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第43話 正反対の幼馴染 リュクレース視点(2)
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「このままではヤツらに捕まってしまう――今は実弟や実妹達から逃げている最中なのだよっ! ヤツらは我々に多額の慰謝料を請求していてっ、だが払えないからっ! 強制労働をさせて工面させようとしているんだっ!」
「そんなことになったらボクらはっ、鉱山かどこかに閉じ込められて働かされてしまうっ!! そんなのは嫌なんです!!」
「おじさん! リュクレースっ! 慰謝料を立て替えてくれだなんて贅沢は言わないっ。俺達を匿って欲しいんだ!」
ラウル、ロマンおじ様、セブランくん。3人は逃走中に馬車ごと崖から落ちて転落死したことにして、追跡や請求から逃れようとしていました。
「……助けて欲しいだと? よくもまあそんなことを言えるな。貴様はっ、貴様らはっ! この子への仕打ちを忘れたのか!?」
「お、覚えているとも! ちゃんと覚えている! りゅ、リュクレースくん、あの時は済まなかった……! 反省している……!」
「リュクレース姉さん、あの時はすみませんでした……! 反省しています……!」
「リュクレース、ごめん! 本当にごめん! あの時の俺はっ、どうかしていたんだ!」
おじ様とセブラン君は深々と頭を下げ、ラウルは自分の頭を叩きました。
「あの女の――マリレーヌの甘い蜜に惑わされてしまっていた! 俺はあの女のせいでおかしくなってしまっていたんだ!」
「……あの方のせい、なのですね……?」
「そう! マリレーヌのせいなんだよ!! あんなことがなければ俺は自惚れることはなかった! あんな風に近づいてくるヤツがいなければっ、気持ちも考えも変わることはなかったんだよ!!」
………………。
「でもっ、ようやく気付いた!! マリレーヌの影が消えてっ、ようやく目が覚めたんだよっ! すまないっ、本当にっ、すまなかった!! 後悔している!!」
………………。
「している、からっ! 償いたいと思っているんだ!! リュクレースの傍に居させてもらってっ、色んな形でっ、色んな行動でっ、清算してきたいと思っている! そうしなければならないと、強く思っているんだ!!」
………………。
「だから!! 頼みます!! 俺にチャンスをくれっ、ください!! 挽回する機会をくださいっ!! お願いします!!」
地面に額を擦りつけたあと、縋るようにわたしへと両手を差し出してきました。
ですので。
わたしは、そんな彼に向って――
「お断りします」
――静かに、首を左右に振ったのでした。
「そんなことになったらボクらはっ、鉱山かどこかに閉じ込められて働かされてしまうっ!! そんなのは嫌なんです!!」
「おじさん! リュクレースっ! 慰謝料を立て替えてくれだなんて贅沢は言わないっ。俺達を匿って欲しいんだ!」
ラウル、ロマンおじ様、セブランくん。3人は逃走中に馬車ごと崖から落ちて転落死したことにして、追跡や請求から逃れようとしていました。
「……助けて欲しいだと? よくもまあそんなことを言えるな。貴様はっ、貴様らはっ! この子への仕打ちを忘れたのか!?」
「お、覚えているとも! ちゃんと覚えている! りゅ、リュクレースくん、あの時は済まなかった……! 反省している……!」
「リュクレース姉さん、あの時はすみませんでした……! 反省しています……!」
「リュクレース、ごめん! 本当にごめん! あの時の俺はっ、どうかしていたんだ!」
おじ様とセブラン君は深々と頭を下げ、ラウルは自分の頭を叩きました。
「あの女の――マリレーヌの甘い蜜に惑わされてしまっていた! 俺はあの女のせいでおかしくなってしまっていたんだ!」
「……あの方のせい、なのですね……?」
「そう! マリレーヌのせいなんだよ!! あんなことがなければ俺は自惚れることはなかった! あんな風に近づいてくるヤツがいなければっ、気持ちも考えも変わることはなかったんだよ!!」
………………。
「でもっ、ようやく気付いた!! マリレーヌの影が消えてっ、ようやく目が覚めたんだよっ! すまないっ、本当にっ、すまなかった!! 後悔している!!」
………………。
「している、からっ! 償いたいと思っているんだ!! リュクレースの傍に居させてもらってっ、色んな形でっ、色んな行動でっ、清算してきたいと思っている! そうしなければならないと、強く思っているんだ!!」
………………。
「だから!! 頼みます!! 俺にチャンスをくれっ、ください!! 挽回する機会をくださいっ!! お願いします!!」
地面に額を擦りつけたあと、縋るようにわたしへと両手を差し出してきました。
ですので。
わたしは、そんな彼に向って――
「お断りします」
――静かに、首を左右に振ったのでした。
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