20 / 41
第8話 二つの仕込みが、花となる エリック視点 (4)
しおりを挟む
「おかしな点ばかりですわ。振り返ってみると、あの夜遅く帰ってきたのだって不自然。あんなにも唐突に異様なワガママを言い出すなんて、有り得ない。本当に、わたくしが本命ですの?」
引き続き、俺への信頼がなくなってしまった目で……。リウはこちらを、鋭く睨みつける。
「あの女と関わっている間に愛が芽生えて、ずっと両方に都合のいい事を言っていた。何らかの切っ掛けで、一週間前からあの女に傾いてしまった。そうなんじゃないですの?」
「それは有り得ない! 何度も言っているように、今も昔も君以外は見えていないよ!」
「だったらなぜ、こんなにも高額なんですの? 合わせて300万ものものを、要望に応えて買っていますの?」
「だからっ! アイツが我が儘を言い出したんだよっ! あの時は――一週間前も予想外が続いて、本当にビックリしたんだっ! 何回も読みが外れて気が付いたら断れない状況になっていて、こうなってしまったんだよ!」
操り人形の糸を手放したことが原因で、制御が出来なくなっていた。もう退くことはできなかったんだ。
「異様な我が儘を言い出す際は、必ず前兆があるとは限らない! 人間は十人十色で、色んな人がいるんだよっ!」
「……………………」
「君も、君の両親も、俺も、俺の両親もそうっ。全員好物や趣味が違っていて、みんな性格が違っている! これと同じなんだよっ! アイツは本当に、突然ああなってしまったんだよっっ‼」
「……………………」
俺は、理路整然とした発言をしている。実際、何一つ嘘は言っていない。
なのに、リウの表情は変わらない。本当のことを口にしているのに、信じてくれはしない……っ!
「っ。っっ! なぜ、なんだ……? なぜ、なんだよ……?」
その思いが俺の足を無意識的に前へと動かし、気が付くと彼女の眼前で言葉を紡いでいた。
「リウ……。リウ……っっ。俺は、こんなにも君を愛しているのに……っ。どうして信じようとしてくれないんだっ!?」
なぜなんだ!?
俺の判断が余計に混乱させたのは分かっている! だけどそこには、君への配慮しかないんだ!!
俺は今までずっとずっと、君に愛を持って接してきたんだよ!? それは記憶を振り返ってみれば分かるはずだっ!!
なのになぜっ! なぜなんだ!? なぜそう決めつける!?
愛する人の言葉は、無条件で信じられるものじゃないのか!?
もしかしてっ! 君の方が俺を心から愛していなくって、何もかもが偽りに見えているんじゃないのか!? 濁って見えるのは、見ようとするその目が濁っているからじゃないのか!? そうなんだろう!?
なあっ!! そうなんだろう!?
おもわず感情が爆発してしまい、そんなことを思って。そして――。俺は無意識のうちに、その全て口に出してしまっていた。
引き続き、俺への信頼がなくなってしまった目で……。リウはこちらを、鋭く睨みつける。
「あの女と関わっている間に愛が芽生えて、ずっと両方に都合のいい事を言っていた。何らかの切っ掛けで、一週間前からあの女に傾いてしまった。そうなんじゃないですの?」
「それは有り得ない! 何度も言っているように、今も昔も君以外は見えていないよ!」
「だったらなぜ、こんなにも高額なんですの? 合わせて300万ものものを、要望に応えて買っていますの?」
「だからっ! アイツが我が儘を言い出したんだよっ! あの時は――一週間前も予想外が続いて、本当にビックリしたんだっ! 何回も読みが外れて気が付いたら断れない状況になっていて、こうなってしまったんだよ!」
操り人形の糸を手放したことが原因で、制御が出来なくなっていた。もう退くことはできなかったんだ。
「異様な我が儘を言い出す際は、必ず前兆があるとは限らない! 人間は十人十色で、色んな人がいるんだよっ!」
「……………………」
「君も、君の両親も、俺も、俺の両親もそうっ。全員好物や趣味が違っていて、みんな性格が違っている! これと同じなんだよっ! アイツは本当に、突然ああなってしまったんだよっっ‼」
「……………………」
俺は、理路整然とした発言をしている。実際、何一つ嘘は言っていない。
なのに、リウの表情は変わらない。本当のことを口にしているのに、信じてくれはしない……っ!
