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第9話 ローランス湖での悲劇 ローズ視点(2)
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「どっ、どういうこと――」((どういうコトっ!?))
思わず叫びそうになり、慌てて両手で口を押える。
右は、北側!! 告白とデートの聖地!! 縁切りの聖地は、逆!! 行くのは左側のっ、南だってば!!
((……実は、フェリックス兄さんは極度の方向音痴で……。進む道を間違えちゃった?))
ううん、それはない。『僕らは東から来たから、右の道で合ってるね。さあ、進もう』って言ってるだもん。あの人は意図的に右にっ、北側を目指してるっ!
((な、何を考えてるの……?))
「あっ、上を見て。鳥が3羽飛んでいるよ。頭部の先が赤い子が1羽で、そうじゃない子が2羽。オスが1、メスが2だね」
「みなさん、仲がよさそうですね。家族でしょうか?」
「体型からするに、全員がそうではないようだね。2羽は夫婦で、1羽はどちらかの兄妹なのかもしれない。……素晴らしい光景だね」
「はいっ。……素晴らしい光景、です」
それに、なんなのソレ? 2人はどうして鳥を眺めて感慨深げにしてるの?
意味不明だらけで、イライラする……っ。
((……せめて会話を聞けたら、ある程度予想できるんだけど……))
距離の関係で、今は不可能。なので引き続きイライラしながら2人を尾行して、そうしていると――。フェリックス兄さんと姉さんは、北側エリアの中央付近で立ち止まった。
「愛しているよ、ジュリア……っ」
「わたしもよ、ジョンっ。好き、大好き……っ」
辺りには何組ものカップルがいて、愛を伝えあっている。そんな場所で、立ち止まった。
((??? ??? ここで、縁を切るつもりなの……?))
縁切りとは、真逆の状況。フェリックス兄さんは、こんな雰囲気の中でするつもりなの……?
((今日の目的は、絶縁だから……。そう、なるよね))
周囲からも反感を買いそうだけど、ま、まあ、アレだよね。兄さんにもきっと、考えがあるんだよね。
あたしは木の陰で頷き、2人の様子を盗み見る。するとフェリックス兄さんが何かを伝え、2人は向かい合った。
((……過程は、理解不能だったけど……。始まるみたい))
これから起きる出来事は、あたしにとって最高のショー。なので、し~っかりと目と耳を凝らす。一瞬さえも見逃さないように、聞き逃さないように集中をして、
「サーラ。今日はね、君に伝えたい事があるんだ」
はいっ、出ましたっ! そしてっ。
次に、フェリックス兄さんは――
「それとね、君に渡したい物もあるんだ。まずはそちらを、先に行います」
――懐に手を突っ込み、長方形の白い箱を取り出した。
……ん? んん?
((???????? あの人、なにやってるの……?))
ますます意味が分からなくなっていると、兄さんはソレを両手で姉さんに手渡して……。姉さんは同じく両手で受け取って、静かに箱を開ける。
そうしたら、そこには――
((ネックレスぅっ!?))
み、見間違い、じゃない。
キラキラした、やけに高そうな宝石……。ダイヤモンドがついたネックレスが、入ってた……。
思わず叫びそうになり、慌てて両手で口を押える。
右は、北側!! 告白とデートの聖地!! 縁切りの聖地は、逆!! 行くのは左側のっ、南だってば!!
((……実は、フェリックス兄さんは極度の方向音痴で……。進む道を間違えちゃった?))
ううん、それはない。『僕らは東から来たから、右の道で合ってるね。さあ、進もう』って言ってるだもん。あの人は意図的に右にっ、北側を目指してるっ!
((な、何を考えてるの……?))
「あっ、上を見て。鳥が3羽飛んでいるよ。頭部の先が赤い子が1羽で、そうじゃない子が2羽。オスが1、メスが2だね」
「みなさん、仲がよさそうですね。家族でしょうか?」
「体型からするに、全員がそうではないようだね。2羽は夫婦で、1羽はどちらかの兄妹なのかもしれない。……素晴らしい光景だね」
「はいっ。……素晴らしい光景、です」
それに、なんなのソレ? 2人はどうして鳥を眺めて感慨深げにしてるの?
意味不明だらけで、イライラする……っ。
((……せめて会話を聞けたら、ある程度予想できるんだけど……))
距離の関係で、今は不可能。なので引き続きイライラしながら2人を尾行して、そうしていると――。フェリックス兄さんと姉さんは、北側エリアの中央付近で立ち止まった。
「愛しているよ、ジュリア……っ」
「わたしもよ、ジョンっ。好き、大好き……っ」
辺りには何組ものカップルがいて、愛を伝えあっている。そんな場所で、立ち止まった。
((??? ??? ここで、縁を切るつもりなの……?))
縁切りとは、真逆の状況。フェリックス兄さんは、こんな雰囲気の中でするつもりなの……?
((今日の目的は、絶縁だから……。そう、なるよね))
周囲からも反感を買いそうだけど、ま、まあ、アレだよね。兄さんにもきっと、考えがあるんだよね。
あたしは木の陰で頷き、2人の様子を盗み見る。するとフェリックス兄さんが何かを伝え、2人は向かい合った。
((……過程は、理解不能だったけど……。始まるみたい))
これから起きる出来事は、あたしにとって最高のショー。なので、し~っかりと目と耳を凝らす。一瞬さえも見逃さないように、聞き逃さないように集中をして、
「サーラ。今日はね、君に伝えたい事があるんだ」
はいっ、出ましたっ! そしてっ。
次に、フェリックス兄さんは――
「それとね、君に渡したい物もあるんだ。まずはそちらを、先に行います」
――懐に手を突っ込み、長方形の白い箱を取り出した。
……ん? んん?
((???????? あの人、なにやってるの……?))
ますます意味が分からなくなっていると、兄さんはソレを両手で姉さんに手渡して……。姉さんは同じく両手で受け取って、静かに箱を開ける。
そうしたら、そこには――
((ネックレスぅっ!?))
み、見間違い、じゃない。
キラキラした、やけに高そうな宝石……。ダイヤモンドがついたネックレスが、入ってた……。
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