私との婚約は、選択ミスだったらしい

柚木ゆず

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第1話 やったぞ!~リナスへの報告~ ケヴィン視点(2)

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((……変だな……?))

 婚約と結婚に関する楽しい話を始めて、およそ2時間後。その間に俺は何度も、心の中で首を傾げていた。


『リナス、君を紹介するパーティーはいつにしようか? 俺は来週ならいつでも構わないが、そっちはどうだい?』
『来週は何も予定が入っていませんので、お兄様にお任せします。これからもこれまでも、お兄様についていかせていただきます』
『リナス……っ。なんて嬉しい事を言ってくれるんだ――ってあれ? そういえば来週は、ヴァイオリンとダンスのレッスンと、お茶会が2度あったはずじゃ?』
『はい、その予定でした。それらはどれもが、先方の都合でキャンセルになっているんです』


『式は、いつどこでしようか? 俺は1年後の6月、ジューンブライドを考えているんだけどどう思う?』
『素敵な時期を考えてくださり、ありがとうございます。ですが、お兄様。私は、3か月後がいいなと思ってます』
『3か月後!? 式場の確保や招待状の送付などは、ギリギリ済ませられるが……。ドレスは間に合わないぞ?』
『ドレスは、レンタルのもので構いません。ランドル家の人々おじ様達にご迷惑をおかけしたお詫びに、わたしに関する出費は抑えたいんです。この時期はレンタル料が安いので、貴族――侯爵家の式には、相応しくはないと思うのですが……。そうしていただければなと、思います』


 などなど。何度もリナスの優しさと『らしさ』を感じられる、素晴らしい時間を過ごすことができた。
 の、だけれど……。

((……変だな……?))

 何か、違和感があるような気がする。
 どこがどんな理由でおかしいのか、それは分からない。だが、何かが、確かにあるように思える。

((こんな事は、初めだ。普段は、こんな風にはならないのに……。今日は一体どうしたというんだ……?))
「??? お兄様? ボーっとされていますが、どうかされましたか? ……もしかして、やはり……。無理をして、わたしと婚約をしてくださったのでは……?」
「違う違うっ、つい考え事をしていただけだよ! ごめんごめん、勘違いさせて悪かったっ。こういうことは頭から追い出して集中するよ!」

 誤解を与えては大変だ。そこでそういったものを全て脳内から抹消し、

「お兄様。式に関する我が儘を、受け入れてくださいますか……?」
「ああ、君の意思を尊重しよう。3か月後、レンタルで、話を通しておくよ」

 更に話を詰めて、婚約と結婚にまつわるアレコレは全て決定。そうしている間に午後の5時となっていて、この時間ならもう、父さんのもとにエマ達が行って帰っている――面倒な話は終わっている。
 そこで俺はこの件を父さんに伝えるべく、最愛の人と別れて家へと戻ったのだった。


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