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最終章 永遠の翼
episode809 最終話
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寝返りをうったところで、メルヴィンは目を覚ました。
暫く薄ぼんやりとした目で天井を見上げていたが、隣に寝ているはずのキュッリッキがいないことにようやく気づいた。
「リッキー?」
身体を起こして、蚊帳越しに室内を見回す。
窓から白い光が柔らかく射し込んでいて、室内を薄く照らしているが、キュッリッキはいなかった。
メルヴィンはベッドから降りると、ズボンを履いてシャツを羽織り、ボタンもかけず部屋を飛び出した。
階下へ降りてリビングを見てもいない。お風呂好きなのを思い出して、風呂場へ行くがそこにもいない。
散歩に出かけたのかと思って外に出る。
夜が明けてきて、外は穏やかな明るさに満ちようとしていた。
適当にあちこちを歩き回り、ビーチにたどり着いたとき、ようやくキュッリッキを見つけた。そして声をかけようとして、メルヴィンは動きを止めた。
キュッリッキは海の方を向いていて、じっと佇んでいる。細い足首が、波の中に沈んでいた。
こちらに背を向けているが、その後ろ姿にメルヴィンは心底驚いた。
大きく開かれた、純白の翼。陽の光に照らされて、不可思議な輝きを放つ虹色の光彩。
右に開いた大きな翼。そして、左に開かれた、小さな翼。
やがて、何かの気配を感じたのか、キュッリッキはゆっくりと振り向いた。
「メルヴィン…」
キュッリッキは戸惑うような笑みを、メルヴィンに向けた。
「あ、あのね…、急に背中がムズムズして痒くなってきて、目が覚めちゃったの。それでね、どんどんムズムズするから、外に出てきてね、それで、それで…」
「リッキー」
メルヴィンはキュッリッキに駆け寄ると、ギュッと抱きしめた。
「あのね、翼がね、あのね、あのね」
「生えてます。白くて、小さくて可愛らしい翼が」
「うん…」
感極まって、メルヴィンは全身が震えた。
キュッリッキはまだどことなく呆けたように、自分の身に起こったことを理解できずにいるようだった。
以前見たときは、羽をむしり取られ残骸のような形をしていた左側の翼。しかし目に映る左側の翼は、小さくて子供が生やすような大きさだが、紛れもなく美しい白い翼なのだ。
「どうやら、無事生えたようね」
ハッとして二人は声の方を向く。笑顔のリュリュが立っていた。
「無事生えたって、どういうことですか?」
「小娘の、その左に生えた翼のことヨ」
キュッリッキは不安そうにリュリュを見つめた。
「以前、ナルバ山の遺跡で大怪我をしたでしょ」
「うん」
「怪我も治ってきて、一度ハーメンリンナの病院に、検査入院をしたことがあったわね。その時に、ヴィヒトリがちょちょいと治しちゃったの」
「……治し…た?」
「そうよん。治してくれたのよ」
「誰にも、治せないんじゃないの…?」
怪訝そうに言うキュッリッキに、リュリュは微笑みながら首を横に振る。
「ちゃんと治してもらってるじゃない」
「だ…だって…」
それなら、自分はどうして捨てられたのだろうか?
