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第11話 裁きの時 エリック視点 (1)
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「エリック・ミオファ。貴様達の企みは、とうに把握しているぞ?」
「た、たくらみ……? なっ、なんの事でしょうか? 皆目見当もつきま――」
「サーハル家所有の葡萄畑と製造所を狙った、婚約と結婚、そして殺害計画。とうに把握していると、言っただろう?」
閣下は俺、両親、リウを見回し、懐から取り出した一枚の紙を突きつけてくる。
そこには、俺達4人の捕縛を許可する旨が記されていて……。最後には、国王陛下の判が捺されている……。
「サーハル家当主に頼まれ、調査に3日間。証拠の確保に1週間で、合計10日間。貴様が水面下で多方面に動いていたおかげで、実にスムーズに事が運んだぞ」
「そ、そんなにも前から、閣下は気付いて――当主に頼まれてだって!? じゃっ、じゃあまさか――」
「はい、そうです。私は名前を呼び間違えた日に怪しみ、その次にお会いした時は確信していたのですよ」
身体ごとヤツへと向けると、リナは一歩前に出て頷いた。
「目論見は理解していましたが、証拠の確保にはお時間が要ります。ですのでその間に私は、貴方に『お返し』をさせてもらっていたのですよ」
「だ、だから……っ。だからだったのか……っ。あの時からお前の様子がおかしかったのは、俺を陥れようとしていたんだな……っ」
「私に対する事は、私のせいでもあるので構いません。けれどお母様が愛した土地とお父様を狙った事は、許せません。……ですので色々と勉強をして、色々な方向に貴方を振り回していました」
あの時引き留めたのも! アクシーに入ってペアネックレスを強請ったのも! パーティー会場で好き勝手振る舞ったのも!
何もかもが、故意……っ。あんな風にリウとの関係が壊れたのも、コイツのせいだったのか……!!
「お前のせいでっ! お前のせいでっっ!! 俺は――俺達はっ、酷い目に遭ったんだぞ……っっ。よくも騙しやがったな……っっっ!!」
「貴方が何もしなければ、私も何もしませんでした。自業自得、お門違いですよ」
「きっ、貴様……っっ! いけしゃああしゃと――」
「はぁ。あの愚者を捕らえてくれ」
閣下が顎をしゃくると2人の兵士が動き出し、あと少しのところだったのに……っ。殴りかかろうとしていた拳はヤツに届かず、拘束されてしまった。
「離せっ! はなせっ! はなせぇっ!!」
「逆上している輩を、野放しにする者などいない。それにそもそも、お前は罪人なのだ。どの道こうなる運命だったのだよ」
閣下は静かに俺の前へと歩み寄り、懐から新たに紙を3枚取り出した。
「確証がある故、すでに処罰の内容は決まっている。まずは、リウ・マーズ。貴様の身柄は、カズル修道院が10年間預かる事となった」
「カズル修道院!? いっ、嫌ですわっ! 閣下っ! 閣下ぁっっ! どうかわたくしにご慈悲を……っ!!」
カズル修道院は『修道院』とついているものの、実態は罪人の矯正施設。内部では厳しい指導が行われていて、どんな悪人でも3日で心を入れ替えるという場所だ。
そんなところへ、10年だなんて……。リウが泣き叫ぶのも、無理はない……。
「わたくしは見て見ぬふりをしただけっ! 手を貸してはいませんわっ! 考え直してくださいませ……!!」
「リウ・マーズよ。企みを知って嬉々としていたのであれば、それは罪となる。貴様も加害者の一角なのだよ」
「そんなっ! わたくしはエリックに話を合わせていただけっ!! 彼に逆らうと何をされるか分からなくて、怖かったから!! 仕方なく演技を――」
「心境の真偽も、すでに確認済みだ。この者を連れて行ってくれ」
「いっ、いやぁっ!! いやぁああああっ!! やめぇぇぇぇぇっ!! いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………」
