゃなくて爬虫類、昆虫の類であればこんな風に可愛がったりしないくせに。
大きな虫に変身したら面白そうだ。学生の頃、そういう小説を読んだ覚えがあるけど、きっとジオルドは驚いてわたしを公爵家から追い出すことだろう。虫になってみたいな……。
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