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第12話 再会と、その先にあるもの リナ視点 (2)
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「『婚約者エリックは社交界でも有名な好青年で、悪い噂が一つもない』。そして、『リナちゃんが愛する相手に探りを入れるのは失礼』。そのような理由で、安全確認を怠ってしまいました。僕は、まだまだですよ」
レオ様は苦笑いを浮かべ、すぐに私が否定をしたのですが――。その考えを撤回されることは、ありませんでした。
「だからその反省を込めて、この件が解決するまでは正体を伏せていたんだ。『どんな時でも、どんな人間が相手でも、リナちゃんを守れる男になるまでは会わない』、そう決めていたからね」
「こやつはそうと決めたら、テコでも動かんのだよ。そもそもそわたしは去年の段階で会う資格があると言ったのだが、決して首を縦に振らなかったのだ」
「僕は妥協が許されない人間なので、自分に一番厳しくしないといけないのですよ。……ですがその時間もようやく終わりで、そろそろ。少し、自分に甘くしたいと思います」
微苦笑を作っていたレオ様は、こちらに向き直り――。私の真ん前まで歩み寄り、片膝をつきました。
「件の見落としは解決で相殺させてもらい、僕の気持ちを伝えます。……リナちゃん」
「は、はい……っ」
「弱い者にも優しい貴方が。誰に対しても公平な貴方が。人のために怒れる貴方が。笑顔が素敵な貴方が。眩しいくらいに、魅力的で。あの日僕は、生涯忘れられない出会いをしました」
一度目を瞑って懐古を行い、ゆっくりと瞼が上がります。再び、澄んだ真っすぐな瞳に見つめられます。
「あの時から僕の中心は、リナちゃん。どんな時でも、貴女しか見えていなかった」
「………………」
「隣に貴方が居てくれる、それ以上の幸せなんてない。僕にとっては、貴方が全てなんです」
「………………」
「ですので、もしよろしけば。僕と、結婚を前提にしたお付き合いをしてはくださいませんか?」
優しく左手が伸びてきて、レオ様の瞳が柔らかく細まります。
私をこんなにも想ってくれる人からの、心の籠った言葉。それは本当に嬉しいもので、だから。だから私は――
「ごめんなさい」
――目を伏せ、深く頭を下げたのでした。
レオ様は苦笑いを浮かべ、すぐに私が否定をしたのですが――。その考えを撤回されることは、ありませんでした。
「だからその反省を込めて、この件が解決するまでは正体を伏せていたんだ。『どんな時でも、どんな人間が相手でも、リナちゃんを守れる男になるまでは会わない』、そう決めていたからね」
「こやつはそうと決めたら、テコでも動かんのだよ。そもそもそわたしは去年の段階で会う資格があると言ったのだが、決して首を縦に振らなかったのだ」
「僕は妥協が許されない人間なので、自分に一番厳しくしないといけないのですよ。……ですがその時間もようやく終わりで、そろそろ。少し、自分に甘くしたいと思います」
微苦笑を作っていたレオ様は、こちらに向き直り――。私の真ん前まで歩み寄り、片膝をつきました。
「件の見落としは解決で相殺させてもらい、僕の気持ちを伝えます。……リナちゃん」
「は、はい……っ」
「弱い者にも優しい貴方が。誰に対しても公平な貴方が。人のために怒れる貴方が。笑顔が素敵な貴方が。眩しいくらいに、魅力的で。あの日僕は、生涯忘れられない出会いをしました」
一度目を瞑って懐古を行い、ゆっくりと瞼が上がります。再び、澄んだ真っすぐな瞳に見つめられます。
「あの時から僕の中心は、リナちゃん。どんな時でも、貴女しか見えていなかった」
「………………」
「隣に貴方が居てくれる、それ以上の幸せなんてない。僕にとっては、貴方が全てなんです」
「………………」
「ですので、もしよろしけば。僕と、結婚を前提にしたお付き合いをしてはくださいませんか?」
優しく左手が伸びてきて、レオ様の瞳が柔らかく細まります。
私をこんなにも想ってくれる人からの、心の籠った言葉。それは本当に嬉しいもので、だから。だから私は――
「ごめんなさい」
――目を伏せ、深く頭を下げたのでした。
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