「あーたの両親が、医者にも見せなかったってことネ。もし見せていれば、もっともっと早い段階で、治っていたかもしれないっていうのに」
ますます複雑な表情を浮かべ、キュッリッキは足元に視線を落とした。
「ベルがね、言ったのよ。”リッキーが本当に幸せになるためには、どうしても片方の翼を治してやらないといけない。リッキーの不幸の原因を取り除いてやらないと、あの子には一生、本当の意味での幸せは訪れないんだ”ってね」
「ベルトルドさんが…」
「ナルバ山での怪我の治療をさせる一方で、左側の翼の原因をヴィヒトリに調べさせて、それで検査入院の時に、傷痕の治療をしながら背中もちょろっといじったのよ」
リュリュはくねっと腰を曲げて、そばの木の幹にもたれかかる。
「いつ結果が反映されるか、ヴィヒトリも判らないって言ってたわ。1年先か2年先か。でもどっこい、案外早かったわね」
くすくすっとリュリュは笑った。
「ベルはいつもあーたのことを考えてたわ。その翼は、ベルからの贈り物よ。おめでとう小娘、良かったわね。もう片翼じゃない、両翼になったのよ」
「おめでとう、リッキー」
大きく見開いた目から、大粒の涙が沢山沢山、波の上に落ちた。信じられない、といった顔で、メルヴィンを縋るように見上げる。
「アタシ、空を飛べるようになるの?」
憧れた、あの、高くて青い青い空。風を受け、鳥のように羽ばたきたいあの大空へ。
「ええ」
「本当に?」
「はい」
メルヴィンは嬉しそうに返事をした。
涙目でメルヴィンを見上げながら、キュッリッキの脳裏には、幼い頃の日々が蘇っていた。
片方の翼がないことで、同族から心無い仕打ちを受け続け、虐められてきた。
守ってくれる大人もいない、蔑みと冷たい目が常に向けられていた。鏡に映る自分を見つめ、いつか右側と同じような翼が生えてくると信じていた。でもそれもいつか諦めとなり、翼のことを隠して孤独に生きてきたのだ。
翼は嫌な思いしかもたらさない。全ての不幸の象徴だった。
そんなみっともないと言われ続けた片翼の自分を受け入れて、愛してくれた最初の人はベルトルドだった。
いつも度を超すほどの愛情で、優しく包み込んでくれた。
今はメルヴィンと結ばれて、身も心も幸せだ。不幸な事なんて、もう何一つないと思っていた。――その筈だったのに。
片翼であることは、心の奥底でずっと錘となって、常に苛まれていた。これまでの不幸な生い立ちの、最大の原因だからだ。メルヴィンと幸せになったとは言え、まだこんなに大きくて忘れることもできない傷として、心に巣食っているのだから。
ベルトルドには、そのことまでもお見通しだったのだ。
「ベルトルドさん…」
キュッリッキはメルヴィンのシャツをぎゅっと握り締め、もっと涙をあふれさせる。
「ベルトルドさん、ベルトルドさん」
ありがとう、ありがとう、ありがとう。心の中で何度も何度も、繰り返しありがとうを言った。感謝と恋しさと、会えない寂しさで、心の奥底から奔流のように溢れ出して止まらない。
異性としての愛情はもてなかったが、今でもこんなに大好きでたまらないと痛感する。
あとはもうメルヴィンの胸に顔をうずめて、ひたすら泣きじゃくった。
「リッキー…」
メルヴィンはキュッリッキを強く抱きしめ、頭をそっと撫でてやった。
まだまだベルトルドにはかなわない、そうメルヴィンは思って自嘲する。
キュッリッキと出会ってからは、ベルトルドと同じだ。恋をして、愛を深める期間はメルヴィンのほうが若干遅い。しかし、今は愛する深さと重みは負けないつもりだった。
心の奥深くでキュッリッキを苦しめる元凶に、気づいてやれなかったことを、悔しく思うし自分が情けない。たとえサイ《超能力》があったとしても、果たして自分は気づいてあげられたのだろうか。
まだまだ自分は人間として、男として、キュッリッキの恋人として、未熟なのだと改めて思い知らされた。
最後の最後まで、ベルトルドに完敗したような気分にさせられてしまう。でも、これまでのキュッリッキを救ったのはベルトルドでも、これからのキュッリッキを愛し、守り続けていくのは自分だけなのだ。
自分のやり方で、自分にしかできない愛し方で、この先ずっとキュッリッキを守り続ける。そう決意を新たにし、メルヴィンは誓うように天を仰いだ。
リュリュは二人に優しく微笑み、そして空を見上げる。
「よくやったわ、ベル。あーたの想い、ちゃんと花開いたわよ。これであーたの罪が許されるわけじゃないけど、好感度は戻してあげてもよくってよ」
終わり
* * * * *
無事完結しました。
最後まで続けてお読みくださった皆様には、心からありがとうございます!
