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第43話 正反対の幼馴染 リュクレース視点(2)
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「……どう、して……」
「どうして、分からないのですか? あの日貴方はわたしに、あんなことをしたのですよ?」
身勝手な婚約解消をした。散々小馬鹿にした。鼻で笑った。
たくさんの、嫌な思いをしました。
しかも、それだけではありません。
「貴方は今は、コダヴァルア様のせい、と繰り返しました。……どこまでも他責。自責の念をまったく抱かない人に、差し伸べる手はありませんよ」
うわべだけの謝罪をする、おじ様とセブラン君も似たようなもの。
問題行動と、問題点だらけ。こんな人を――人達を助ける人なんて、どこにもいません。
「そ、そんなこと言わないでくれよ……! 俺達は幼馴染じゃないか……!」
「違いますよ。幼馴染、だったのです」
「ち、違うっ。今も幼馴染だよ! 俺は今でもそう思っていて――」
「そうですか。わたしは、もうそう思ってはいませんよ」
その感情は、あの日消えました。
今のわたし達は、昔をよく知っている他人です。
「ですので、これ以上お話しをしたいとも思っていません。お引き取りください」
「だ、そうだ。わたしも、娘の意思を尊重をする」
「「「っっ」」」
「……ロマン、セブラン、ラウル、聞こえなかったのか? わたしは、尊重する、と言ったのだ。全員、この場から去れ。速やかにな」
「っ、サロモン! リュクレースもだ!! この薄情者どもめ!! 今までの恩を忘れやがって!!」
「父上は何度もおじさんの力になってきたはず!! 姉さんにだって色んなものをプレゼントしてっ、面倒を見てあげたことも何度もあった! 何回もお世話になっていたくせにっっ! 恩を仇で返すなんて!! とんでもないクズだ!!」
「ああっ、その通りだ!! 下手(したて)に出たらいい気になりやがって!! もとはと言えばなあ!! リュクレースっ、お前が悪いんじゃないか!!」
さっきまでと、表情は一片。もしも視線に殺傷能力があるのであれば、即死をしてしまいそうな程に鋭い視線を向けられました。
「お前がマリレーヌくらい地位や財力や美貌を持ってたらっ、俺はあんな選択をしなかったんだっ! それ以前にっ、幸せにしてやろうってあそこまですることはなかったんだよっ!! 全部、何も持っていなかったお前の責任だ!! このっ、疫病神め!!」
「………………」
「そのくせっ、自分だけちゃっかり幸せになりやがって!! いいかっ、今に見てろよっ!! 必ずその罰が下るからな!! 俺以上に苦しむようになるからな!! 楽しみにしてろ!! この無能役立たず疫病神め!! 絶対にじごく――ぐあ!?」
目玉が零れそうなくらい目を剥いていたラウルは、突如としてそれ以上叫ぶことはできなくなってしまいました。
なぜ、そんなことになっているのか?
その理由は――
「どうして、分からないのですか? あの日貴方はわたしに、あんなことをしたのですよ?」
身勝手な婚約解消をした。散々小馬鹿にした。鼻で笑った。
たくさんの、嫌な思いをしました。
しかも、それだけではありません。
「貴方は今は、コダヴァルア様のせい、と繰り返しました。……どこまでも他責。自責の念をまったく抱かない人に、差し伸べる手はありませんよ」
うわべだけの謝罪をする、おじ様とセブラン君も似たようなもの。
問題行動と、問題点だらけ。こんな人を――人達を助ける人なんて、どこにもいません。
「そ、そんなこと言わないでくれよ……! 俺達は幼馴染じゃないか……!」
「違いますよ。幼馴染、だったのです」
「ち、違うっ。今も幼馴染だよ! 俺は今でもそう思っていて――」
「そうですか。わたしは、もうそう思ってはいませんよ」
その感情は、あの日消えました。
今のわたし達は、昔をよく知っている他人です。
「ですので、これ以上お話しをしたいとも思っていません。お引き取りください」
「だ、そうだ。わたしも、娘の意思を尊重をする」
「「「っっ」」」
「……ロマン、セブラン、ラウル、聞こえなかったのか? わたしは、尊重する、と言ったのだ。全員、この場から去れ。速やかにな」
「っ、サロモン! リュクレースもだ!! この薄情者どもめ!! 今までの恩を忘れやがって!!」
「父上は何度もおじさんの力になってきたはず!! 姉さんにだって色んなものをプレゼントしてっ、面倒を見てあげたことも何度もあった! 何回もお世話になっていたくせにっっ! 恩を仇で返すなんて!! とんでもないクズだ!!」
「ああっ、その通りだ!! 下手(したて)に出たらいい気になりやがって!! もとはと言えばなあ!! リュクレースっ、お前が悪いんじゃないか!!」
さっきまでと、表情は一片。もしも視線に殺傷能力があるのであれば、即死をしてしまいそうな程に鋭い視線を向けられました。
「お前がマリレーヌくらい地位や財力や美貌を持ってたらっ、俺はあんな選択をしなかったんだっ! それ以前にっ、幸せにしてやろうってあそこまですることはなかったんだよっ!! 全部、何も持っていなかったお前の責任だ!! このっ、疫病神め!!」
「………………」
「そのくせっ、自分だけちゃっかり幸せになりやがって!! いいかっ、今に見てろよっ!! 必ずその罰が下るからな!! 俺以上に苦しむようになるからな!! 楽しみにしてろ!! この無能役立たず疫病神め!! 絶対にじごく――ぐあ!?」
目玉が零れそうなくらい目を剥いていたラウルは、突如としてそれ以上叫ぶことはできなくなってしまいました。
なぜ、そんなことになっているのか?
その理由は――
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