お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?

柚木ゆず

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第14話 縋る2人と揉める3人 俯瞰視点(2)

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「わたくしがエドモン様に夢中になっていたのは、アンジェリーヌの恋人だと思っていたから。奪い取れたと思い込んでいたから。……そのせいでっ。あんなにも気持ち悪い男から一生、逃れられなくなったんですわ……!!」

 手紙を読んで、全てに気が付いたこと。逃げようとしたけれど逃げられなかったこと。それらを語ったニネットは、改めてガレオとナディアを睨みつけました。

「お前達がわたくしを止めてくれていたらっ、こんなことになっていなかったっっ!! きっと今ごろ本当に素敵な人が隣に居てっ、その人が守ってくれていたのにっ‼ こんな毎日にっ、人生になったのはっ! お前達のせいよ!!」
「なっ……っ。なっ、何を言う!! 我々は止めようとしたじゃないか!!」
「何度も説得を試みてっ、仕方なく強引に引き離そうとしたでしょうっ!! わたし達は必死に動いていたわっ!! 台無しにしたのはあなたじゃないの――」
「もっと必死になって止めていたら気付けたのよ!! どうしてしっかりとやらなかったのよっ!! やると決めたら最後までやり通そうとしなかったのよ!?」

 この話は、エドモンに聞かれたら困るもの。そこでニネットは警備の人間を一時的に退かせており、門を守る者はいません。そのため彼女は自ら乱暴に門を少しばかり開き、目を剥いて2人に掴みかかりました。

「どうしようもないゴリラ男だって分かってたんでしょう!? だったらおかしいと思うでしょ普通っ!? なんであのくらいで諦めるのよ!!」
「あのくらいだと!? お前がエドモン様に告げ口をしてっ、脅迫されることとなったんだぞ!? あれ以上できるはずがないだろうが!!」
「八つ当たりをしないで頂戴!! ぜんぶ貴方の自業自得よ!!」

 怒りたいのは、ガレオとナディアも同じ。2人もまた目を剥いて掴みかか――ろうとしますが、止まります。
 事情がどうであれ、エドモンにとってニネットは愛する人。そんな人間に手を出してしまったら、今度こそエドモンに目をつけられてしまうのです。

「「ぐ……っ」」
「あらあらっ、バカでもちゃんと気付けたようねっ! じゃ~ぁ、これはわたくしからのご褒美よっ!!」

 理不尽な怒りが爆発している、ニネット。彼女はガレオとナディアに平手打ちを行い、2人を力任せに突き飛ばしました。

「ぐぁ……っ」「きゃぁ……っ」
「この程度じゃ気が済まなくて、エドモン様に頼んで抹殺してもらいたいくらいなの。でもそうしたら、きっとフレデリクは満足しないもの。お前達の処分は、あっちに任せるわ」

 両方ともにあの男のシナリオ通りに進まなかったら、予想外の何かが――エドモンでも対応できないことが、起きてしまうかもしれない。ニネットにとって両親は、それを防ぐための生贄なのでした。

「あいにくとわたくしは参加できないけれど、貴方はしっかりと参加できるんですもの。素敵なイベントを、楽しんでねぇ」
「たっ、頼むっ!! 我々を助けくれっ!! これまでずっと可愛がってきたじゃないかっっ!! その分を――」
「嫌よ。……だってわたくしだけ苦労するなんて、おかしいじゃないの。わたくし以上に苦労して、絶望してもらいますわ」

 そうしてニネットは身を翻し、警備の人間に『排除』の指示を出します。そのためガレオとナディアは門の前にさえ留まれなくなり、その後2人は――

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