2013年11月26日から、【ALCHERA-片翼の召喚士-】というタイトルでスタートして、終わったのは2017年4月26日でした。
なんとも長いんですが、途中何ヶ月も更新しなかったり、更新頻度がゆるゆるペースだったり。
結末は決まっていたけど、そこに至るまでの話に詰まったりして、それはもうとんでもない時間がかかってしまいました。
ブログ掲載の方では、ブロともさんたちが最後まで着いてきてくださいましたが、SNSはもう閑古鳥で(泣笑) それは仕方がないですが、更に性描写シーンがあるので、通常からR18指定のほうへとお引越しさせられるなど色々ありました(;・∀・)
でも、初めての長編連載小説であり、しっかり完結させたものでもありました。タイヘン思い出深い作品となりました。
しかし、色々と直したい部分が多く、連載中に指摘されたコトや、言われてムカッ(笑)とした部分とか、完結させる前に悶々考えていて、書き直したい、書き直したいと思うようになりました。
そして【片翼の召喚士-ReWork-】という新たなタイトルで、構成変更をしたり、追加エピソードや書き直したりなどして、2017年9月2日からスタートさせました。
今度はなるべく更新期間を空けないように気をつけつつ、夏場だけはゴメンナサイしながら、1年7ヶ月で完結に。
急ぐものではないけど、平成から令和になる前には終わらせたいと、ラストスパート毎日4話更新頑張りました(笑)
着いてきて下さった方々には、大変だったと思います。すみませんでした(*≧∀≦*)
このお話は、一応恋愛が最大のテーマです。ファンタジー要素盛りだくさんだけど、恋愛です。
ベルトルドの初恋からたんを発して、ベルトルドの大きな愛で完結する。
うん、こうしてみると、御大が主人公だ(笑)
思いつき当初はキュッリッキだけにスポットを当てた物語でしたが、だんだんと御大も深く関わるようになってきて、二人が主人公、になったですねえ。
ラストでキュッリッキの片翼が、両翼になるシーンは、書き始めるずっと前から脳内イメージで固定されていて、でも当初よりちょっと内容違っちゃったんですが。今はこれでよかったと思います。
私の文章表現力がまだまだ乏しすぎて、彼らの人生を伝えるのが下手すぎましたが、キュッリッキ、ベルトルド、アルカネット、リュリュの4人は、本当に色々と重いものを背負っていたキャラです。
なので軽い話ではないですが、ライオン傭兵団の連中のおかげで、結構茶化されたり冗談や下ネタ飛び交い賑やかだったではないでしょうか(笑)
ちなみにタイトルの片翼の召喚士-ReWork-のReWorkは、直接物語と関係なくて、書き直し的な意味でくっつけてます。
片翼の召喚士-ReWork-はこれで完結ですが、続編がまだあるのでその連載と、片翼の召喚士に登場した連中を使った、まったく別物なお話があります。
続編のタイトルは【片翼の召喚士-sequel-】。はい、まんま続編です(笑)
先に続編のほうをお届けしたいと思います。
ただ、SNSに投稿する際、現在目次がズラ~~~っと長くなってしまったので>< 別に分けて投稿したいと思います。そのときは、また続けて読んでいただけると嬉しいです。
投稿時間の設定ミスを後半結構やらかしていて>< 読みに来てくださっていた皆様には、大変失礼しました!
テンプレ系が大幅に大人気のアルファポリスの中で、よほど傑出していない限りは、これでもまあまあ健闘したほうではないかな、と自分を鼓舞してみます(笑)
途中から、しおりがどの辺りに挟まっているか管理画面から見られるようになって、更新ごとにしおりが移動していると嬉しくなったりして、更新ペースで着いてきてくれた皆様ありがとうございました!
120万文字の長編になったですから、読む方も大変だったかと思います。
テキスト離れの世間な昨今、たくさんある作品の中から、当方の拙い物語に貴重なお時間を割いて読んでくださって、本当にありがとうございました。
また次回作もよろしくお願いします!!
