私との婚約は、選択ミスだったらしい

柚木ゆず

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リナス編 リナスのその後~運命的な出会い~ 俯瞰視点(3)

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「いや~、今日は良い日だっ。幸せな日だっ! よかったっっ! 最高だっっ‼」

 お兄さんに一目惚れをしています――。その発言が出てから、およそ1時間後。ケヴィンは上機嫌でビールを煽り、満面の笑みを浮かべていました。

「ねえっ。もう1回! もう1回だけっ! さっきも言ったばかりだけどさっ、また言わせてもらってもいいかなっ? いいよなっ? また言わしてもらうぞぉっ!」
「はい、どうぞ。言って、ください」
「ありがとうっ! 感謝するっっ! いや~っ。ちょうど・・・・俺はフリーになっていて、そんなタイミングで美女が現れてさっ! おまけに俺の彼女になってくれたっ。ホント最高っ! 最高っっ! 最高だぁっ!!」
「もぅ、お兄さんってば。最高を言い過ぎですよ。……実際に、わたし的にもそうなんですけど……っ」

 リナスはわざと赤面を作り、そのあともケヴィンが喜ぶ言葉を連発。しっかりと場を温め、同棲を提案する準備を行います。
 とにかく、相手を褒めて。気持ちよくして。そして時折、どこか困っているような素振りを見せて。着々と土台を作っている、そんな時でした。


「………………実は、俺さ。前の女に、陥れられたんだよ」


 酔いが回ってきたケヴィンが、ぽつりと呟きました。
 さっきまでの上機嫌は突然、すっかり鳴りを潜めてしまって。そんな状態で、ぽつりと呟きました。

「その女とは、幼馴染だったんだけどさ……。ずっと俺に見せていた、清楚潔白な妹、ってのは偽物で……。全部、何もかもが、俺を利用するための演技だったんだよ……」
「……そう、なんですね……。ひどい……」

 アンタの過去になんてどうでもいい――。興味はない――。こっちまで暗くなりそうな雰囲気を出すな――。そう感じてはいますが、土台を作っている最中です。
 そのため、しぶしぶ。親身になっているフリをして俯きがちになり、引き続き話を聞くことにしました。

 ケヴィンの過去の話を、聞くことにしてしまったのでした――。
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