私との婚約は、選択ミスだったらしい

柚木ゆず

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第5話 そういうことだったのね~もう一つの楽しみ~ リナス&俯瞰視点

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((…………なるほどね。プレゼントが20万ルピスのネックレスになっていたのは、そういった理由があったのね))

 不可思議な現状の原因は、調査を始めて3日後に把握できた。
 ――『挙式費用などの自己負担と家族の支援の禁止』――。
 それが、ああなっていた理由。彼には大きな負担があったため、ポケットマネーが底をつきかけていたみたい。

((ケヴィンは去年の時点で、何千万ルピスも所有していると知っていた。だからおかしいと思っていたのよね))

 彼に豪遊する趣味はないし、エマに大金を注いでいる様子もなかったし。たった1年で全てが溶けてしまうはずはなくって、本当に不思議だったのよね。

((エマへの心変わりのせいでこんなことになって、そのせいで暫くは欲しいものが手に入らなくなって。こんな状況を引き起こしたケヴィンには、腹が立つ。でも――。そういうことなら、騙されたフリをして我慢してあげましょうか))

 あの人は投資の面だけは・・・非常に優秀で、待っていれば確実に利益が出る。時間が経てばお金が沢山入ってくる。つまり辛抱していれば、もっと華やかな毎日になるんだものね。
 侯爵家次期当主夫人となったことで、ちょうど別の楽しみもできていることだし。それまでは、そっちを満喫するとしましょうか。

 わたしが所属する、『ガーベラの会』のお茶会。ヴァイオリンの先生と教え子たちで行う、『フォルティッシモの会』のお茶会。前者のメンバー4人、後者のメンバー6人の中で、わたしは一番の格下。
 いっつも、ペコペコしていなければいけなかった。

 でもケヴィンと結婚したことで、逆転。わたしが一番の格上となった。
 なのでこれからは、彼女達がペコペコする番。いままでずっとさり気なく威張っていた連中に気を遣わせ、その様を眺めて楽しみましょう。

((2日後はガーベラの会の茶会があって、4日後はフォルティッシモ))

 ハネムーンやケヴィンとの外出、親族への挨拶周りなどがあって、次期侯爵夫人となってからは、まだ一度も参加できていない。
 ふふふふふ。2日後と4日後が、楽しみだわ。

((伯爵家のご令嬢様達・・・・・は。いったい、どんな反応を見せてくれるのかしらね))


 〇〇


 そうして上手く軌道を修正し、お茶会へと狙いを定めたリナス。
 ですが、彼女はまだ知りません。
 今回のケヴィンの金欠が、そしてこれまでの自らの行いが、この日常が崩壊する切っ掛けとなってしまうことに――。

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