=============
ユズキ
ユズキのファンタジー工房:オリジナル創作ブログ
https://alcheraxx.blog.fc2.com/
暫く薄ぼんやりとした目で天井を見上げていたが、隣に寝ているはずのキュッリッキがいないことにようやく気づいた。
「リッキー?」
身体を起こして、蚊帳越しに室内を見回す。
窓から白い光が柔らかく射し込んでいて、室内を薄く照らしているが、キュッリッキはいなかった。
メルヴィンはベッドから降りると、ズボンを履いてシャツを羽織り、ボタンもかけず部屋を飛び出した。
階下へ降りてリビングを見てもいない。お風呂好きなのを思い出して、風呂場へ行くがそこにもいない。
散歩に出かけたのかと思って外に出る。
夜が明けてきて、外は穏やかな明るさに満ちようとしていた。
適当にあちこちを歩き回り、ビーチにたどり着いたとき、ようやくキュッリッキを見つけた。そして声をかけようとして、メルヴィンは動きを止めた。
キュッリッキは海の方を向いていて、じっと佇んでいる。細い足首が、波の中に沈んでいた。
こちらに背を向けているが、その後ろ姿にメルヴィンは心底驚いた。
大きく開かれた、純白の翼。陽の光に照らされて、不可思議な輝きを放つ虹色の光彩。
右に開いた大きな翼。そして、左に開かれた、小さな翼。
やがて、何かの気配を感じたのか、キュッリッキはゆっくりと振り向いた。
「メルヴィン…」
キュッリッキは戸惑うような笑みを、メルヴィンに向けた。
「あ、あのね…、急に背中がムズムズして痒くなってきて、目が覚めちゃったの。それでね、どんどんムズムズするから、外に出てきてね、それで、それで…」
「リッキー」
メルヴィンはキュッリッキに駆け寄ると、ギュッと抱きしめた。
「あのね、翼がね、あのね、あのね」
「生えてます。白くて、小さくて可愛らしい翼が」
「うん…」
感極まって、メルヴィンは全身が震えた。
キュッリッキはまだどことなく呆けたように、自分の身に起こったことを理解できずにいるようだった。
以前見たときは、羽をむしり取られ残骸のような形をしていた左側の翼。しかし目に映る左側の翼は、小さくて子供が生やすような大きさだが、紛れもなく美しい白い翼なのだ。
「どうやら、無事生えたようね」
ハッとして二人は声の方を向く。笑顔のリュリュが立っていた。
「無事生えたって、どういうことですか?」
「小娘の、その左に生えた翼のことヨ」
キュッリッキは不安そうにリュリュを見つめた。
「以前、ナルバ山の遺跡で大怪我をしたでしょ」
「うん」
「怪我も治ってきて、一度ハーメンリンナの病院に、検査入院をしたことがあったわね。その時に、ヴィヒトリがちょちょいと治しちゃったの」
「……治し…た?」
「そうよん。治してくれたのよ」
「誰にも、治せないんじゃないの…?」
怪訝そうに言うキュッリッキに、リュリュは微笑みながら首を横に振る。
「ちゃんと治してもらってるじゃない」
「だ…だって…」
それなら、自分はどうして捨てられたのだろうか?
「あーたの両親が、医者にも見せなかったってことネ。もし見せていれば、もっともっと早い段階で、治っていたかもしれないっていうのに」
ますます複雑な表情を浮かべ、キュッリッキは足元に視線を落とした。
「ベルがね、言ったのよ。”リッキーが本当に幸せになるためには、どうしても片方の翼を治してやらないといけない。リッキーの不幸の原因を取り除いてやらないと、あの子には一生、本当の意味での幸せは訪れないんだ”ってね」
「ベルトルドさんが…」
「ナルバ山での怪我の治療をさせる一方で、左側の翼の原因をヴィヒトリに調べさせて、それで検査入院の時に、傷痕の治療をしながら背中もちょろっといじったのよ」
リュリュはくねっと腰を曲げて、そばの木の幹にもたれかかる。
「いつ結果が反映されるか、ヴィヒトリも判らないって言ってたわ。1年先か2年先か。でもどっこい、案外早かったわね」
くすくすっとリュリュは笑った。
「ベルはいつもあーたのことを考えてたわ。その翼は、ベルからの贈り物よ。おめでとう小娘、良かったわね。もう片翼じゃない、両翼になったのよ」
「おめでとう、リッキー」
大きく見開いた目から、大粒の涙が沢山沢山、波の上に落ちた。信じられない、といった顔で、メルヴィンを縋るように見上げる。
「アタシ、空を飛べるようになるの?」
憧れた、あの、高くて青い青い空。風を受け、鳥のように羽ばたきたいあの大空へ。
「ええ」
「本当に?」
「はい」
メルヴィンは嬉しそうに返事をした。
涙目でメルヴィンを見上げながら、キュッリッキの脳裏には、幼い頃の日々が蘇っていた。
片方の翼がないことで、同族から心無い仕打ちを受け続け、虐められてきた。
守ってくれる大人もいない、蔑みと冷たい目が常に向けられていた。鏡に映る自分を見つめ、いつか右側と同じような翼が生えてくると信じていた。でもそれもいつか諦めとなり、翼のことを隠して孤独に生きてきたのだ。
翼は嫌な思いしかもたらさない。全ての不幸の象徴だった。
そんなみっともないと言われ続けた片翼の自分を受け入れて、愛してくれた最初の人はベルトルドだった。
いつも度を超すほどの愛情で、優しく包み込んでくれた。
今はメルヴィンと結ばれて、身も心も幸せだ。不幸な事なんて、もう何一つないと思っていた。――その筈だったのに。
片翼であることは、心の奥底でずっと錘となって、常に苛まれていた。これまでの不幸な生い立ちの、最大の原因だからだ。メルヴィンと幸せになったとは言え、まだこんなに大きくて忘れることもできない傷として、心に巣食っているのだから。
ベルトルドには、そのことまでもお見通しだったのだ。
「ベルトルドさん…」
キュッリッキはメルヴィンのシャツをぎゅっと握り締め、もっと涙をあふれさせる。
「ベルトルドさん、ベルトルドさん」
ありがとう、ありがとう、ありがとう。心の中で何度も何度も、繰り返しありがとうを言った。感謝と恋しさと、会えない寂しさで、心の奥底から奔流のように溢れ出して止まらない。
異性としての愛情はもてなかったが、今でもこんなに大好きでたまらないと痛感する。
あとはもうメルヴィンの胸に顔をうずめて、ひたすら泣きじゃくった。
「リッキー…」
メルヴィンはキュッリッキを強く抱きしめ、頭をそっと撫でてやった。
まだまだベルトルドにはかなわない、そうメルヴィンは思って自嘲する。
キュッリッキと出会ってからは、ベルトルドと同じだ。恋をして、愛を深める期間はメルヴィンのほうが若干遅い。しかし、今は愛する深さと重みは負けないつもりだった。
心の奥深くでキュッリッキを苦しめる元凶に、気づいてやれなかったことを、悔しく思うし自分が情けない。たとえサイ《超能力》があったとしても、果たして自分は気づいてあげられたのだろうか。
まだまだ自分は人間として、男として、キュッリッキの恋人として、未熟なのだと改めて思い知らされた。
最後の最後まで、ベルトルドに完敗したような気分にさせられてしまう。でも、これまでのキュッリッキを救ったのはベルトルドでも、これからのキュッリッキを愛し、守り続けていくのは自分だけなのだ。
自分のやり方で、自分にしかできない愛し方で、この先ずっとキュッリッキを守り続ける。そう決意を新たにし、メルヴィンは誓うように天を仰いだ。
リュリュは二人に優しく微笑み、そして空を見上げる。
「よくやったわ、ベル。あーたの想い、ちゃんと花開いたわよ。これであーたの罪が許されるわけじゃないけど、好感度は戻してあげてもよくってよ」
終わり
* * * * *
無事完結しました。
最後まで続けてお読みくださった皆様には、心からありがとうございます!