「っ。っっ! なぜ、なんだ……? なぜ、なんだよ……?」
その思いが俺の足を無意識的に前へと動かし、気が付くと彼女の眼前で言葉を紡いでいた。
「リウ……。リウ……っっ。俺は、こんなにも君を愛しているのに……っ。どうして信じようとしてくれないんだっ!?」
なぜなんだ!?
俺の判断が余計に混乱させたのは分かっている! だけどそこには、君への配慮しかないんだ!!
俺は今までずっとずっと、君に愛を持って接してきたんだよ!? それは記憶を振り返ってみれば分かるはずだっ!!
なのになぜっ! なぜなんだ!? なぜそう決めつける!?
愛する人の言葉は、無条件で信じられるものじゃないのか!?
もしかしてっ! 君の方が俺を心から愛していなくって、何もかもが偽りに見えているんじゃないのか!? 濁って見えるのは、見ようとするその目が濁っているからじゃないのか!? そうなんだろう!?
なあっ!! そうなんだろう!?
おもわず感情が爆発してしまい、そんなことを思って。そして――。俺は無意識のうちに、その全て口に出してしまっていた。
15
あなたにおすすめの小説
学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?
今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。
しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。
が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。
レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。
レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。
※3/6~ プチ改稿中
婚約者は迷いの森に私を捨てました
天宮有
恋愛
侯爵令息のダウロスは、婚約者の私ルカを迷いの森に同行させる。
ダウロスは「ミテラを好きになったから、お前が邪魔だ」と言い森から去っていた。
迷いの森から出られない私の元に、公爵令息のリオンが現れ助けてくれる。
力になると言ってくれたから――ダウロスを、必ず後悔させてみせます。
甘やかされた欲しがり妹は~私の婚約者を奪おうとした妹が思わぬ展開に!
柚屋志宇
恋愛
「お姉様の婚約者ちょうだい!」欲しがり妹ルビーは、ついにサフィールの婚約者を欲しがった。
サフィールはコランダム子爵家の跡継ぎだったが、妹ルビーを溺愛する両親は、婚約者も跡継ぎの座もサフィールから奪いルビーに与えると言い出した。
サフィールは絶望したが、婚約者アルマンディンの助けでこの問題は国王に奏上され、サフィールとルビーの立場は大きく変わる。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
★2025/11/22:HOTランキング1位ありがとうございます。
【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。
❄️冬は つとめて
恋愛
「ルミナス、すまない。カノンが…… 」
「大丈夫ですの? カノン様は。」
「本当にすまない。ルミナス。」
ルミナスの婚約者のオスカー伯爵令息は、何時ものようにすまなそうな顔をして彼女に謝った。
「お兄様、ゴホッゴホッ! ルミナス様、ゴホッ! さあ、遊園地に行きましょ、ゴボッ!! 」
カノンは血を吐いた。
永遠の誓いをあなたに ~何でも欲しがる妹がすべてを失ってからわたしが溺愛されるまで~
畔本グラヤノン
恋愛
両親に愛される妹エイミィと愛されない姉ジェシカ。ジェシカはひょんなことで公爵令息のオーウェンと知り合い、周囲から婚約を噂されるようになる。ある日ジェシカはオーウェンに王族の出席する式典に招待されるが、ジェシカの代わりに式典に出ることを目論んだエイミィは邪魔なジェシカを消そうと考えるのだった。
初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
王子に買われた妹と隣国に売られた私
京月
恋愛
スペード王国の公爵家の娘であるリリア・ジョーカーは三歳下の妹ユリ・ジョーカーと私の婚約者であり幼馴染でもあるサリウス・スペードといつも一緒に遊んでいた。
サリウスはリリアに好意があり大きくなったらリリアと結婚すると言っており、ユリもいつも姉さま大好きとリリアを慕っていた。
リリアが十八歳になったある日スペード王国で反乱がおきその首謀者として父と母が処刑されてしまう。姉妹は王様のいる玉座の間で手を後ろに縛られたまま床に頭をつけ王様からそして処刑を言い渡された。
それに異議を唱えながら玉座の間に入って来たのはサリウスだった。
サリウスは王様に向かい上奏する。
「父上、どうか"ユリ・ジョーカー"の処刑を取りやめにし俺に身柄をくださいませんか」
リリアはユリが不敵に笑っているのが見えた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる