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第九話
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「おい芋女、お前だろ? ポルテ元男爵の領地を潰したのは」
「ちょっとグランビア! あなた何を言っているの⁉ シルビアが潰したんじゃなくて、ポルテ元男爵が何もしなかったから潰れたのよ!」
五人組の先頭にいる男性、プリメラが名前を呼んだのでグランビアという人みたい。
でもどうしてこの人は元男爵を知っているんだろう。
私が知る限り取り潰しになる五年以上前から屋敷の外に出たことはないはず。
あ、先代から付き合いのある貴族なら元男爵と接点があるのかしら。
私を芋女と呼ぶ男性、金髪のオールバックでワックスを付けているのか髪がコテコテだ。
不敵な笑みで口の左を吊り上げているけど、時々見える歯は左上が一本抜けている。
「プリメラ、私が芋臭いのは間違いありません。しかしグランビア様? 私の力不足で元男爵領が潰れたのは間違いありませんが、それは元男爵が貴族の役目を果たさなかったからです」
プリメラに喧嘩をさせる訳にはいかないので反論しましたが、グランビア様は口の両側を吊り上げて更に不気味な笑みを浮かべました。
「貴様! 侯爵家である俺に楯突くのか⁉ それに貴様のせいで潰れた事を認めたな! この貴族殺しめ!!」
私を指さして演説の様に声高らかに発言します。
しまった、最近はプリメラや御友人とばかりすごしていたから、相手は貴族だという意識が薄れていたわ。
「違うわよ! ワタクシがきいた話しとグランビアの言う内容は全く違っているわ! 何もしない元男爵に変わってシルビアが頑張ったからこそ、数年間も国の援助無しでもっていたんじゃない!」
「……は? 国の援助?? しっ、知るかそんな事! そんな物が無くても貴族を支えるのが使用人というものだろう!」
プリメラの反論にうろたえ始めて口の両端が降りてへの字になっています。
どうやら確固とした情報を元に芋女と言っている訳では無いようですね。
「みんなも気を付けろよ、こんな芋女が近くにいたら自分の家も潰されてしまうぞ」
勇気を振り絞ったのか、垂れてもいない髪を手でかき上げ、高笑いと共に教室から出ていきました。
言いたい事だけ言って去っていきましたね。
「皆さんお騒がせしました。ワタクシの名においてシルビアはグランビアの言うような事は無いと宣言します。気にする事ないわシルビア。アイツはいつもそうなのよ、聞きかじった話をさも見てきたように言いふらすの」
「すみませんプリメラ、学園に来て早々騒ぎを起こしてしまって」
「気にする事ないって言ってるでしょ。どうせシルビアが居なくても誰かに噛みついてたわよアイツ」
教室内の喧騒も落ち着き始め、しばらくすると担任が教室に入って来た事で教室は静かになりました。
階段状に長テーブルが置かれており、特に席は決まっていないようなのでプリメラの隣に座ります。
他の人も付き人と隣同士になってる。
あの男性、侯爵と言っていたかしら。
グランビア……侯爵……サクシード侯爵だわ!
確かサクシード侯爵は古くからの貴族で国の重鎮と言える御方。
そのご令息だったのね、グランビア様は。
と、どうやらこの教室で新入りは私だけのようなので、自己紹介をさせてくれました。
後は私が皆さんの名前を覚えるだけですね。
「ねぇシルビア、私は基本授業のほかに礼儀作法とダンスを取っているんだけど、シルビアも一緒でいい?」
「はい、もちろんご一緒します」
私はプリメラの付き人だもの、そばを離れる訳にはいかないわ。
でも他にどんなモノがあるのかしら? そういえばもらったプリントに選択科目が……あった、えーっと、剣術、乗馬、槍術、装甲理論? 戦術研究、話術、経済学、あ、経済学ってどんな事をやるのかしら、今まで領地をやりくりしてきたから、役に立つ事なら興味があるわ。
でも今の私には必要ないわね、プリメラの付き人として同じものを選ばないと。
むしろ礼儀作法はしっかり勉強しないと!
それからの学園生活は毎日楽しい事だらけでした。
プリメラと一緒に受ける講義、その御友人や付き人と共にとる昼食、放課後には街で買い食いをして、寮に戻って復習をして。
「付き人って、こんなに楽しくていいんでしょうか」
「なに? いきなりどうしたの?」
寮の部屋でプリメラの背中をマッサージしながらそんな事を呟いていました。
「お仕事なのに楽しいって、なんだか罪悪感があります」
「あはははは、楽しいんだったら良いんじゃない? ワタクシは嫌々付き人をされるよりも楽しんでもらえた方が嬉しいわ」
そういうものかな? でも楽しくて悪いことはないけど、なにか落とし穴でもありそうで怖い。
は! そうよ楽しいばかりじゃないわ!
「来月のテスト! 楽しい事ばかりじゃありませんでした!」
「大丈夫よシルビアなら。授業や復習をしてたらわかるもの、少なくとも赤点はないわね」
そうだといいのだけど……うん、考えるのはやめてしっかり勉強をしましょう!
そしてテスト当日。
「シルビア、君の試験会場はこっちだ」
お花を摘み終わり教室に戻ろうとすると、男子生徒に声をかけられました。
「え? しかし同じ試験を受けるプリメラは――」
「何言ってるんだ、付き人は別の教室で受けるんだ」
えっと、そんな話は聞いてないけど……でも確かに付き人が沢山隣の教室に入っていく。
「わかりました。では筆記用具を取って――」
「もう用意してある。時間がない急げ!」
「は、はい」
慌てて隣の教室に入るとそこは男子生徒ばかり。
あれ? 付き人って女性も沢山いたはずだけど??
男子生徒に言われるままに席に座ると直ぐにテストが配られた。
え? え? これはどういうこと⁉ 私が専攻している科目じゃないわ!!
「ちょっとグランビア! あなた何を言っているの⁉ シルビアが潰したんじゃなくて、ポルテ元男爵が何もしなかったから潰れたのよ!」
五人組の先頭にいる男性、プリメラが名前を呼んだのでグランビアという人みたい。
でもどうしてこの人は元男爵を知っているんだろう。
私が知る限り取り潰しになる五年以上前から屋敷の外に出たことはないはず。
あ、先代から付き合いのある貴族なら元男爵と接点があるのかしら。
私を芋女と呼ぶ男性、金髪のオールバックでワックスを付けているのか髪がコテコテだ。
不敵な笑みで口の左を吊り上げているけど、時々見える歯は左上が一本抜けている。
「プリメラ、私が芋臭いのは間違いありません。しかしグランビア様? 私の力不足で元男爵領が潰れたのは間違いありませんが、それは元男爵が貴族の役目を果たさなかったからです」
プリメラに喧嘩をさせる訳にはいかないので反論しましたが、グランビア様は口の両側を吊り上げて更に不気味な笑みを浮かべました。
「貴様! 侯爵家である俺に楯突くのか⁉ それに貴様のせいで潰れた事を認めたな! この貴族殺しめ!!」
私を指さして演説の様に声高らかに発言します。
しまった、最近はプリメラや御友人とばかりすごしていたから、相手は貴族だという意識が薄れていたわ。
「違うわよ! ワタクシがきいた話しとグランビアの言う内容は全く違っているわ! 何もしない元男爵に変わってシルビアが頑張ったからこそ、数年間も国の援助無しでもっていたんじゃない!」
「……は? 国の援助?? しっ、知るかそんな事! そんな物が無くても貴族を支えるのが使用人というものだろう!」
プリメラの反論にうろたえ始めて口の両端が降りてへの字になっています。
どうやら確固とした情報を元に芋女と言っている訳では無いようですね。
「みんなも気を付けろよ、こんな芋女が近くにいたら自分の家も潰されてしまうぞ」
勇気を振り絞ったのか、垂れてもいない髪を手でかき上げ、高笑いと共に教室から出ていきました。
言いたい事だけ言って去っていきましたね。
「皆さんお騒がせしました。ワタクシの名においてシルビアはグランビアの言うような事は無いと宣言します。気にする事ないわシルビア。アイツはいつもそうなのよ、聞きかじった話をさも見てきたように言いふらすの」
「すみませんプリメラ、学園に来て早々騒ぎを起こしてしまって」
「気にする事ないって言ってるでしょ。どうせシルビアが居なくても誰かに噛みついてたわよアイツ」
教室内の喧騒も落ち着き始め、しばらくすると担任が教室に入って来た事で教室は静かになりました。
階段状に長テーブルが置かれており、特に席は決まっていないようなのでプリメラの隣に座ります。
他の人も付き人と隣同士になってる。
あの男性、侯爵と言っていたかしら。
グランビア……侯爵……サクシード侯爵だわ!
確かサクシード侯爵は古くからの貴族で国の重鎮と言える御方。
そのご令息だったのね、グランビア様は。
と、どうやらこの教室で新入りは私だけのようなので、自己紹介をさせてくれました。
後は私が皆さんの名前を覚えるだけですね。
「ねぇシルビア、私は基本授業のほかに礼儀作法とダンスを取っているんだけど、シルビアも一緒でいい?」
「はい、もちろんご一緒します」
私はプリメラの付き人だもの、そばを離れる訳にはいかないわ。
でも他にどんなモノがあるのかしら? そういえばもらったプリントに選択科目が……あった、えーっと、剣術、乗馬、槍術、装甲理論? 戦術研究、話術、経済学、あ、経済学ってどんな事をやるのかしら、今まで領地をやりくりしてきたから、役に立つ事なら興味があるわ。
でも今の私には必要ないわね、プリメラの付き人として同じものを選ばないと。
むしろ礼儀作法はしっかり勉強しないと!
それからの学園生活は毎日楽しい事だらけでした。
プリメラと一緒に受ける講義、その御友人や付き人と共にとる昼食、放課後には街で買い食いをして、寮に戻って復習をして。
「付き人って、こんなに楽しくていいんでしょうか」
「なに? いきなりどうしたの?」
寮の部屋でプリメラの背中をマッサージしながらそんな事を呟いていました。
「お仕事なのに楽しいって、なんだか罪悪感があります」
「あはははは、楽しいんだったら良いんじゃない? ワタクシは嫌々付き人をされるよりも楽しんでもらえた方が嬉しいわ」
そういうものかな? でも楽しくて悪いことはないけど、なにか落とし穴でもありそうで怖い。
は! そうよ楽しいばかりじゃないわ!
「来月のテスト! 楽しい事ばかりじゃありませんでした!」
「大丈夫よシルビアなら。授業や復習をしてたらわかるもの、少なくとも赤点はないわね」
そうだといいのだけど……うん、考えるのはやめてしっかり勉強をしましょう!
そしてテスト当日。
「シルビア、君の試験会場はこっちだ」
お花を摘み終わり教室に戻ろうとすると、男子生徒に声をかけられました。
「え? しかし同じ試験を受けるプリメラは――」
「何言ってるんだ、付き人は別の教室で受けるんだ」
えっと、そんな話は聞いてないけど……でも確かに付き人が沢山隣の教室に入っていく。
「わかりました。では筆記用具を取って――」
「もう用意してある。時間がない急げ!」
「は、はい」
慌てて隣の教室に入るとそこは男子生徒ばかり。
あれ? 付き人って女性も沢山いたはずだけど??
男子生徒に言われるままに席に座ると直ぐにテストが配られた。
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