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4話(1)
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「搭乗お疲れ様。ここが、今夜の目的地だよ」
あれからおよそ30分後。あたし達は、三階建ての大きな建物にやって来た。
ここは、この街の『治安所(ちあんじょ)』。あたしを探し回っている捜査員などがいる、治安を司る場所――今現在、最も行きたくないところだ。
「出発時に、『ここに反撃の道具がある』と言ってましたけど……。こんなところに、なにがあるんですか……?」
「同じく出発時に行ったように、『それは見てからのお楽しみ』。さあ行こう」
そうしてあたし達は出入り口を目指し、そこにいた門番さんは快く中に入れてくれた。ユリオス先輩はここの人も、買収済みみたい。
「今夜はエステルの捜索に人員を割いていて、所内は全員味方。安心してついてきてね」
『あ、ユリオス様。こんばんは』
『世間は今、大変なことになってますね。詳細はよく分かりませんが、頑張ってください』
『オレらはいつでも、ユリオス様の味方っスから!』
あたし達は皆さんに応援されながら階段を上っていき、2階……ではなく、その一つ上にある3階に到着。手入れが行き届いた廊下を歩いていたら、隣から声が聞こえてきた。
「目的の部屋に着くまでの、暇つぶし。一つ質問するね」
「いいですよ。なんですか?」
「複数の人間に大きな仕事を頼む上で、一番気を付けないといけない事は何でしょうか? 答えをどうぞ」
大きな仕事を頼む上で、気を付けないといけないこと……。んーと、それは……。
「日頃の言動、だと思います」
先輩は学校でのアレコレのせいで、かなり評価が酷い。普段の評判が悪ければ、誰も引き受けてはくれないよね。
「俺にジト目が向いているのは、気のせいだね。というわけで、エステル。それはハズレで、答えを発表するよ」
「気のせいではないんですけど、答えは気になります。なんなんですか?」
「答えはズバリ、『報酬は適切な量にしなければならない』、だね」
ユリオス先輩は人差し指で空中に『適切』の字を描き、ふぅっと息で吹き消した。
「同じ仕事を任せたのなら、その人の役職によってお礼の差は当然出るものの、絶対に相手全員が不満を抱かないようにしないといけないんだよ。なぜなら他の者への#感謝の気持ち__・・・・・・__#は、簡単に把握できてしまうからね」
「……確かに。その通りです」
簡単に把握できるから、『お前は〇〇なのに、俺は○○だったぞ』とかの問題が起きてしまう。そういうのはこれまで、何度も目にしてきた。
「そして依頼をした問題が大きければ大きい程、相手が抱いた不満は酷い災いのもととなってしまう。なのでその部分には、細心の注意を払わないといけなくって――。これから実際に、どんな有様になってしまうかを見てもらうね」
ポケットから合鍵を取り出した先輩は、ニヤリ。所謂嘲笑を浮かべ、『副所長』のプレートがある扉を開けたのでした。
あれからおよそ30分後。あたし達は、三階建ての大きな建物にやって来た。
ここは、この街の『治安所(ちあんじょ)』。あたしを探し回っている捜査員などがいる、治安を司る場所――今現在、最も行きたくないところだ。
「出発時に、『ここに反撃の道具がある』と言ってましたけど……。こんなところに、なにがあるんですか……?」
「同じく出発時に行ったように、『それは見てからのお楽しみ』。さあ行こう」
そうしてあたし達は出入り口を目指し、そこにいた門番さんは快く中に入れてくれた。ユリオス先輩はここの人も、買収済みみたい。
「今夜はエステルの捜索に人員を割いていて、所内は全員味方。安心してついてきてね」
『あ、ユリオス様。こんばんは』
『世間は今、大変なことになってますね。詳細はよく分かりませんが、頑張ってください』
『オレらはいつでも、ユリオス様の味方っスから!』
あたし達は皆さんに応援されながら階段を上っていき、2階……ではなく、その一つ上にある3階に到着。手入れが行き届いた廊下を歩いていたら、隣から声が聞こえてきた。
「目的の部屋に着くまでの、暇つぶし。一つ質問するね」
「いいですよ。なんですか?」
「複数の人間に大きな仕事を頼む上で、一番気を付けないといけない事は何でしょうか? 答えをどうぞ」
大きな仕事を頼む上で、気を付けないといけないこと……。んーと、それは……。
「日頃の言動、だと思います」
先輩は学校でのアレコレのせいで、かなり評価が酷い。普段の評判が悪ければ、誰も引き受けてはくれないよね。
「俺にジト目が向いているのは、気のせいだね。というわけで、エステル。それはハズレで、答えを発表するよ」
「気のせいではないんですけど、答えは気になります。なんなんですか?」
「答えはズバリ、『報酬は適切な量にしなければならない』、だね」
ユリオス先輩は人差し指で空中に『適切』の字を描き、ふぅっと息で吹き消した。
「同じ仕事を任せたのなら、その人の役職によってお礼の差は当然出るものの、絶対に相手全員が不満を抱かないようにしないといけないんだよ。なぜなら他の者への#感謝の気持ち__・・・・・・__#は、簡単に把握できてしまうからね」
「……確かに。その通りです」
簡単に把握できるから、『お前は〇〇なのに、俺は○○だったぞ』とかの問題が起きてしまう。そういうのはこれまで、何度も目にしてきた。
「そして依頼をした問題が大きければ大きい程、相手が抱いた不満は酷い災いのもととなってしまう。なのでその部分には、細心の注意を払わないといけなくって――。これから実際に、どんな有様になってしまうかを見てもらうね」
ポケットから合鍵を取り出した先輩は、ニヤリ。所謂嘲笑を浮かべ、『副所長』のプレートがある扉を開けたのでした。
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