私との婚約は、選択ミスだったらしい

柚木ゆず

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第6話 ロバンから父(前当主)へのお願い~愚かな親と唯一の常識人~ 俯瞰視点

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「では、早速ですが本題に入らせていただきます。…………そろそろ、我が息子ケヴィンへの件を解除してはいただけないでしょうか?」

 とある日の夕刻。閑静な場所に建つ、地位に比べると控えめな大きさの邸宅。その1階にある応接室で、ロバンは恐る恐るお伺いを立てていました。
 テーブルを挟んで対面に居る、老いさえも威厳へと変えてしまう老人。彼こそがロバンの父でありケヴィンの祖父、前当主キリルでした。

「結婚から、およそ半年が経ちました。息子は己の身勝手をしかと反省し、以後は真っ当に生きております。ですのでどうか、ケヴィンの悪行をお許しいただけないでしょうか?」
「駄目だ。まだ許すわけにはいかぬ」

 即答。一切の逡巡なく、その首は左右に1度だけ振られました。

「ち、父上っ。ケヴィンは前婚約者であるエマくんに謝罪の手紙を送るなど、表向きだけではなく、心から猛省しております。……結婚に関する費用の一切を負担し、財政的にも苦しんでおりますし……。妻リナスの幸せのためにも、どうかお考え直しを……っ」
「ロバンよ、何を言われても変わらんよ。……お前は反省をすれば、なんでも許されると思うのか?」
「そ、それは……」
「あやつが行ったことは、この上なく自己中心的。円滑に解消が進んだのは、サーレル嬢の呆れが原因じゃ。彼女を翻弄した罪は、その程度では打ち消されん。本来なら廃嫡となっておるところなのだぞ?」

 実際にキリルは、そう命じるつもりでした。しかしながらロバンが『あと一度だけチャンスをください!』『次に何かあった場合は、親子共々責任を取ります!』と懇願したため、そして――。キリル自身そうしておいた方が様々な意味・・・・・でよいと感じたため、温情を与えられていたのでした。

「お前は――お前達はどうも、己の過ちをしかと理解できていないようだな? ならば、更なる仕置きが必要か――」
「もっ、申し訳ございませんでした!! 金輪際、こういった真似は致しません!! 父上がよいと仰られるまで現状を維持いたします!!」

 キリルは、やると言ったらやる人間。そのためロバンは顔面蒼白になりながら頭を下げ、ものすごい勢いで立ち上がって逃げるようにこの場を去りました。
 そうして、父の説得作戦は大失敗に終わり――


  〇〇


「くそ……っ。これじゃあ、いつまで経ってもリナスが欲しがっていたアレを買ってやれない……っ。…………奥の手を、使うか……」

 その結果――。
 ケヴィン、リナス、父ロバン。3人を崩壊へといざなうメロディーが、静かに流れ始めたのでした。

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