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第10話 仁王立ちで待ち構えていたら、大変なことになった ローズ視点(3)
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((………………これって……。もしかして…………。この人って、実は……。倫理観が、崩壊してた? 『全員を心から愛しているんだから、2股をしても俺もお前もOKだろ!』って思ってるの……?))
今までそんな風には見えなかったし、あたし自身一度も感じたことはなかった。
けど!
魅了しているのに姉さんも好きなままだし、愛の告白とプレゼントを知っているあたしにも堂々とプレゼントをして好きだと言って抱き締めた。
そうとしか、考えらんない……!!
「ローズ? 急にどうしたんだい? 大丈夫かい?」
フェリックスがしゃがみ込んで顔を覗き込んできてるけど、返事なんてしてらんない。ぜんぶ無視して、自分に集中する。
((そうっ! 絶対そうだってば!!)」
これで決まり! フェリックス・ヴァイナーは、一般常識はあるけど恋愛面の常識はまるでない男。恋愛サイコパスだった!!
((むっ、ムリムリ! こんなの無理っ! ぜったいに要らないっ!))
こんなヤツと交際してたら、ロクなコトになんないもんっ。返品っ! 姉さんに返すっっ!
姉さんと引き続きイチャイチャして、あたしが無関係なトコロで、その狂った倫理観を思う存分発揮すればいいっ!
((こんな男に、用はなし。魅了の魔法を解除しなきゃ!))
このままだとロックオンされたままで、距離をとってもしつこく付き纏われちゃうもん。そうならないように、解いておく。
「ローズ? 僕の声が、聞こえるかな? 今から病院に行ってみるかい?」
「………………ううん、大丈夫よ。そんなコトより、あたしの手を握って」
「え? どうして、なのかな?」
「いいから早くしてっ。ほらっ、この手を握って!」
「う、うん。分かったよ。これで、いいんだね?」
解除の際には肉体的な接触と、解除の呪文が必要になる。条件その1が満たされたから、次は条件その2。解除の呪文を唱える。
(クピドの矢は、抜け落ちた)
そう呟くとフェリックスの瞳にピンク色のハートマークが浮かび上がって、霧散するように消えた。
……ふぅ、終わった。
これで、この人の恋愛対象からは外れた。さっきまであった恋心は綺麗さっぱりなくなっていて、しつこくされるコトもなくなった。
「??? 今、なんて呟いたんだい?」
「内緒。ところで、フェリックス――フェリックス兄さん。あたしのコト、愛してる?」
念のために、確認をしておく。
これに即答されなかったら、速攻部屋を追い出してバイバイ。以前みたいに姉さんだけを愛するようになって、姉さんは物分かりが悪いイジワル人間だから、丁度いいや。
この男は他に好きな人ができたら堂々と浮気や不倫をする生き物ですが、仲良くしてくださいね~。あたしはもう無関係なので、末永くお幸せに~――
「ふふっ、さっきお伝えしたばかりだよ? 義妹として愛してるよ」
――ぁ、れ?
あたし……。むかん、けい……?
今までそんな風には見えなかったし、あたし自身一度も感じたことはなかった。
けど!
魅了しているのに姉さんも好きなままだし、愛の告白とプレゼントを知っているあたしにも堂々とプレゼントをして好きだと言って抱き締めた。
そうとしか、考えらんない……!!
「ローズ? 急にどうしたんだい? 大丈夫かい?」
フェリックスがしゃがみ込んで顔を覗き込んできてるけど、返事なんてしてらんない。ぜんぶ無視して、自分に集中する。
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これで決まり! フェリックス・ヴァイナーは、一般常識はあるけど恋愛面の常識はまるでない男。恋愛サイコパスだった!!
((むっ、ムリムリ! こんなの無理っ! ぜったいに要らないっ!))
こんなヤツと交際してたら、ロクなコトになんないもんっ。返品っ! 姉さんに返すっっ!
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「………………ううん、大丈夫よ。そんなコトより、あたしの手を握って」
「え? どうして、なのかな?」
「いいから早くしてっ。ほらっ、この手を握って!」
「う、うん。分かったよ。これで、いいんだね?」
解除の際には肉体的な接触と、解除の呪文が必要になる。条件その1が満たされたから、次は条件その2。解除の呪文を唱える。
(クピドの矢は、抜け落ちた)
そう呟くとフェリックスの瞳にピンク色のハートマークが浮かび上がって、霧散するように消えた。
……ふぅ、終わった。
これで、この人の恋愛対象からは外れた。さっきまであった恋心は綺麗さっぱりなくなっていて、しつこくされるコトもなくなった。
「??? 今、なんて呟いたんだい?」
「内緒。ところで、フェリックス――フェリックス兄さん。あたしのコト、愛してる?」
念のために、確認をしておく。
これに即答されなかったら、速攻部屋を追い出してバイバイ。以前みたいに姉さんだけを愛するようになって、姉さんは物分かりが悪いイジワル人間だから、丁度いいや。
この男は他に好きな人ができたら堂々と浮気や不倫をする生き物ですが、仲良くしてくださいね~。あたしはもう無関係なので、末永くお幸せに~――
「ふふっ、さっきお伝えしたばかりだよ? 義妹として愛してるよ」
――ぁ、れ?
あたし……。むかん、けい……?
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