片翼の召喚士-Rework-

ユズキ

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美人コンテスト編

episode589

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「ぶえっくしょーい!」

 盛大にクシャミをしたベルトルドは、スンッと鼻をすする。

「一瞬背筋がブルッたな……。しかしここは、まず大風呂を堪能せねばなるまいっ!」

 腕を組み、いつもの尊大な態度できっぱり吠えた。

 部屋で浴衣なる着物に着替えた皆は湯殿に集合し、男女に分かれてまず大風呂に入ることになった。

 木の香る広々とした脱衣所で浴衣を脱ぎ、ベルトルドは一番で外に飛び出した。

「これはイイ眺めだなあ。それに大きな浴槽だ」

 素っ裸で前を隠さず、両手を腰に当ててふんぞり返る。

「ベルトルド様、こちらの洗い場で身体を先に洗ってください。そのまま入らないように」

「おう」

 アルカネットに言われて、素直に応じて洗い場に向かう。

「相変わらず、デケーな…」

 ベルトルド、アルカネット、ヴァルト、メルヴィンの股間をしみじみ見て、ギャリーはゲッソリと肩を落とした。

「貴様が粗チンなだけだ。とっとと身体を洗え、股間もしっかり洗っとけよ」

 素っ気なく断言され、ギャリーはデカイ身体を小さくした。

「気にするなって。オレたちが標準サイズなんだからサ」

 ルーファスは朗らかに言うが、あんまり慰めに聞こえないのが虚しい。

 顔が美形なうえに、股間のモノもデカイ。ちっぱいなを気にするキュッリッキの気持ちが、なんとなく判るギャリーだった。

 さっさと身体を洗い終えたベルトルドとアルカネットは、喜々として湯船に飛び込んだ。

「これは最高だなあ」

「ええ、お湯が全然違いますね」

 無邪気にはしゃぐ2人に続き、身体を洗い終えた皆も湯船に飛び込んでいった。

 まだ明るい青空の下、竹の清々しい香りと桧の香りに包まれ、至福の時間が湯殿に漂う。

 身体に沁みるような気持ちのイイ湯にうっとりと浸かる男性陣のもとに、キャッキャ囀る女性陣の声が静寂を破った。

 皆一斉に女性風呂の方角へと顔を向ける。

「うわー、ひっろいお風呂!」

「ほらリッキー、先に身体を洗ってからよ」

「はーい」

「う~ん、これはぁ眺めのイイ~~~お風呂ねぇ~」

「お嬢様、ボディソープはこれを使ってくださいませ」

「あら、キューリちゃんったらぁ、ココつるつるじゃなあぃ」

「だってこんなところに毛が生えててもしょうがないし、邪魔だし剃っちゃった」

「それから生えてきてないの?」

「うん」

 ベルトルドがいきなりガバッと立ち上がる。隣にいたタルコットが、ギョッとして目を剥いた。

(だから、超デカすぎ……)

「リッキーのアソコはつるつるだとぅ!」

 握り拳をググッと震わせ、ベルトルドは鼻の穴を大きくして、荒々しく鼻息を吐き出した。興奮度MAXで、股間はすっかりバーニングだ。

「あってもなくても、リッキーさんなら許せます」

 キュッリッキの裸体を思い浮かべ、アルカネットはうっとりと呟く。

(そっか…リッキーのアソコの毛は、ナイんですね…)

 メルヴィンは俯くと、心の中でちょっと嬉しそうに思った。恋人同士となってまだ日は浅いが、肉体関係までは進めていない。まだ見ぬキュッリッキの裸体を想像し、暫く立ち上がれない股間になり焦る。

「しかしケシカラん! この鬱陶しいまでの塀はなんだ!!」

「全くですよねー。さっきから透視してるんですけど、全然視えないんですよ」

 ベルトルドに頷きながら、ルーファスが困ったように言う。

「おめえ、透視してたんかい」

 呆れ顔で言うギャリーに、ルーファスがイタズラっ子の顔を向けた。

「ほらやっぱり、覗きはお約束じゃない?」

「オッサンでも透視出来ないって、特別仕様なのか、この塀?」

 ザカリーが首をかしげる。

「オッサン言うな馬鹿者! これはスキル〈才能〉対策の施された特殊仕様の建材を使っているな」

 魔法やサイ《超能力》といったレアスキル〈才能〉が存在するため、そうした特殊な力を跳ね除ける建材も多く開発され、建築物等に使うことも多い。

「あなたのような不心得者対策ですよ。覗きなどという下品な振る舞いは慎みなさい」

「ンぐっ」

 アルカネットに冷ややかに言われて、ベルトルドは眉をヒクヒクさせた。

「ほ~ら、キューリちゃんのおっぱい揉んじゃうわよん~」

「やだーもー、マリオンのエッチぃ」

 再び羨ましい会話が聴こえてきて、ベルトルドはたまらず塀に飛びついた。

「あわわ、オッサン落ち着け!」

「何をしているんですかベルトルド様!!」

「ふおおおおお俺は意地でも覗くぞリッキーーーー!!!」

 絶叫を喚き散らしながら塀をよじ登ろうとするベルトルドを、アルカネットとライオン傭兵団は慌てて止めに入った。



「にゅ? なんか塀の向こうが賑やかだね」

 湯船に肩まで浸かりながら、キュッリッキは塀のほうを向く。

「発情したオッサンが、暴れてるっぽいねぇ~」

 クスッとマリオンが笑う。

「もしかして、挑発するように色々言ってたでしょ、マリオンさん」

 マリオンの意図を察して、ファニーは困ったように肩をすくめた。

「そりゃぁ、露天風呂のお約束よ、お・や・く・そ・く」
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