リウは喉が裂けんばかりに悲鳴を上げ、絶望のあまり途中で失神……。白目を剥いてしまった彼女はズルズルと引きずられてゆき、扉の向こうに消えてしまった……。
「た、たくらみ……? なっ、なんの事でしょうか? 皆目見当もつきま――」
「サーハル家所有の葡萄畑と製造所を狙った、婚約と結婚、そして殺害計画。とうに把握していると、言っただろう?」
閣下は俺、両親、リウを見回し、懐から取り出した一枚の紙を突きつけてくる。
そこには、俺達4人の捕縛を許可する旨が記されていて……。最後には、国王陛下の判が捺されている……。
「サーハル家当主に頼まれ、調査に3日間。証拠の確保に1週間で、合計10日間。貴様が水面下で多方面に動いていたおかげで、実にスムーズに事が運んだぞ」
「そ、そんなにも前から、閣下は気付いて――当主に頼まれてだって!? じゃっ、じゃあまさか――」
「はい、そうです。私は名前を呼び間違えた日に怪しみ、その次にお会いした時は確信していたのですよ」
身体ごとヤツへと向けると、リナは一歩前に出て頷いた。
「目論見は理解していましたが、証拠の確保にはお時間が要ります。ですのでその間に私は、貴方に『お返し』をさせてもらっていたのですよ」
「だ、だから……っ。だからだったのか……っ。あの時からお前の様子がおかしかったのは、俺を陥れようとしていたんだな……っ」
「私に対する事は、私のせいでもあるので構いません。けれどお母様が愛した土地とお父様を狙った事は、許せません。……ですので色々と勉強をして、色々な方向に貴方を振り回していました」
あの時引き留めたのも! アクシーに入ってペアネックレスを強請ったのも! パーティー会場で好き勝手振る舞ったのも!
何もかもが、故意……っ。あんな風にリウとの関係が壊れたのも、コイツのせいだったのか……!!
「お前のせいでっ! お前のせいでっっ!! 俺は――俺達はっ、酷い目に遭ったんだぞ……っっ。よくも騙しやがったな……っっっ!!」
「貴方が何もしなければ、私も何もしませんでした。自業自得、お門違いですよ」
「きっ、貴様……っっ! いけしゃああしゃと――」
「はぁ。あの愚者を捕らえてくれ」
閣下が顎をしゃくると2人の兵士が動き出し、あと少しのところだったのに……っ。殴りかかろうとしていた拳はヤツに届かず、拘束されてしまった。
「離せっ! はなせっ! はなせぇっ!!」
「逆上している輩を、野放しにする者などいない。それにそもそも、お前は罪人なのだ。どの道こうなる運命だったのだよ」
閣下は静かに俺の前へと歩み寄り、懐から新たに紙を3枚取り出した。
「確証がある故、すでに処罰の内容は決まっている。まずは、リウ・マーズ。貴様の身柄は、カズル修道院が10年間預かる事となった」
「カズル修道院!? いっ、嫌ですわっ! 閣下っ! 閣下ぁっっ! どうかわたくしにご慈悲を……っ!!」
カズル修道院は『修道院』とついているものの、実態は罪人の矯正施設。内部では厳しい指導が行われていて、どんな悪人でも3日で心を入れ替えるという場所だ。
そんなところへ、10年だなんて……。リウが泣き叫ぶのも、無理はない……。
「わたくしは見て見ぬふりをしただけっ! 手を貸してはいませんわっ! 考え直してくださいませ……!!」
「リウ・マーズよ。企みを知って嬉々としていたのであれば、それは罪となる。貴様も加害者の一角なのだよ」
「そんなっ! わたくしはエリックに話を合わせていただけっ!! 彼に逆らうと何をされるか分からなくて、怖かったから!! 仕方なく演技を――」
「心境の真偽も、すでに確認済みだ。この者を連れて行ってくれ」
「いっ、いやぁっ!! いやぁああああっ!! やめぇぇぇぇぇっ!! いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…………」
リウは喉が裂けんばかりに悲鳴を上げ、絶望のあまり途中で失神……。白目を剥いてしまった彼女はズルズルと引きずられてゆき、扉の向こうに消えてしまった……。
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