2013年11月26日から、【ALCHERA-片翼の召喚士-】というタイトルでスタートして、終わったのは2017年4月26日でした。
なんとも長いんですが、途中何ヶ月も更新しなかったり、更新頻度がゆるゆるペースだったり。
結末は決まっていたけど、そこに至るまでの話に詰まったりして、それはもうとんでもない時間がかかってしまいました。
ブログ掲載の方では、ブロともさんたちが最後まで着いてきてくださいましたが、SNSはもう閑古鳥で(泣笑) それは仕方がないですが、更に性描写シーンがあるので、通常からR18指定のほうへとお引越しさせられるなど色々ありました(;・∀・)
でも、初めての長編連載小説であり、しっかり完結させたものでもありました。タイヘン思い出深い作品となりました。
しかし、色々と直したい部分が多く、連載中に指摘されたコトや、言われてムカッ(笑)とした部分とか、完結させる前に悶々考えていて、書き直したい、書き直したいと思うようになりました。
そして【片翼の召喚士-ReWork-】という新たなタイトルで、構成変更をしたり、追加エピソードや書き直したりなどして、2017年9月2日からスタートさせました。
今度はなるべく更新期間を空けないように気をつけつつ、夏場だけはゴメンナサイしながら、1年7ヶ月で完結に。
急ぐものではないけど、平成から令和になる前には終わらせたいと、ラストスパート毎日4話更新頑張りました(笑)
着いてきて下さった方々には、大変だったと思います。すみませんでした(*≧∀≦*)
このお話は、一応恋愛が最大のテーマです。ファンタジー要素盛りだくさんだけど、恋愛です。
ベルトルドの初恋からたんを発して、ベルトルドの大きな愛で完結する。
うん、こうしてみると、御大が主人公だ(笑)
思いつき当初はキュッリッキだけにスポットを当てた物語でしたが、だんだんと御大も深く関わるようになってきて、二人が主人公、になったですねえ。
ラストでキュッリッキの片翼が、両翼になるシーンは、書き始めるずっと前から脳内イメージで固定されていて、でも当初よりちょっと内容違っちゃったんですが。今はこれでよかったと思います。
私の文章表現力がまだまだ乏しすぎて、彼らの人生を伝えるのが下手すぎましたが、キュッリッキ、ベルトルド、アルカネット、リュリュの4人は、本当に色々と重いものを背負っていたキャラです。
なので軽い話ではないですが、ライオン傭兵団の連中のおかげで、結構茶化されたり冗談や下ネタ飛び交い賑やかだったではないでしょうか(笑)
ちなみにタイトルの片翼の召喚士-ReWork-のReWorkは、直接物語と関係なくて、書き直し的な意味でくっつけてます。
片翼の召喚士-ReWork-はこれで完結ですが、続編がまだあるのでその連載と、片翼の召喚士に登場した連中を使った、まったく別物なお話があります。
続編のタイトルは【片翼の召喚士-sequel-】。はい、まんま続編です(笑)
先に続編のほうをお届けしたいと思います。
ただ、SNSに投稿する際、現在目次がズラ~~~っと長くなってしまったので>< 別に分けて投稿したいと思います。そのときは、また続けて読んでいただけると嬉しいです。
投稿時間の設定ミスを後半結構やらかしていて>< 読みに来てくださっていた皆様には、大変失礼しました!
テンプレ系が大幅に大人気のアルファポリスの中で、よほど傑出していない限りは、これでもまあまあ健闘したほうではないかな、と自分を鼓舞してみます(笑)
途中から、しおりがどの辺りに挟まっているか管理画面から見られるようになって、更新ごとにしおりが移動していると嬉しくなったりして、更新ペースで着いてきてくれた皆様ありがとうございました!
120万文字の長編になったですから、読む方も大変だったかと思います。
テキスト離れの世間な昨今、たくさんある作品の中から、当方の拙い物語に貴重なお時間を割いて読んでくださって、本当にありがとうございました。
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