お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?

柚木ゆず

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第13話 末路・妹の場合 ニネット視点

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「……お父様とお母様と協力をして、上手く立ち回れば……。エドモン様抜きでも、その『何か』を乗り切れる……?」

 あんな自惚れゴリラ男とは、これ以上一緒にいたくない。そんな地獄を回避するために別の方法を考えて、すぐに答えが出てしまう。

「…………だめ……。無理ですわ……」

 なぜなら相手は、侯爵家の中でも有力なエズラル家。そんな圧倒的な格上が、本気になって宣告したんですもの。子爵家がどう足掻いても、叶うはずがありませんわ……。

「じゃ、じゃあ……。敢えてその『何か』を受けて、乗り切る……? 耐えることに全てを注いだら、立て直せるはず――ううん……。それも無理ですわ……」

 字は激しく震え、なりふり構わず必死に助けを求めてくる。それほどまでの恐怖を、怒りを、向けられているんですもの。
 フレデリクは直接、手を下さないみたいだけど……。きっと……。一家が全滅するほどのことが、起きてしまうのですわ……。
 だって! そうじゃないとっ。そんなにも激怒している人がっ、納得するはずないんですものっっ!

「だ、だったら。だったら……。わたくしが生き残るには……。ここに居続けるしか、ない……? エドモン様と結婚するしか、ない……?」

 その答えもすぐに出てきて、ソレはYES…………。
 ダーファルズ家の人間はバカばかりだけど、力があるのは確か。そしてわたくしの顔と体を気に入っているのだから、この方の傍にいれば、しっかりとわたくしを守ってくれますわ。

「で、でも……。そうすれば……」

 自惚れていて我が儘で性欲が盛んな、常識のないゴリラ男。こんな最低な人と、いつまでも過ごさないといけなくなる。
 地獄のような時間が、続くことになってしまう。

「でも、でも……っ。そうしなければ……」

 わたくしはほぼ間違いなく、消されてしまう。もうじきわたくしの人生は、終わってしまう……。

「そっ、そんなのは嫌! 絶対にいやぁあぁぁぁ!!」

 だから……。そうするしか、なくって……。


「こんな優れた美男と、いつまでも同じ時間を過ごせるだなんて。ニネット、お前は幸せ者だな」
「え、ええ。これ以上の幸福は、ありませんわ。おほほほほほほほほっ」

「ニネット。俺の膝へ来い」
「畏まりましたわ。失礼しま――きゃっ。……もう、エドモン様ったら……っ」


 わたくしは、今日も……。ゴリラ男に体を触られ、愛想笑いを返して……。
 こんな、下品でブサイクな男と……。一生、過ごさないといけなくなってしまったのでした…………。

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