今度こそ君と結婚するために生まれ変わったんだ。そう言った人は明日、わたしの妹と結婚します

柚木ゆず

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第17話 予想外2つ カサンドラ視点(2)

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「ここは、お屋敷、ではありませんよね……? っ!? そちら――壁にあるマークは、教会!? なぜこのような場所に……!?」

 やっぱり。思った通りでした。
 この子は、記憶を失っています。

「あ、アンジェルよ。なにも、覚えておらんのか……?」
「今日が貴方の結婚式だということも……?」
「わたくしの!? は、はいっ。なにも覚えておりませんっ! わたくしっ、どなたと結婚をする予定になっているのですか!?」
「俺だよ。俺と今日、結ばれるんだ」

 わたしカサンドラとの婚約は2週間前に解消され、相手はアンジェルとなっていた。ふたりは相思相愛だった
 などなど。この子から抜け落ちている部分を、この場にいる全員で説明しました。

「……………………わたくしが……!? そんな……。しんじ、られませんわ……。だって、わたくし……」
「そうよね。アンジェルは、わたしが悲しむような真似はしない。わたしもずっと、信じられなかったの」

 あの時驚いたようにこの子はわたしを強く想ってくれていましたし、そもそも道理に反する真似はしません。もしロドルフ様に好意が芽生えたとしても、胸に留めておくような子なんです。

「……アンジェル。いつ頃から記憶がなくなっているか、分かる?」
「は、はいお姉様。ロドルフ様が初めていらしゃった日に頭痛が始まり、そこから曖昧になっていって……。翌朝からの記憶は、ありません」

 そんなに前から……。

「という、ことは……。たぶん……。その時から、レーゾットの――」
「レーゾットっ!? おっ、思い出しました!! なにもかも思い出しました!!」

 名前を出した途端にブルーの瞳が大きく見開かれ、アンジェルはごくりと唾を飲み込みました。

「………………お姉様に、大事なお話があります。そちらはどうしても、お姉様だけにお伝えしたいものでして。申し訳ございませんが、お姉様以外の方には席を外していただけないでしょうか……?」
「わ、分かった」「分かったわ」
「君の頼み事ならならなんでも聞くさ。父上母上、出ましょう」

 アンジェルは倒れたショックで、まだちゃんと動けません。ロドルフ様が大急ぎで廊下へと誘導してくださり、

「確認したいことがございます。ロドルフ様、こちらに来ていただけますか?」
「もちろん」

 ロドルフ様が退室する前に何かしらの確認を行い、室内には二人だけとなりました。

「間違いありませんでした。……お姉様。落ち着いてお聞きください」
「え、ええ。大事な話って……?」

 思い当たることがなく、戸惑いながらアンジェルを見つめる。そうするとこの子はわたしの手を取りながら――少しでもショックが少なくなるようにしてくれながら……。
 信じられないことを、口にしたのでした。


「ロドルフ様は、お姉様の前世の婚約者ルズサンド・ドーラトル様ではありません。あの方はもう一人の幼馴染の、サンダース・サンドルエなのですわ」

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